人生の教科書人間関係 (ちくま文庫 ふ 29-6)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423184

感想・レビュー・書評

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  • 人間関係の根幹になるクレジットをいかにして蓄積するかを、分かりやするたくさん説明した本。
    非常に読みやすいし、ためになるエッセンスがちりばめられている。特に印象に残ったポイントをまとめると、以下の三点。
    ①自分という存在を自分ネットワークの総体だと考え、ネットワーク脳を育むことが知恵を豊かにする。だからこそ、聞く姿勢が非常に重要。
    ②プレゼンテーションは、理路整然と自分の考えを説明することではなく、自分の中にあるイメージを相手の中に結ぶ行為。一般論や「あるべき」論はつまらない。具体的な数字や、わかりやすいたとえ話の方が心にヒットする。
    ③成熟社会で大事になるのは、身につけた知識や技術を組み合わせて納得解を引き出す力、つまり「情報編集力」。これまでの「情報処理力」が、ジグローパズルを解くのに対し、情報編集力は、レゴで世界観を作り上げること。
    レゴブロックの例などは、②を体現していて見事な表現。こういう力をつけたい。

  • 人間関係を深めるポイント、それは会話の中に「!」があること。「!」があると。エネルギーの交流がはじまると著者はいう。
    話を聞くことが大事 そう思っているし、そうなのだけれども、聞くために何をしなければならないのか。問いかけである。相手に訊かなければ、何も聞けない。そして、この問いかけの「?」こそ、「!」を生む! と言っていてる。また、その訊きどころが、「相手の一番話したいこと」(を想像しながらで)ということなのだ。ある種、需要と供給のような関係にも似ていると思ったのだが、相手の気持ちを満たせること、これは相手にとって、自分が好印象でとらえられる可能性が大きく上がるというわけだ。
    僕が、この本で一番好きなところは、肩書、学歴をいう必要はない! というところだ。その肩書に凝り固まり、自分の魅力を表現できない可能性があるからだ。そして、その肩書が通用しない世界(ところ)でこそ、問いかけをしていき、相手の話したいことを言わせてあげるような、そんな存在、=忘れられない人 に押し上げてくれる というところだ。 実際、僕も学歴にこだわるところがあり、でも仕事ができなければ学歴なんて、ゴミ屑と同じ ということに気づいてきた中で、この意見を聞けて自分でもしっかり納得できてよかった。 
    そして、最後にこの本のエッセンス「訊いて聞いて聴きまくる!」を紹介して、レビューを終わりにする。

  • コミュニケーションについての本。

    「あなたのチカラの半分は、
    他人のチカラで成り立っている」

    という冒頭の言葉、全くその通りだと思います。

    人生にも、「ヒト」「金」「モノ」「情報」「時間」が大事。
    その中の「ヒト」に焦点を当てているのが本書です。

    「ヒト」とつながっていくために、「クレジット(信用、信頼)」を積み重ねていくこと。
    そのために何ができるのか、どんな工夫ができるのかなどが紹介されています。

    相手がいちばん話したいことを問いかけること。
    相手の言葉で語ること。
    「訊いて」「聞いて」「聴きまくる」こと。
    フィードバックを丁寧に返していくこと。
    自分の心が動いた体験談を話すこと。

    さらりと紹介されていますが、それを自然に表現していくためには、まっすぐに人と向き合い、場数をこなしていくことが必要なんだろうなと思います。

    この本に書かれていること自体が、藤原さんの体験の言葉であるからこそ、本書の内容は心に響くのだろうと思いながら読みました。

    私も日々、体験を積み重ねて、言葉を磨いていこうと思います。

  • 図書館で見つけたので読んでみた。
    この本に書いてあることにいいなって思えた。
    人間関係の豊かさは、携帯のアドレスの多さや、うぇーい!って遊ぶだけのものでもなく、人脈づくりなんてものでできるものでもない。
    互いに力を組み合わせ合う自分ネットワークを作ることを意識すべし!
    と書いてあって、なるほどーと思えた。
    人と人との関係は、ポジティブなことばっかり言えば良いのではなく、自分の失敗談も話せるようになること。
    面白い話をしたければ自分の雑誌やテレビの受け売りなんかじゃなく経験を話すこと。ということが書いてあった。
    ぼんやり分かっていたことが言葉になって書かれていたので、気づかされることは多かったように思う。

  • 人間関係の極意についてまとまった本。1時間くらいで読めますが、内容は深く、実践するのは難しい。ただ、具体的なヒントがいっぱいあるので、大変参考になる。

    ・情報として価値があるのは、小さな感動を表す「!」のいたものだけ

    ・問いかけることで、相手は何を話したいのか、何者だと認めてもらいたいのかを探っていく

    ・相手の頭の中にある物語や世界観を想像してイマジネーションをはたらかせること

    ・ますは雑談から、そして共通点を探す

    ・相手と共通の土俵でたとえ話をする

    ・別な言葉でいえばこういうことですか?
    そうした見方はこんな誤解を与える可能性はないですか?

    ・抽象的な指摘より具体的、数字での例示、わかりやすいたとえ話、面白い話は圧倒的に体験談

    ・クレジット(信頼と共感)レベルの低い人には他人が知恵を貸さないから、狭い世界観での乏しい決断になる可能性が高く、視野狭窄に陥る危険も増す

  • チェック項目15箇所。重要なのは一番質の高い情報を持っているのは誰かを知っていて、その人にどんな局面でもアクセスできること。名刺や肩書きを捨ててみる。素の自分、正味のキャラをさらけ出せたときだけコミュニケーションが成立する。ホームレスや小中学生に名刺は通用しない。相手の記憶に残るにはストーリーを絡める。完璧を目指すのも大事だが、一番早く伝えることも大事。大きくうなずく、身を乗り出して話を聴く、話し手に気持ちよくしゃべってもらうのも大事な技術。自腹で驕る。一見関係ないもの同士に共通点を探す。できることだけでなく、できないことでも結びつく。和田中の保護者へのお願い・・・保護者にも教育に参加してもらう、生活習慣が規律をもったものになるよう協力(時間、挨拶、宿題、服装など)、テレビは1時間強まで・・・テレビを見続けて学力向上はありえない、ケータイと自転車通学禁止・・・子供に責任がとれないから、子供に仕事を与え、続けること。認知症になりやすい職業・・・先生と裁判官。上に立つ人が多い。

  • 他人とのコミュニケーションをどう円滑に行うかについて、とてもわかりやすく短い言葉で、ポイントを解説している。
    1つ1つ話しかけてくれるような文章が、著者が目の前にいるようでとても親しみやすく、すーっと頭に入ってきた。

  • 自分に欠落した部分を、まじまじと見せつけられる感じがしたが、かつてほど苦しい感じはしない。ちょっとは改善しないといけないけど

  • 人間関係に悩んでいない人もどうぞ。

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著者プロフィール

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
「朝礼だけの学校」校長。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003~08年、杉並区立和田中学校で義務教育初の民間校長を務める。2008~11年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016~18年、奈良市立一条高等学校校長を務める。

「2021年 『「人生の教科書」コレクション全10冊セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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