- Amazon.co.jp ・本 (531ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480094735
作品紹介・あらすじ
ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第3巻は、ブッダとその弟子たちの説法、出家、修行、さとりの消息などの仏教の根本思想と、ブッダの大いなる死を記した「大般涅槃経」、それに経典編集の実情にかんする資料を収録。
感想・レビュー・書評
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借りてきた、、171227
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増谷文雄の最古仏典抄訳シリーズの最終巻。これまでのより長めの文章が収められている。
どうもこの「阿含経典」を読んでいるだけでも、ブッダの言葉(とされている言葉)にはたまに相矛盾する発言があるような気がするのだが、どうなんだろう。
「大いなる死」は、ブッダ最後の旅を描く長編。中でも「捨命」の章が印象的だった。自分は「いまより三ヶ月のちには、般涅槃する(死ぬ)だろう」と予言し、そのときブッダは「生きる意志を捨てた」と書いてある。死への決意。もちろん自殺ではなく病死するのだが。
するとその瞬間、大地におおきな地震が起きる。どうやら如来が生誕したり、悟ったり、生への意志を捨てたり、実際に死んだりしたとき、いちいち大地震が起こるらしい。まわりの人はちょっとたまったものではないですな。
仏教の魅力は、<苦>とそれの滅尽の最終形態としての<死>という、このふたつのイメージのサイクルのストレートさにある。自殺を奨励しているわけはないが、死への親近感のようなものが初めからあって、惹かれる。