社会を知るためには (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.84
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本棚登録 : 568
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683823

作品紹介・あらすじ

なぜ先行きが見えないのか? 複雑に絡み合い社会を理解するのは難しいため、様々なリスクをうけいれざるを得ない。その社会の特徴に向き合うための最初の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • オビの文言
    世界は思ってるより「わからない」し「緩い」。

    この感覚は、うっかり忘れがちなものだ。
    結果を前にして、原因はこれだろうと、つい見えた気になってしまっている。
    けれど、副作用みたいな、想定もしていなかった事態がそこに絡んでいる。

    じゃあ考えても意味はないのではなく、決めつけないとか、別の方向からアプローチしてみるとか、そういう姿勢が必要なんだろう。難しいけど。

    ただ、地球温暖化陰謀論については、結局、ずっと力関係の渦中にいるみたいな感じがしている。
    自分で辿ろうにも、情報がありすぎて難しい。
    そういう時はどうすればいいんだろう。

    「社会学は、心理学や経済学といった近隣分野の学問と比べると、自分の土俵のようなものをはっきりと備えていません。いえ、正確に言えば、土俵を自前で作らないところが社会学の強みであるし、またそうであるべきなのです」

  • 社会の変化や現象は、誰かの意図に基づいていたり、原因があり結果がある、というようなものではなく、様々なことが時間や空間を越えて複雑に結びついているという。社会学的な物の見方や考え方が紹介されていて、物事を緩い繋がりの中で俯瞰する意義がよくわかる。自分の視野の狭さを痛感し、深く広く物事を知りたくなる。

  • もっと深くても良かった

  • 第6章 不安定な世界との付き合い方だけでも読むべき。
    名著。

  • 社会は常に動かす余地のあるもの
    社会の理解は多様である

    常に他のやり方もありうることを模索してみる

  •  
    筒井先生がいかに「社会」と向き合い続けてきたかがわかる内容。ちくまプリマー新書は,ヤングアダルト(おとなとこどもの間)を対象とした新書(wikipedia)らしいですが,その層だけでなく,ややアダルト(30代前半頃)にも響く。

    社会がいかにわからないか,そしてなぜわかりにくくなっているか,その中でどのように私たちは生きていけばいいか,「社会」に向き合い続けて考えてきた筒井先生だからこそのお話がたくさんあります。

    社会学入門の入門書としても良い一冊ですし,社会心理学入門の入門書としても読んでほしい一冊です。社会心理学は社会学と心理学を包摂するような,あるいは,間を循環するような学問である必要があると個人的には思っていますが,心理学に染まっている「社会」心理学にとってはぜひとも必要な視点であると思います。

    社会と向き合う心理学者にとっても,平易でありながら,学問のあり方について再考を迫るような一冊ではないかと思います。

  • 飽きてしまって途中までしか読んでないから評価はしないけれども、印象に残ったのは「行為と構造との関係性」は「緩く」、それ故に「意図せざる結果」が招かれるということ。

    行為から構造が再生産されるし、構造は行為を規定する側面があるから、まさに「構造は条件でもあり、結果でもある」が、現実の社会はそんな単純に動いておらず、著者の言う「緩さ」があるから、個々の行為は構造と反する行為となる可能性があるし(社会運動や社会的な逸脱なんかはそうだと思う)、構造だって個々の行為を規定しきれない(だからこそ、革命や転覆が起きてしまう可能性がある)。身近な例だと、家族という構造は家族成員を家族的な役割(父母きょうだい)に規定しようとするが、個々の成員は自らの行為を以前の家族的役割とは異なる側面から行おうとする(女性が働くようになるなど)。そうした構造あるいは制度、個々の行為の変化は、社会の変化と連動しやすい。また構造あるいは制度、行為は絶対的なものでは決してなく「緩く」つながるからこそ、予測できない「意図せざる結果」がもたらされる。

    書くの疲れたのでこの辺で。

  • 社会のルールや生き方を論じているのかと思ったが、それ以前の「社会」の定義や成り立ち、共通認識の話だった。あまり理解出来ていないと思う。ただ挿入されている図は分かりやすかった。

  • <シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190

  • 人間は自分たちが作ったよくわからない社会の中で生きている。
    社会とは何かをわかりやすく説くが、やはり難しい。でも考える入口になりそう。
    新たな考え方や見え方を提示されるのを面白く感じる。それが楽しい。
    読書案内でより世界を広げてくれるのが嬉しい。

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著者プロフィール

立命館大学産業社会学部教授

「2023年 『災禍の時代の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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