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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480090645
感想・レビュー・書評
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思っていたよりも短く(未完だから当然か)、読みやすかった。当時の日本人の青年がどれだけナーバスだったのか、暗鬱としていたのかがこの論考を読むだけでも気が滅入るほどよくわかる。
特に、桃太郎主義を掲げて大正期日本で活躍した渥美勝に対する批評は、どこか著者による優しさや憐憫も見え隠れしている。
だから著者はこの本で日本の国家主義やマルクス主義を丸切り否定しようとしているわけではない。むしろ、そこに思想を超えた数々の人間の心情を誠実に読み取ろうとする姿勢がある。味わい深い読み物だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1920~30年代の日本における思想史、精神史に関心を有する人に強く薦めたい一書。私たちが対峙する現代の諸課題は、当時の日本が直面した問題群の圏内から、原理的に抜け出してはいないことが実感できる。 (2010: 村松晋先生推薦)
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