レ・ミゼラブル 4 (ちくま文庫 ゆ 5-4)

  • 筑摩書房
4.22
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本棚登録 : 75
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480429742

作品紹介・あらすじ

第4部「プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩」。七月革命後のパリは、混乱をきわめていた。マリユスは、反政府秘密結社の一員として活動を続ける一方、コゼットとの愛を育んでゆく。その彼を慕うエポニーヌ、パリ路上の浮浪児ガヴローシュ、さらにテナルディエそしてジャン・ヴァルジャン…人々の転変が、激動期を背景に描かれてゆく。6月暴動を背景に展開する小説の核心部。

感想・レビュー・書評

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  • 学生たちの蜂起に向けて、登場人物それぞれの思いがどんどん交錯していく。
    ジャン・ヴァルジャンの影は薄いけど、マリユスとコゼットの関係に気づいて葛藤するシーンは胸が締め付けられる。

    エポニーヌ…なんて切ないんだ。
    最期の言葉が忘れられない。

  • マリユスとコゼットが愛を育み、浮浪児ガヴローシュが路上を闊歩する中、パリでは市民による暴動が迫っていた。

    マリユスとコゼットがどういう経緯で出来上がってしまうのか興味津々で読んだけど、今やると確実にストーカー扱いされそうな顛末にメガテン。それいいんですか……。しかし彼の手紙にあふれる情熱(まぁ、ユゴーの思惟的な言葉の寄せ集めだろうけど)は本物で、「宇宙をただひとりのひとに縮小し、ただひとりのひとを神にまで拡大すること、それが愛というものだ」から始まる一連の文章は一目の価値あり。

    とつぜん登場したかに見えるストリートチルドレン・ガヴローシュの存在感には面食らった。しかしある意味でこの小説のテーマを最も象徴している人物ともいえる。彼の活躍もあって本巻ではジャン・ヴァルジャンの影がやや薄いが、これまで聖人のように生きてきた人間がみせる絶望的な苦悩には心をうたれた。

    キナ臭くなる後半はこれまでの人物も集まりそれぞれの思いが交錯。どこまでも悪党なテナルディエ、どうやっても切ないエポニーヌ。理想に燃える若者たちが立ち上がり、物語はクライマックスに向かっていく。激動の展開に心惹かれながら、歴史を俯瞰する視点も養われるすごい小説だと実感した第四部。

  • 原書名:Les Misérables(Hugo, Victor Marie, 1802-1885)
    ブリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩(歴史の数頁◆エポニーヌ◆ブリュメ通りの家◆下からの救いは上からの救いになりうる◆終わりは始まりとは大違い◆プチ・ガヴローシュ◆隠語◆歓喜と悲嘆◆彼らはどこへ行くのか?◆一八三二年六月五日◆微粒子が大嵐と共闘する◆コラント◆マリユス、闇のなかへはいる◆絶望の偉大さ◆ロム・アルメ通り)

    著者:ヴィクトール・ユーゴー(1802-1885)
    訳者:西永良成(1944-)

  • さすが名作。
    小説で読むと、テナルディエはかなりの悪党。
    ユーモアのかけらもない。

  • 第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩

    ああ ガブローシュ ガブローシュ 
    彼はとても生き生きと描かれる。マリユスとコゼットの思いのわずかな成就とエボニーヌの淡い恋心も切ないのだけれど。ついついガブローシュに肩入れしてしまう。ジャン・バルジャンの苦悩も痛いけれど。
    ああ ガブローシュ ガブローシュ

    早く最終巻を読みたいんですが……

  • この巻も講釈師ユゴーの勢いは留まるところを知らず、自分の言葉に酔いつつ語る語る。洗練とはほど遠いゴテゴテした書きぶりだが、それが大見得切った芝居となって、なんだか様になっている。ただ物語の背景になっている19世紀半ばのパリの民衆の状況については、やはりわかりにくく冗長に感じる。ユゴーは、当時の状況を知る者として次世代のフランス人にむけて書き残そうとしている感じなので、現代の日本人がそう感じるのはやむを得ないだろう。ただ、当時のパリの民衆蜂起の様子が生き生きと描かれているので、そこは興味を引かれた。

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