えーえんとくちから (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.32
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本棚登録 : 1273
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480435750

作品紹介・あらすじ

風のように光のようにやさしく強く二十六年の生涯を駆け抜けた夭折の歌人・笹井宏之。そのベスト歌集が没後10年を機に待望の文庫化! 解説 穂村弘

感想・レビュー・書評

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  • 別の本で紹介されており、少し興味があったので…

    ただ、自分には短歌センスが無いので正直大きな感動はありませんでした。

  • この歌集は、ブク友のまことがコメントですすめてくれて読んだ。

    2009年に二十六歳で亡くなった歌人、笹井宏之のベスト歌集が文庫化されたもの。未発表だったエッセイや詩、俳句も掲載されている。人間のみならず、風とかテレビなどの無機物に対しても優しいまなざしを向けている感じがして好きな作品ばかりだった。本は気づくと付箋だらけである。

    いくつか、特に印象に残った短歌を紹介したい。

    「スライスチーズ、スライスチーズになる前の話をぼくにきかせておくれ」

    つぼみより(きみがふたたびくるときは、七分咲きにはなっていたいな)

    廃品になってはじめて本当の空を映せるのだね、テレビは

    ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒 

    ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください

    夏らしきものがたんすのひきだしの上から二段目で死んでいる

    影だって踏まれたからには痛かろう しかし黙っている影として

    スプーンに関心のある親指とない小指とのしずかな会話

    「とてつもないけしごむかすの洪水が来るぞ 愛が消されたらしい」

    (この短歌は、もしかするとこの歌集で一番好きかもしれない短歌。大量の「けしごむかす」で愛の大きさを表現したのが凄いなあ、と思った)

    風という名前をつけてあげました それから彼を見ないのですが

    生きてゆく 返しきれないたくさんの恩をかばんにつめて きちんと

    • 張飛さん
      111108、ブログを読んでくれた上にコメントもくれてありがとう!

      産経歌壇の歌をスケールが広がるような歌と評価してくれてとても嬉しいぜ!...
      111108、ブログを読んでくれた上にコメントもくれてありがとう!

      産経歌壇の歌をスケールが広がるような歌と評価してくれてとても嬉しいぜ!友人だし、日本語で話をしたんだけどなんというか、もはや日本人に会っている感覚じゃなかったんだ。国境とか関係ねえ、みたいなオーラが出てる感じで(笑)俺自身も気にいった短歌だから掲載されてとても嬉しかったよ!

      おお、111108は小豆島に来たことあるんだな!俺は香川県民でありながら今回2回目だ(笑)また、ぜひまた再訪して讃岐うどんや瀬戸内の島々を堪能してほしい!

      えーえんとくちからを再読したくなったと言ってくれてレビューした身としてはこんなに嬉しいことはない!また、みんなにおすすめできる面白い歌集を見つけたいと思う!

      2024/04/28
    • ☆ベルガモット☆さん
      張飛さん、産経新聞歌壇に掲載おめでとうございます!
      お友達との楽しい交流がこちらにも伝わってワクワクする素敵な応援歌ですね。一度も載らず新...
      張飛さん、産経新聞歌壇に掲載おめでとうございます!
      お友達との楽しい交流がこちらにも伝わってワクワクする素敵な応援歌ですね。一度も載らず新聞歌壇にはもう投稿していないのですが、今も地道に投稿なさっていてちゃんと選ばれていて本当に凄いなと思います。
      私の歌の紹介もいつもありがとうございます!
      投稿作品の管理はどのようになさっていますか。
      瀬戸内の島々の風を感じる時間を過ごしたいなあと思う、魅力的な旅のブログで癒されました♪

      こちらの歌集、皆さんと同じように好きな歌を選んだらやっぱり付箋だらけです。
      身体感覚に対する視点の鋭さ、生活用品への愛着を示す歌、わかりやすい言葉で豊かな表現力、読み返す毎に新しい発見があります。
      2024/04/30
    • 張飛さん
      ベルガモット、ブログを読んでくれた上にコメントもくれてありがとう!

      ワクワクする応援歌と言ってくれてとても嬉しいぜ!友人が外国へ行く感覚は...
      ベルガモット、ブログを読んでくれた上にコメントもくれてありがとう!

      ワクワクする応援歌と言ってくれてとても嬉しいぜ!友人が外国へ行く感覚は、俺が瀬戸内海を越えて本州へ行く感覚と変わらないのかもしれねえ(笑)新聞歌壇は、NHK短歌と同じくボツになることの方が圧倒的に多いけどたま~に掲載される時の喜びは、初めて掲載された時も今も変わらないから今後も頑張りたい!

