- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480098139
作品紹介・あらすじ
アイヌ文化とはどのようなものか。その四季の暮らしをたどりながら、食文化、習俗、神話・伝承、世界観などを幅広く紹介する。解説 北原次郎太
感想・レビュー・書評
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ご自身もアイヌ人でありアイヌ文化研究者としてアイヌ民族の伝統の承継と保存にご尽力された萱野茂氏の著作。戦中前後の北海道沙流郡平取町の字である二風谷の暮らしを記した歳時記である。
アイヌ民族の習慣や生活を古き日本の牧歌的叙事詩と捉えて読んでしまっていたが、例えば85ページなど(登録フレーズ参照)、アイヌ人にとって我々は「日本人」や「倭人」という外国人であったことを明示的に指摘され、そうした文化を破壊した側の人間であることを再認識させられる。
「そういう文化があり今も保護され伝承されている」事実を我々日本人は理解する必要がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クマ送りの話、クマの獲物を横取りして襲われそうになる話、イヌを送る話など、動物が出てくる話はどれも迫力がある。
アイヌ語での語りも随所に出てくるが、なかなかイメージが掴みにくいのでぜひ実際に聴いてみたいと思った。それと、若者が想いを寄せる相手に贈ったという手づくりのナイフ(骨に彫刻を施してあるらしい)や手甲(刺繍が施してあるらしい)も実際に見てみたい。ウポポイに行ってみたくなった。 -
アイヌの文化・思想を自身の幼少期の思い出を織り交ぜて綴っている。
生きて四季折々の自然と共に生活し、結婚、出産、子育てを経て、死んで神の国へ行く。
節目ごとに、今は消えてしまった風習がある事を教えられる。