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- Amazon.co.jp ・本 (671ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480095596
感想・レビュー・書評
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驚くべき博覧強記の山口昌男さんは、それだけに却って、文章に引用・言及が多くて戸惑わされ、今までちょっと辟易気味だったのだが、このアンソロジーをゆっくり読んでみて、その思想の魅力がよく体験できた。
山口さんはもの凄くブッキッシュな印象だが、本当は書物を持たずにフィールドワークを重ねてきた人類学者なので、彼の見識は決して机上の空論なのではない。その点が、どうも誤解されがちな学者なのかもしれない。
とりわけ「狂気」をテーマにした「文化と狂気」、非日常性を追求する「失われた世界の復権」、天皇制を人類学的に構造主義的に分析した「天皇制の神話=演劇的構造」が面白かった。
<異化><周縁性><スケープゴート><トリックスター>、これらのようなキーワードを、かつて私たちは、あまりにも軽薄なポストモダン時代の消費財として、浮かれて費やしてしまったのではないか。
ポストモダンの軽はずみが遠ざかった今、山口昌男の書物は改めて読み返すに足りる、知的刺激の宝庫と言えるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737710
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