      俺は、投稿作品はノートに書くというめちゃくちゃアナログなやり方で管理している(笑)そして掲載されたら、その作品に赤丸をつけている。でも、将来的にはエクセルなどで管理したいなあ。

      ベルガモットも、ぜひ機会があれば瀬戸内の島々で風を感じる旅をしてほしい!最近は直島などもアート作品が注目されて海外の人も多いよ!笹井宏之の作品は、ベルガモットが言うように表現力が豊かでいろんなものへの見方も斬新で感動した!これからも読んでいきたい!
      2024/04/30
  • 最初の数歌を読んだだけで涙がでました。
    あまりに歓びが体を飛び出そうとするから、
    私は思わずこれを紹介してくれた方々に「これは凄すぎる!教えて頂きありがとうございます!」とメッセージを送っていました。
    言葉が繊細とか、やさしいとか、そういうことだけでは説明のできない。
    このうつくしい世界の、注ぎ込む言葉の雨を、全てをかけて短歌にして、詩にしていってくださった、という印象だった。
    このひとの短歌にであえてよかった。
    言葉にはどこまでもまだ知らない平原がひろがっていることが証明されたと思います。

  • この本は、まだ私が短歌に興味を持って
    いなかった頃友人に頂いた本。
    ごめんなさい!(>_<) でも今は、なんと
    短歌に面白みを感じています!

    この本は「えーえんとくちから」先日、
    知ったのですが、永遠解く力、との事。

    私は、読書好き。
    読書は、その世界に入り込み、楽しむ。
    短歌は、自分が世界に入り、自分の
    言葉を作り出し、並べ楽しむ・・・・?

    一首気に入ったものができた!なんと
    NHKへ投稿してしまった!
    初心者が選ばれるはずなどない。でも、
    投稿したというそのことで、今満足感は
    100%だ。
    2024、4、19

    • 111108さん
      アールグレイさん、はじめまして、こんばんは♪

      フォローありがとうございます!
      ブク友さん達と一緒に短歌を楽しんでますが、「読むだけ」派です...
      アールグレイさん、はじめまして、こんばんは♪

      フォローありがとうございます!
      ブク友さん達と一緒に短歌を楽しんでますが、「読むだけ」派です。この本も綺麗だけど切ない歌たくさんありますね。
      そのうちにアールグレイさんの作品も掲載されるのかなぁと楽しみにしてますよ!
      2024/04/20
    • アールグレイさん
      111108さん(^_^.)フォローバックを
      頂きありがとうございます!
      最近よく、まことさんの短歌を読ませて頂く機会があり、この言葉はこう...
      111108さん(^_^.)フォローバックを
      頂きありがとうございます!
      最近よく、まことさんの短歌を読ませて頂く機会があり、この言葉はこうした方が・・・いや入れ替えた方が・・・なんて考えるうちに短歌に。まことさんには、とても失礼なことをして自己嫌悪でした。でも、まことさんにはいろいろ教えて頂いています。
      テーマに合わせて短歌を詠むのは、難しいですね!
      2024/04/20
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      アールグレイさん、こんばんは〜!

      短歌初投稿されたんですね(^^♪
      凄いですね!!
      応援してます、頑張ってくださいね(*^^*)♡
      アールグレイさん、こんばんは〜!

      短歌初投稿されたんですね(^^♪
      凄いですね!!
      応援してます、頑張ってくださいね(*^^*)♡
      2024/04/20
  • 元気がないときに読んだ。
    しずかで透きとおった言葉がならんでいて、これからもくりかえし読んでいきたい本です。

  • おすすめされて読んだ。五七五七々のリズムが好きで字余りが好きではないので、短歌より詩のほうがよかった。


    しあきたし、ぜつぼうごっこはやめにしておとといからの食器を洗う

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1450694

  • 歌集。未発表の俳句と詩も含まれる。
    喫茶店に置かれていて、手にとってめくったらもうこころ惹かれてしまった。透明なあかるさと隠れながら対比される影、そんな抽象的事象があるとしたらきっとこの本があてはまると思う。

  • 気になった歌に付箋つけたら「だらけ」になるし、だんだんと好きな基準がわからなくなってくるし、イメージの奔放さに刺激を受けて周囲の情景が短歌に変貌してくるので何度も立ち止まってしまうし。読み返したら、もうほんとんどの歌に付箋付けてしまいそう。


    冬の野をことばの雨がおおうとき人はほんらい栞だと知る  笹井宏之

  • 言葉の美しさと、立ち上がる情景、視点が行き来して、ふわっと広がる世界に魅了されました。

    読み返すタイミングで見えてくる情景が変化してきそうな、繰り返し読みたい歌集でした。

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著者プロフィール

1982年佐賀県生まれ。2004年より作歌をはじめる。2005年、連作「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2007年、未来短歌会に入会、同年度の未来賞を受賞。2008年、第一歌集『ひとさらい』(Book Park)刊行。2009年1月24日、自宅にて永眠。2011年、『えーえんとくちから笹井宏之作品集』(PARCO出版)を刊行。第二歌集『てんとろり』刊行、併せて『ひとさらい』再刊(ともに書肆侃侃房)。2018年、その早逝を惜しむ声を受けて、書肆侃侃房が短歌新人賞として笹井宏之賞を創設。第1回受賞者が2019年2月に短歌ムック『ねむらない樹』vol.2にて発表される。ブログ「些細」http://sasai.blog27.fc2.com/

「2019年 『えーえんとくちから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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