- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480684479
作品紹介・あらすじ
絵本などでいまでも親しまれている「鬼」。古代では畏怖の対象だったが、次第に都合が悪いものを表す存在となった。その歴史から日本人の心の有様を読みとく。
感想・レビュー・書評
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鬼について、ひとまとめにした新書。鬼とは、時代によりとらわれ方は色々あり、外国からもたらされたもの、疫病といったところや、何より自身を正当化するために蔑視すべきマイノリティを鬼と見なしていたところが非常に興味深い。そしてそれは戦争期における鬼畜米英といったものも含まれ、現代においても、例えばコロナが蔓延し始めた時に、マスクをしていない者がいれば、自主警察といったものが現れたりするなど何処かでそういった狭い認識で他者を差別しているところが日本人は忘れてはいけないのであろう。
参考文献の多さから、よくよく研究されていることが分かり、「おわりに」のコメントには鬼滅の刃にも軽く言及しているのは面白い。
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鬼は桃に弱くて、だから桃太郎とかすげー!
プロパガンダとして太平洋戦争中に桃太郎の映画が作られてたのこわ
米英兵に見立てたツノが生えた西洋人と会談する桃太郎とかシュールすぎる
12世紀の絵巻ですでに鬼のぱんつがトラ柄とかヒョウ柄なのかわいすぎるwwぎゃるww
鬼ってバレないように頑張っても赤鬼の赤がちょっと残っちゃったり3本指のままでバレバレなのまじでかわちい -
古代の鬼は死霊や病をもたらすものとして実在するものと認識されていた。それが海の向こうから来た自分たちとは姿形が違うもの、奇形で生まれた子供が鬼と見なされるようになる。時代が新しくなるにつれ、鬼は実在するものから物語の中で語られるものへなっていく。
そして、戦争中、鬼は鬼畜米兵と敵愾心を煽るものになる。
中世の仏教が盛んだった頃、鬼になるのは女性だった。女人の十悪、女性は元からそういった性質があるから、成仏できない、だから南無阿弥陀仏を唱えようって、なんじゃそりゃ。
私たちの中に潜む差別や蔑視が鬼として可視化されてきたんだな、とつくづく思う。
「とりわけ、社会の中のマイノリティを鬼とみなして排除し、排除することを正当化してきた歴史には注目していただきたい」という著者の言葉は心に刻みたいと思う。 -
【請求記号:387 コ】
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鬼滅好きが高じて鬼について知りたくなったため読んだ。
鬼が日本でどう捉えられてきたのかという話。
鬼は元々人間が死んだものとされていて、中国から渡ってきた。それが怨念を残して死んだもの、厄災を運んでくるもの、実在しないもの…というようにどんどん捉え方が変容していったが、障がいを持って産まれた子や外国人など、マイノリティを『鬼』として扱うのはあまり変化がなかった。
その中でも女性に関する差別が酷く、女性は劣悪などと言われ鬼と見做されることも多いことに驚き衝撃だった。
日本人特有なのかはわからないが、マイノリティを不気味なものと見做したり女性を劣悪だと考えている人はいまだにいるだろう。
本書を読んで鬼の歴史に関する知識を得たと同時に、歴史の中の女性の扱われ方についてもっと知りたくなった。 -
387-K
閲覧新書 -
鬼って古来から日本に馴染みのものだけど、もともとは精霊だったんだね。仏教の影響を受けて現在の形になったみたいだけど、現世に未練を残す死者の霊が鬼になると認識されていたようだ。人間の妄執ってことに繋がるんだろうけど「鬼婆」という言葉はあるのに「鬼爺」とは言わないもんね。
執念の差ですかね。 -
〝排他的かつ自己中心的な態度〟歴史の中だけのものではないだろう。入管法の改悪が話題とならない国にあっては。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/563230
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https://www.webchikuma.jp/articles/-/3049
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