買えない味 (ちくま文庫 ひ 14-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 515
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427830

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  • 食についてこだわったエッセイ。
    変な人。
    蝋燭で生活するとか
    無理やり江戸時代の台所事情を
    再現しようとして失敗したり。
    本人は楽しいだろうけれど、
    配偶者や子どもには絶対なりたくない。
    お友達にはなりたいかも。

  • 2011年最初に読了したのが本著。
    今年は、平松洋子の著書を読破したい、と思うくらいよかった。
    家事、特に料理が好きな人に強くすすめようと思う。

  • 単行本の装丁も素敵ですが、この文庫本の装丁も素敵。キレのよい、品のある筆致で取り上げられているのは、どれもゴージャスなものではなく、日常にあるものたち。そのものずばりを描く、というより、それにまつわる雰囲気を描かれるのが巧みだと思います。「大皿」を食卓にどかんと置いたとたんに生まれる空気や、「皿洗い」の動きの流れと心得(笑)は、ヘボヘボながらも台所に立つと実感するし、「エプロン」の必要・不必要、「手土産」に透けて見える距離感は、「実行する自分と見られている自分」への観察眼がポップで鋭くて、思わず納得してしまいます。平松さんの暮らしは、一見きらきらした「すてきな奥さん」風に作りこんだ世界のようだし、実際に、そういうお仕事とリンクさせていた面もたくさんあったと思います。鉄瓶でお湯を沸かしたり、おひつを使ったり、卵蒸しを毎朝作る、しかも蒸籠でなんて、私の日常ではありえん(笑)。でも、それらが平松さんと年月をともにして、違和感なく結びついてるような。どれも平松さん独特の世界ではあるんだけど、日常手に触れるもの、口にするものから広がる世界は、自分のそばにあるものでもあるんだな、と思います。近ごろ、親が集めていた器を使う機会が増えたので、余計にそう思うのかも。タイトル勝ちだとも思うエッセイ集ですが、写真も素敵で、「平松洋子はこれでできています」というのがとてもよくわかる本でした。うーん、でも、アイルランドの塩壺、レイジー・ポットが見てみたかった…そこが惜しい!

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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