おまじない (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 4128
感想 : 221
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480437372

感想・レビュー・書評

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  • 「くもをさがす」を書いた人の小説だなと思った。
    今まで読んできた「サラバ 」や「i」のような過激さや残酷さは少なくて、より西さんのおおらかさやファンキーさが出ている話だった。

    どの話もすてき。

  • どの章も好き。でも一番刺さったのはドラゴン.スープレックスの【お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん。】
    最近、近しい人の別れを経験してその方の魂をすごく近く感じていて人が亡くなってもその人の魂は生き続けるっていう経験を今している。自分の在り方を、立ち位置をキョーレツに考えさせられる時期にこの物語が重なった。

  • 出会った人や言われた言葉で私は、私の人生は変わってゆく、、
    優しいおじさんの優しいおまじないのような言葉。
    焼却炉のおじさんや、テレビで見た罪を犯した有名人、おじいちゃん、おとうさん、家族。
    私にもそんな事あったと思うし、そしてそれはもう忘れてしまっている。
    忘れなくてもいいし忘れてしまっててもいい。と思う。


    『じゃぁそれは思いやりの心からくるんです。』

    『いい子でいようとすることは、いい子のふりではなく本当にいい子だから出来ることなんです。』


    今回は孫係、ドラゴンスープレックスが好きでした。
    数年後、読んだらまた感想が変わるかなと思いました。
    少し疲れてしまった時に読みたい本です。
    そうやって今後も読み返していきたい本に出会えてよかった。

  • 何かに迷っている若い人に読んでほしいなぁと思う。良い本。

  • 様々な境遇におかれた女性たちの生き方を描いた8編の短編集。どのお話も読んだ後に「ありのままの自分でいいんだ」「弱くてもいいんだ」という気持ちを抱くことができました。

    今の自分には「孫係」というお話が特に沁みました。親、家族、友達……大切か人達のはずなのにどこか鬱陶しく感じてしまうことがある、でもそれを悟られないように自分を偽って振る舞い、そんな自分が嫌になる。そんな経験は誰にでもあるものだと思います。
    だけど【その人の望む自分でいる努力をする】ことは【思いやりの心からくる】こと。【それは涙ぐましい努力だし、いい子のふりではなく、本当にいい子だからできること】。その言葉に心が少し軽くなったような気がしました。

    読む時におかれた自分の状況によって、心に残る言葉やお話、解釈の仕方や印象が形を変えそうな1冊でした。

  • 西加奈子が書き出す「えぐみ」や「しんどさ」
    が短編だからこそうまく緩されていて
    そしてクスッと笑える。
    どのお話にもなにか救いがあり、前を向けるメッセージが込められていてとても好きだった!

  • 燃やす、孫係、いちご、あねご、オーロラ、ドブロブニク、マタニティ、ドラゴン・スープコンプレックス。
    いろんな立場の人が登場人物で、そう言う人生もあるのかーと言う感じだった。

    ただ、何が言いたいのかわかったのは孫係、あねご、マタニティだけで、後は何が言いたいのかあまりわからなかった。多分、私がそのような境地に達していないからかもしれない。
    割とはっきり結末を言わない話が多くて、考えさせられるので、同じような境遇を体験しないとよくわからないのかな、、、
    長濱ねるさんの特別対談読みたかったなー

  • 真面目に生きてるが故にぶつかる壁、真摯に向き合うも良し、賢く避けるも良し。自分の信じるものも生き方も、ぜーんぶ自分で決めればいい。

  • 元気がない時、このユーモア溢れる
    短編種が心を満たしてくれます

    「その人が望む自分でいようと努力するんです」

    「正直なことと、優しいことは別なんだ」

    個人的に「孫娘」が一番好きでした。


    どうしようもなく、独りで悩んでいる夜に
    オススメな一冊。

  • 「自分が弱い人間なんだってはっきり自覚したら、ぼく、強がってたときよりなんていうか、生きやすくなったんです。自分の弱さを認めたら、逆に強くなれたんです。」
    『マタニティ』

    「お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん。」
    『ドラゴン・スープレックス』

    「これ、と決めたら一生それと添い遂げることが出来る人で、新しいものには決して飛びつかなかった。」
    『いちご』

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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