森鴎外集: 鼠坂 (ちくま文庫 ふ 36-2 文豪怪談傑作選)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 63
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422422

感想・レビュー・書評

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  • 森鴎外の怪談、奇談集ですね。
    「諸国物語」からの抜粋、つまり翻訳を主体に鴎外の創作も交えてのアンソロジーですね。19編の作品集です。
    編集者によると「鴎外が怪談風の創作に手を染めたのは、
    主に明治末から大正初頭にかけての数年間だが、たいそう興味深いことに、この期間は『諸国物語』収録作品の発表時期と見事に重なり合っている」そうです。その頃の文壇でも怪談奇談のブームが起きていたそうで、柳田國男も作品を出された頃に符合します。
    ちくま文庫はやはり読みやすく、鴎外の文章も優しささえ感じられますよ。
    夏の夜をひんやりと読み進めるのも一考かな。

  • ちょっと難しい部分もあったり、なんか読みにくかったりしましたが、なんとか読み切った。
    「忘れてきたシルクハット」は怖いというよりも、ちょっと笑ってしまった。個人的には「金比羅」が怖かったかな。

  • 鴎外の創作、翻訳、随筆の中から怪談味・幻想味の強い作品をラインナップ。ダンセイニなんかも翻訳してたんですね。
    鴎外の家庭の話がベースにありそうな雰囲気の「金比羅」、実在の文豪達が出演する「不思議な鏡」が面白かった。
    特に、「不思議な鏡」は批評家にイロイロ言われっぱなしの側である作家の心境を、不思議現象にかこつけて面白おかしく書いてる作品ともとれるし、リアルに離魂病(ドッペルゲンガー)の幻想作品とも読めて興味深い。
    それにしても、翻訳にしろ創作にしろ、鴎外の作品は一つ一つの言葉の選び方が高尚な感じがプンプンですね。勉強にはなりそうだけど真似はできなさそう……。

  • 文豪・鴎外の、お化けのお話あつめました。

    が、どうにも文体が合わない。
    途中まで読んで積ん読にしていたのを漸く読み終わった次第なのですがドイツだ法律だ専門の医者だのがやたら出てきたような印象(うろ覚え)でさすがはインテリといった感じでした。

  • 文学の翻訳による紹介
    自分の筆による怪奇談
    鴎外の原点を知るのによい資料です。

    怪奇ものが嫌いな人には勧められません。

  • とにかく読了するのに苦労した。文体が合わないのか、感性が合わないのか、ちっとも気持ちが物語の中に入り込めなかった。
    特に巻頭から2本目に収録されている「正体」が難物で、これの為に一冊を読み損ねてはいけないとの思いから、巻末の方にある話から読み進めることになった。
    評価の★が五つなのは、実はこの一冊を何とか読み終えた自分に対する評価である。

    そんな風に本を読んだってちっとも為にならない気がする。果たして読んだ内容がちゃんと身になっているかと問われたら、とても「うん」とは答えられない。
    しかし、今まで一度も鷗外の作品を読んだことのなかった自分だから、貴重な経験とは言えるだろうし、全ての作品が読みにくい文体ではないことも判ったし、面白いと思う話もあった。例えば、翻訳なら「己の葬」とか、オリジナルなら「蛇」「金毘羅」「魔睡」なんかである。

    チャンスがあるならば、ぜひ「正体」を他の訳者の翻訳で読んでみたい。

  • 森鴎外の翻訳と創作集。後半部分がおもしろかった。
    百物語に招待されて、食べるだけ食べて、話は聞かずに帰ってしまう鴎外。

  • 帯表
     人はなぜ闇に魅せられるのか。
    〈語り得ぬもの〉を描く鴎外の真骨頂。

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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