昭和の洋食 平成のカフェ飯: 家庭料理の80年 (ちくま文庫 あ 58-1)
- 筑摩書房 (2017年2月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480434050
感想・レビュー・書評
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情報を整理できていいが、基本羅列で分析はない。漫画や映画でこう料理は描かれてますという講釈が続く
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先日読んだ「『家庭料理』という戦場 暮らしはデザインできるのか」の中でも多く引用されていた阿古真里さんの著作。
昭和初期から始まって、戦後、高度経済成長期、平成バブル崩壊後、そして東日本震災まで日本における食がどう変遷してきたかを、初めはレシピ本から、そしてライフスタイルと料理を結びつけた雑誌、「暮しの手帖」や、「オレンジページ」、そして更にはテレビドラマの中で描かれる食事風景などなど幅広くカルチャー、メディアを辿って、日本の食文化と、その裏側にある調理という家事、それを行う男女の関係がどう変わってきたかを見る。
筆者が後書きで書いている
“暮らしとは何か、食とは何か。私たちはなぜ料理をし、食べるのか。なぜ人と一緒につくったり食べることを楽しむのか。その背景にはどんな社会があり、どんな人々の貢献があるのか。そして新しい食のシステムは、どんなふうに人の暮らしを変えてきたのか。執筆しなから頭にあったテーマはより大きくなって、私の中に存在し続けている。”
まさにそのものを一冊の本としてまとめている。 -
これはなるほど!ってな感じ。
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ドラマの『寺内貫太郎一家』、『だいこんの花』、『金曜の妻たちへ?』、『百年の恋』、『すいか』
マンガの『美味しんぼ』『イマジン』、『花のズホラ飯』
エンタメ番組の『料理の鉄人』
料理番組の『きょうの料理』、『太一×ケンタロウ 男子ごはん』
雑誌の『主婦の友』、『オレンジページ』
などなど…
メディアに取り上げられる料理から当時の世相を垣間見ようという本。
大家族での食卓から、本格的な外国料理が食卓にのぼり、グルメブームがやってきて、働く女性の増加から家事をしない主婦が許されるようになり、孤食が増えてくる…。
人は何かを食べなければ生きてはいけない。けれど、生存のために食べるだけではなく、家庭料理を共に囲む日々がお互いの絆を育んでいく。
「美味しいね」と一緒に楽しめる食卓は、確かにいいよなぁ。