増補 モスクが語るイスラム史: 建築と政治権力 (ちくま学芸文庫 ハ 45-1)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097385

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の、エスファハーンのモスクで鳴り響くアザーンを聞くシーンは、私も初めて彼の地を訪れた時以来何度も経験しているが、それはそれは言葉に表しきれないほどの風情に溢れている。

    そんな、イスラムの世界の街に必ず置かれているモスクを、実地調査と文献調査でその始まりから19世紀まで辿ったのが本書。
    いくつかのエポックメイキングな様式の変更は、その時々の政治権力の強さに大きくかかわるという指摘は、十分にうなずけるものである。またモスクを設計した建築家の中には異教徒もいたことや、他主教の影響を受けていることも多々あることなどの記述は、今日「宗教対立」ととらえられてしまうこともある、イスラムと他宗教との関係性を考えさせられるものだった。

  • 1年も前に興味があったのだろうけど、熱はすっかり冷めています。
    チラッと読み始めたが、今回は中止です。

    2017/11/28  予約 12/7 借りて読み始めるが、冒頭だけで中止。 

  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:文庫||522.7||ハネ
    資料番号:10236154
    --------------------------------------

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:167.2||H
    資料ID:95170717

  • まず冒頭の、著者が聞いたアザーンの描写が心地よく、一気にモスクを辿る旅へ引き込まれた。
    著者も言及しているが、基本的にはトルコ、イラン、アラブ、北アフリカ(とイベリア半島)というイスラム帝国からオスマン帝国期の支配地域の、集会モスク、金曜モスクの主要モスクの建築とそこにまつわる政治・文化的背景の解説。94年に出版された後、9.11前後の「イスラム世界」の社会的認識の変化や、西欧とイスラム世界の二分化への違和感を感じながら、20年の間に著者が新たに調査した成果を補強版として、東南アジア等のモスクも紹介されている。
    争いや天災が原因で当時の姿を保てず資料もほぼ無い建築もあり解明されない謎も多いモスクだが、通説と著者の推論もあって個人的にはそこも面白い部分だった。
    ダマスカスのキリスト教聖堂をモスクへと変えていく当時の為政者のバランス感も面白かった。
    集会モスク以外の、民衆寄りの小さい?モスクについても読んで見たい。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学名誉教授。専門は世界史。現在は東京大学東京カレッジ長を務める。従来のヨーロッパを中心とした世界史像からの脱却をめざし、国民国家やヨーロッパ対アジアという構図にとらわれない新しい世界史=「グローバル・ヒストリー」の方法による世界史理解を提唱し、各国の歴史学者との共同研究にとりくんでいる。著書に『新しい世界史へ』(岩波新書、2011年)、『輪切りで見える!パノラマ世界史』1~5(大月書店、2016年)、『グローバル化と世界史』(東京大学出版会、2018年)など多数。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ 世界の歴史 全20巻+別巻1冊定番セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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