- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480095077
作品紹介・あらすじ
今日は澁澤龍彦、山口昌男、明日はユングにカルダーノ、はてはポルノや春本まで、"書物の美食家"エンサイクロペディストによる痛快無比の書物論、読書論。日本、世界の作家、思想家、学者などの書物ワールドを、あたかも花を求める蝶のごとくヒラリヒラリと飛び回る。いい香りを嗅ぎ付けては美味な蜜をしっかりと味わい、栄養はたっぷりと吸い取る。いったい厖大な書物のなかの何を読み、どうつきあったらよいのか。そのはてなき書物の大森林におくすることなく分け入り、からみあった複雑な迷宮の謎を解き明かすスリリングな大冒険。
感想・レビュー・書評
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本にまつわるエッセイの集成。
書きたいように書いている。
読者の好奇心や知性を信じている感じがする。読んでいて難しいけれど心地よい。
澁澤龍彦や三島由紀夫の本のエッセイを読んだ時にも言及されていた『家畜人ヤプー』、気になるんだけれどおいそれと手を出しづらい感がまだあるのよね。 -
エッセイ集。
ただ様々な雑誌から集めたエッセイが時代別ではなくテーマ別というべきかバラバラに掲載されているため、人によっては一瞬読みにくいと感じる事もあるかもしれません。
しかし著者が本当に幅広く本を読み本を愛しているのかが伝わってくる一冊でした。
また様々な本が紹介されているので、それを目当てに読むのも面白いかもしれません -
書評というより、読書エッセイってところかな。
一応メインの本はあるものの、あちこちに話題を移せるのがさすが種村といったところでしょうか。
対象となっている本も、堅いのから柔らかいのまで、色々とそろっていて、どれかしらは興味を引く本が有るんじゃないかな。 -
古今東西、多岐にわたる書物に関する縦横無尽な随筆集。著者の博識ぶりに圧倒されるばかりで、たまに出てくる知った題名を見て喜んでいる自身の不明を恥じるばかりである。
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著者は20004年に亡くなったドイツ文学者の種村季弘。小学4年の頃に『宮本武蔵』全巻を立ち読みし、闇市の本屋で『大言海』に読み耽ったといわれる博物学的知識を有する活字中毒者の評論集。1984年に筑摩書房から刊行されたものの再版。1968年から1983年に執筆された書評等をまとめたもの。ホットカーペットの上にごろっと寝転んで、飼い猫を撫でながら読み耽った。
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博学であることはなにであれ素晴らしい。人として太い。ぶっとい。余裕がある。
斜め読みだが今後読み直したい。
・しもじものものに毒見させた本を、古本屋で買う。
・森羅万象を読む、すべてが本。
・理系的頭脳(本は物質だ)を相手に震えている読書家たち。
・日記=日記(ダイアリ)+夜記(ノクチュアリ)の総体。
・悪。
・民話と夢。
・宇宙論。
・ベケット……陸の河童の干物(ウンコ臭い)の味。
・タルホ……ホムンクルスに翼がつけば飛行機……本書中もっともためになった。
・ヤプー
・正気を演じること、ポーの一族。 -
知的遊戯.幻想文学的世界の一旦に触れられる.