フランス革命の政治文化 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480099747

作品紹介・あらすじ

フランス革命固有の成果は、レトリックやシンボルによる政治言語と文化の創造であった。政治文化とそれを生み出した人々の社会的出自を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • 平凡社から1989年に出版された邦訳の文庫化。著者ハントによる「ちくま学芸文庫版へのまえがき」と「ちくま学芸文庫版訳者あとがき」を付す。「政治文化」というカテゴリーによって、マルクス主義的な下部構造に革命の原因を求める解釈も、政治が社会を規定するという解釈も一面的だとして拒絶し、政治的なレトリックや象徴の体系と革命に関与した人々の社会的出自とが相互に作用して革命のダイナミズムを説明する。その意味で、「メビウスの帯」というメタファーを著者が採用したことは理にかなっている。この大きな図式も、それを支える詳細かつ具体的な分析によって肉付けされており、様々な点で参考になる研究である。

  • フランス革命研究には相当の蓄積があり、一般読者が個々の著作を読んでも、なかなかその意義や位置付けを知ることは難しいと思われる。その点本書は、日本語版への序文と、新たに文庫版へのまえがきが付されており、著者自身の筆で、研究に当たってのアプローチの方法や学説史における意義が明確に示されており、正に道標となる。
    ポイントは「政治文化」であり、それを作り出した「新しい政治階級」、また両者の関係の把え方にある。全体を読み通した後で、序説に立ち返るのが、理解を助けると思う。

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著者プロフィール

アメリカ歴史学会会長

「2002年 『ポルノグラフィの発明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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