- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480424785
感想・レビュー・書評
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描かれている時代の雰囲気や新聞記者の日々の生活は興味深いが、内輪ネタ感が強く、極めて個人的な話ばかりが続いて、読んでいて退屈してしまった。業務中に警察署で博打をやって時間をつぶしたり、高給取りなのに安いお酒をツケで払い続けて「バアさん」を困らせたり、女性の家に入り浸ったり、共感できない部分も多かった。
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中盤くらいからは止まらなくなり一気読み。前半は割と眠くなる本だったんだけど。
スリリングな展開とノスタルジックな回想に戦後の昭和の価値観と猥雑さが入り混じったノンフィクションで思わぬ拾い物だった。
だが最後に浮かぶのは消えゆく日本の、昭和の職業人の失われてていく思想の儚さだ。それは自分自身が(もう少し時代は後だけど)失われていく側の思想と仕事への価値観を未だ抱えて歳をとりつつある今の苦しさと重なる物が多かったからだ。変化に慄く歳に、自分もなってきた。そんな時にこの様な本は癒しでもあり逃避でもあり、もう一度貫こうと頑張る気持ちの後押しでもあり、揺らぐ自分に改めて気付かされる一冊になっている。 -
「誘拐捜査」から興味を持って。
昭和30年代を中心に「バアさん」が亡くなる昭和60年までが本書の時代背景。著者は昭和60年ごろの視点から、かつての警察回りを懐古するが、その後さらに時代が移り変わっていることに思いを馳せざるを得ない。この本、意地悪く見れば鼻持ちならぬやさぐれエリートの懐古譚でしかないが、それが胸に迫るのは、著者の熱い思いによるものか、世知辛い昨今の世相が窮屈で自分が生まれてもいなかった昭和30年代を懐かしんでいるのか。 -
昭和33年当時、著者が読売新聞社会部の
警察回り記者だったころの回想録。
当時の空気が伝わってきて面白い。
売血制度根絶の「黄色い血」キャンペーンに
ついても興味深い。 -
まさに、古き良き時代。
でも人物とか、地の文なのか、ばばの日記なのかよくわかりにくかった。 -
2010.07.17
本田靖春「警察(サツ)回り」読了。彼の本は「誘拐」しか読んでいなかったので、ブックフェアで迷わず購入。昭和30年代の新聞記者の恵まれた環境や、社会問題への鋭い眼差しなどが羨ましい限りだった。一度は記者になることも考えた身だが、本当に凄い職業だと改めて敬服する外ない。 -
本文は推して知るべし。
解説もいい。「内なる言論の自由を守り切る」この言葉はマスコミに携わる者にとって、重く心に刻みつけなければならない言葉だと思います。 -
新聞が世の中に影響力を持った時代があった。
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2009年108冊目
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購入日:2008/12/27
購入者:桃色博士