- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480088949
感想・レビュー・書評
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SDGs|目標10 人や国の不平等をなくそう|
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「民俗学」という範疇にあるのかどうかよくわからないが、独自の主義主張を持った一冊であるのは疑いない。
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民俗学と聞くと、平和な里山村の昔話の様な世界を想像し勝ちだけれど、本当は性、差別等々血生臭い世界の記憶なのだと思った。地べたを這いずり回る様な生活をしていた人の存在を、決して忘れないための学問なのだと思った。
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著者の研究姿勢について何も知らない状態で読むと、なぜこうにも柳田民俗学を否定するのか、階級という言葉を用いるのか等々、疑問がたくさん湧くが、解説を読んだら理解できた。
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最近社会学とか民俗学の本を読まなくなって久しいが、ひょんな事から昨日購入して早速読み始めたら非常に読みやすい。この手の本を一日で読み終えたのは久しぶりです。
古文や漢文のところや、色んな用語の意味がわからないことが多々あるが、そのあとの解説で全体として今でも主張が理解できるのは素晴らしいことだと思う。
第3章が特に読み応えがありました。同著者の夜這いの民俗学とか非常民の民俗学も読んでみたくなりました。
追記:沖浦 光赤著『幻の漂泊民・サンカ』文春文庫を引き続いて読んでいますが、赤松啓介先生の主張は少し行き過ぎの感があります。例えば、
時代や状況など考慮する要素はあるにしても、柳田国男先生の社会学に対する批評など沖浦先生の方が、より具体的に+Δを指摘されています。 -
「夜這いの民俗学」と内容の重複があったり、柳田國男の悪口が相変わらず多かったりしますが、やはり素晴らしい本でした。
性や差別など、そういうものに触れないことは、関与していない他人事ではなく、文字通りアンタッチャブルの残存に知らずのうちに貢献してしまいます。差別用語の排斥よりもその方がずっと大切でしょう。
メディアなどで著名人の紹介の際「旧家の出身で」と紹介することが、犯罪者を「部落の出身で」と晒し挙げることと根幹では同じ発想だという指摘はハッとしましたし、赤松先生自身もそういう誤謬を無意識のうちにしていることを自覚していらっしゃって、そういう姿勢に凄く好感を持ちました。
時間をおいて「非常民の民俗学」も読みたいと思います。 -
本流の民俗学から省かれていた、省いちゃいけない差別構造と、下層民の民俗学の話。
筆者は夜這い研究で有名らしく、差別含まれた民俗学は、部落解放闘争のためだったとか。
とはいえ、だいたいは江戸から戦前までのムラの話。
もはやこんな風俗習慣ほとんど消え去ったな、と思ったが。
いま話題の相撲界。
世俗の権力や高等教育と離れた、明確な上下関係で成り立つ狭ーい社会。
これぞ貴重なムラの縮図だ、と思うと野球賭博も大麻もかわいがりも許せてしまう。
非常に参考になった。
一元的に民衆をとらえた柳田民俗学へのまさに、アンチテーゼ。といいつつ、本流の方も全く知らないので勉強してみよう。
網野先生や五木寛之の本を読んだときにも感じたが、
裏街道てロマンがある。 -
柳田国男への批判精神が強く伺われた。
著者自身の研究スタイルや地道なリサーチはとても興味深く、そっちにフォーカスした本も読んでみたい。 -
「柳田民俗学の最大の欠陥は、差別や階層の存在をみとめないことだ。いつの時代であろうと差別や階層があるかぎり、差別される側と差別する側、貧しい者と富める者とが、同じ風俗習慣をもっているはずがない。」すべての底辺、すべての下層からその民俗を掘り起こし、人間存在の根源的病巣「差別」の起源と深層構造に迫った、民俗学の巨人・赤松啓介のひとつの到達点。人間解放の原理、平等原理に貫かれた著者のまなざしは、限りなくあたたかい。