哲学について (ちくま学芸文庫 ア 12-4)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093509

作品紹介・あらすじ

フランス現代思想を領導したマルクス主義哲学者、アルチュセール。本書はアルチュセール後期の思想を自らが総括した対話と手紙で構成されている。自身の思想を語りかけるように綴った本書は、晩年のアルチュセールが哲学と唯物論について何を、どのように考えていたのかを知ることのできる、唯一の文献である。マルクス主義哲学は実在するが、それは哲学としては提出されていない、という逆説。カトリシズムの救済の理念とマルクス主義の解放の思想との統合をめざした、孤高の哲学者の到達点を示す歴史的文献であり、またその思想の入門書ともなる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 妻を殺めてしまった後、祖国フランスで全てを失い、躁鬱を療養しながら南米の女性哲学者との書簡。まさに最悪のところにいるアルチュセールですが、哲学とは戦場であるというカントの引用が冴える硬質な文体の進み行きに、時々そんなことを忘れているかのように見えます。年明けに、軽い鬱を感じている私にはこの本の哲学は療養のようでした。

  • 哲学の基礎ができてないと意図を汲み取るのは難しい。哲学者同士の手紙も大学講演も、哲学の初心者には高すぎるハードルといえよう。

  • 1039円購入2011-06-28

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著者プロフィール

ルイ・アルチュセール(Louis Althusser)1918-1990。マルクス主義哲学者。
高等師範学校でバシュラールのもとでヘーゲルを研究。48年から同校教員となり、フーコー、ブルデュー、セール、デリダなどを指導。48年にフランス共産党入党。80年に妻を殺害するが、事件当時の心神耗弱により免訴となる
邦訳書に『終わりなき不安夢―夢話 1941-1967』(市田良彦訳、書肆心水)、『政治と歴史:エコール・ノルマル講義 1955-1972』(市田良彦・王寺賢太訳、平凡社)、『マルクスのために』(河野健二ほか訳、平凡社ライブラリー)、『再生産について』(西川長夫ほか訳、平凡社ライブラリー)、『哲学・政治著作集Ⅰ・Ⅱ』(市田ほか訳、藤原書店)、『マキャヴェリの孤独』(福井和美訳、藤原書店)、『資本論を読む』『哲学について』(ともに今村仁司訳、ちくま学芸文庫)など。

「2016年 『哲学においてマルクス主義者であること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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