王朝奇談集 (ちくま学芸文庫 ス-14-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480511331

作品紹介・あらすじ

『今昔物語集』『古事奇談』『古今著聞集』などの古典から稀代のアンソロジストが選ぶ。摩訶不思議、奇想天外、美しく怪しい説話集。解説 金沢英之

感想・レビュー・書評

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  • 奇談 日本古典文学幻想コレクション1|国書刊行会
    https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336037817/

    伝綺 日本古典文学幻想コレクション2|国書刊行会
    https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336037824/

    王朝奇談集 須永 朝彦(編集 | 翻訳) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480511331

  • 平安~鎌倉時代の書籍から須永朝彦が選んだ奇談の現代語訳集。わかりやすいところは「浦島子」や「鶯姫(かぐや姫)」などの有名な昔話の元ネタバリエーション。「撰集抄」の人造人間の話は澁澤龍彦がエッセイで書いてたっけ。その他こういった古典をモチーフにして書かれた作品の元ネタ的なものも多数。

    個人的にはやはり鬼や天狗などの出てくる話や、異類婚姻譚が好き。狐女房系はまだしも、「雪々」という犬婿系の話は印象に残った。美しいお姫様がいたが結婚したくなくて、同じく結婚したくない乳母の娘と二人して出奔、百合系の話かと思いきや、突然一匹の犬が現れ、これが乳母の娘のほうと前世の宿縁だかなんだかともかく、すっかりデキてしまうという…。その犬の名が雪々。

    その他、巨大な女性(顔だけで60センチくらい)が舟で流れ着いた話や、人魚が三匹流れ着いた話など、とくにオチも教訓もない話には変なリアリティがありました。

    ※収録
    日本霊異記/日本往生極楽記/大鏡/今昔物語集/成通卿口伝日記/唐物語/古事談/発心集/続古事談/十訓抄/宇治拾遺物語/今物語/古今著聞集/沙石集/撰集抄/平家物語/海道記

  • 平安時代を中心とした奇譚。
    巨大な女が流れ着いた話とか簡素なモノはアッサリしているだけに妙に信憑性がある。
    面白かったので再読し再度感想を上げたい。

  • こんな事があったのよ,というようなお話を日本霊異記から平家物語までピックアップ.思わず、えっ本当!と思ったり,そうなんだと思ったり.わかりやすく書いてくれているけれど,少し読みづらい.

  • 「日本霊異記」「今昔物語」「大鏡」「古事談」「宇治拾遺物語」等など、王朝時代の説話集から、不思議な話、奇妙な話、クスっと笑ってしまう話まで、筆者独自のセンスで選び抜かれた82編を収録。

    これ、メッチャ、おーもーしーろーい~

    以下、おススメのお話

    「人を造る」
    西行のエピソードで、人骨集めてホムンクルス作っちゃう話。宮中には公卿にまでなってる奴もいるらしい。

    「伊勢の人魚」
    忠盛(清盛の父)が、漁師から献上された人魚の肉を、さすがに気持ち悪くて食わずにいたら、漁師たちが美味そうに食べちゃった話

    「地獄の紫式部」
    源氏物語で多くの読者を惑わせた罪で、地獄で苦しんでいるというお話

    「外法」
    泊めてもらった家の娘に邪な気持ちを抱いて、夜這いをしたら、本人含め郎党全員のナニが消えてしまった貴族の話。後でナニは返してもらえた。

    「怪女漂着」
    2メートルを超える大女が病で漂着するも、流行病にかかっていたのでそのまま船で流される話(これすごく哀しい)

    「称徳天皇と道鏡」
    称徳天皇の死因がヤバい。これ不敬にならないのか。。。。

    「巨人の屍」
    15メートル級の巨人の死骸が漂着した話。理由もオチも無いのでただただ怖い。

    「蕪の怪」
    旅先で性欲が昂ってしまい、道端の蕪をくり抜いて処理(酷い)した男。その後、何も知らずに蕪を食べた地元の娘が懐妊(ホントに酷い)。

  • 須永朝彦編訳『王朝奇談集』(ちくま学芸文庫2022年8月第一刷)の感想。
    王朝の奇談を集め現代語に訳したもの。会話部分はより古風。美しい文章で読ませる。
    古事談の宇多法皇と源融の霊、霊が腰に抱きつく辺り妙に可笑しい。
    宇治拾遺物語の一条桟敷屋の鬼「ようも御覧なされたな、ようも御覧なされたな」と言うところ、熱のあるときに見る悪夢のようで怖く、何やら懐かしい気もする。

  • 平安~鎌倉期の説話集や歴史書等の奇談を撰者が精選して現代語訳に。
    既知のものも未知のものも原典の雰囲気が残る現代語訳で良かったです。

    雉に転生した父親が助けを求めた息子に…の『雉』が一番衝撃的で印象に残りました。ひどい話だ…。

  • 2022年8月15日購入。

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著者プロフィール

1946-21年、足利市生まれ。歌人・作家・評論家。71年に評伝『鉄幹と晶子』を、72年に歌集『東方花傳』を上梓。74年発表の『就眠儀式』以来、幻想的で独自な作風の小説を発表、また幻想文学作品集の編集にも多く携わる。著書に『定本須永朝彦歌集』、『悪霊の館』、『天使』、『須永朝彦小説選』(山尾悠子編)など。

「2022年 『王朝奇談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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