四人の申し分なき重罪人 (ちくま文庫 ち 12-2)

  • 筑摩書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427793

作品紹介・あらすじ

特ダネを追って世界を駆けめぐる新聞記者ピニオンは、ロンドンで四人の不思議な人物に出会った。『誤解された男のクラブ』を名乗る彼らは、やがてそれぞれの奇妙な体験を語り始める。穏和な殺人者、頼もしい薮医者、不注意な泥棒、忠義な反逆者-彼らが受けた誤解と、奇想天外な真実。理性と逆説が交錯する、チェスタトン円熟の連作中篇小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 連作中編集。内容を覚えてないが懐かしくて再読。訳者あとがきにもあるように修辞家であるチェスタトンの言い回しが難解で手こずった。巽昌章さんの解説読んで、風景描写や宗教的な暗示や逆説がブラウン神父にも共通するものだったなと納得した。

  • あとがきに書いてあってなるほど、と思ったんだけど、チェスタトンの良さって独特の奇想が、古典の語り口で語られるところなんだと思う。
    古典は現実生活のナイーブな琴線に触れて来ないから、安心して距離を保って楽しめる

  • 2010-12-11

  • 皮肉っぽくもあり、叙情的でもある。もはやおとぎ話と化した物語は、ミステリーと呼ぶのを躊躇ってしまった。なんとも言えぬ、口先ではこねくりまわせない。

  • 古き良き時代に、人から誤解を受けざるを得ないような
    善意の罪を犯した4人の男の話。

    といっても、罪は罪。
    「こういう理由をつけたら、それで許されるのかー。
     いや、でも楽しそうですね、アナタタチ。
     ふーん」
    と、どうも斜からみる姿勢を捨てられない。

    原著で読んだら、もうちょっと緊張感があるのかな。

  • 20110327読了
    なんとも不思議な物語たち。
    見た目と中身の違う人々、行動。
    興味深く読むことができました。

    目次メモ
    新聞記者のプロローグ
    温和な殺人者
    1.緑色の傘を持った男
    2.騒ぎを起こした少年
    3.憎むことのできなかった男
    4.探偵と牧師
    5.温和な殺人者の理論
    6.実際に起こったこと
    頼もしい藪医者
    1.樹のプロローグ
    2.黒い鞄を持った男
    3.庭に侵入した者
    4.二重性精神病
    5.樹の秘密
    6.庭のエピローグ
    不注意な泥棒
    1.ナドウェイという名
    2.泥棒とブローチ
    3.風変わりな改心
    4.プライス氏の諸問題
    5.法廷の泥棒
    6.名前の浄化
    忠義な反逆者
    1.真の言葉の脅威
    2.陰謀者の行列
    3.王女介入する
    4.女の非行理性
    5.反逆者の言葉
    6.真の言葉の発語
    新聞記者のエピローグ

  • 『木曜日だった男』を読んだときにも思ったけど、何とも不思議な肌触りの話。
    四人の男たちの語る話で構成されているけれど、プロローグで語られそうで語られなかった伯爵の話も気になります。
    本編ともいうべき四つの話は、ミステリといえばミステリ。でも謎よりも色味あふれる風景や人物の描写の方が印象深い。
    なんというか……やはり不思議な肌触りの話でした。

  • もってまわった語り口に凝った比喩、広範な古典や史実からの引用に、とっかかりは正直、「ハイハイすんごいインテリ乙」とうんざりする気持ちは否めなかった。
    が、「頼もしい藪医者」のミステリ的最後の一撃にノック・アウトされたあたりから、次第にこの何ともいえぬ香味をたたえた世界に引き込まれ、最後には夢中になって読み切った。英国紳士の底力を思い知らされた1冊。
    ミステリ的にキレイ(その分難易度は低め)なのは「反逆者」、やられた! のが「藪医者」かな。「泥棒」はだいぶ易しめ、「殺人者」は狭義のミステリではない(つまらんという意味ではない)。
    全篇を貫く通奏低音として、当時の各種世相へのアンチテーゼがあるらしい。そのへんの深い知識があればもっと楽しめるのかもしれないが、普通に読んでも充分に面白い。
    オムニバスとしてのオチも効いてて、いい感じ。

    2014/1/20~1/23読了

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