和算を楽しむ (ちくまプリマー新書 46)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687470

感想・レビュー・書評

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  • 日本独自の数学として発展した和算の歴史を初心者向けに解説した本です。あくまで入門的な歴史書なので詳しい解説はなく、また中で紹介されている数式等についても詳しく紹介されているわけではないので、その点は他の本で学ぶ必要があると思いました。
    しかし、専門的な歴史書では細かくなりがちな数学の歴史を新初版で手軽に学べることに意義があると思います。

    【こんな人におすすめ】
    和算の歴史について入門書を探している

  •  「和算を楽しむ」というタイトルだったので、和算の問題がいっぱい紹介されていて、和算の解き方が解説されている本だと思ったのですが、実際は、和算の歴史といった趣の本で、日本の和算家が時代順に紹介されているという感じです。

     もう少し和算の考え方、解き方を掘り下げて紹介してあるといいなあ。その分、内容は高度になってしまうと思いますが…。

  • 面白かったです。

  • 和算の歴史からどんなものかまで、わかりやすくまとめた一冊。その高度性や関孝和など、和算について大まかなことは知っていたのですが、人物や実際の和算紹介も合わせて飽きずに読みきれる量でした。ただし、学生を離れた身には計算はわからないので、そこは飛ばし読み。

    遊びとしても数学が楽しめたなんていいな~。『塵劫記』の遊び問題が案外面白かったので、遊びの要素が無い西洋数学で育ち、数学が苦手だった私は、和算で勉強してたらちょっと違ったかもと思ってしまいました。

  • 和算に関する紹介の記事。
    多くの書籍の紹介がある。
    調べ学習に役立つ情報満載。

  • 『天地明察』を読んでから、関孝和が気になっていました。
    ムズカシイ専門書は読めないので、入門編としてちくまプリマー新書を。

    受験数学は嫌いでした。
    でも江戸の人たちのように、一つの問題に時間をかけてアプローチするやり方を小さいころから身につけていたら、きっと数学も好きになれたんだろうな。

  • [ 内容 ]
    明治のはじめまで、西洋よりも高度な日本独自の数学があった。
    殿様から庶民まで、誰もが日常で使い、遊戯として楽しんだ和算。
    その魅力と歴史を紹介。

    [ 目次 ]
    第1章 聖徳太子の時代に数学は伝わった
    第2章 戦国時代の数学
    第3章 数学塾の登場と活躍の場を広げた数学者たち
    第4章 ベストセラー『塵却記』と吉田光由
    第5章 高度になっていく数学
    第6章 関孝和と関流の数学者たち
    第7章 遊びとしての数学
    第8章 旅を楽しみ、地方に数学を広めた「遊歴算家」
    第9章 明治時代の和算家

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • (2010.06.01読了)(2010.05.19借入)
    「天地明察」を読んだ時、和算の話が出てきていたので、和算について少し勉強してみようと思いとっかかりとしてこの本を借りて読んでみました。
    和算の歴史と概要を短時間で知るには手ごろな本かと思います。110頁です。

    ●和算の特質(9頁)
    1.「遺題継承」 自分の著書に答えのない問題を載せて、その解答を読者に委ねる。
    2.「遊歴算家」 江戸のようなところで活躍している実力のある数学者が、旅をしながら数学を教える。
    3.「算額奉納」 解けた難問を神仏に奉納して感謝した。
    ●学問の伝来(11頁)
    飛鳥時代に、隣国の中国や朝鮮と外交を持つ過程でさまざまな学問が入って来た。今から1500年ほど前です。
    ●算木(16頁)
    計算の道具は「算木」と呼ばれる竹の棒でした。
    算木には色がついていて、赤の算木はプラスの数を表すときに使います。マイナスの数を表すときや、プラスの数を引くときは、黒の算木を使います。
    ●そろばんの伝来(21頁)
    足利義満の時代に、明と正式に国交を結び、勘合貿易が始まり、そのとき、そろばんが伝わって来た。
    ●日本数学の祖・毛利重能(27頁)
    毛利重能は、江戸時代初期のそろばん塾の師匠です。関ヶ原の戦の後、武士を辞めて京都の京極あたりに住み、そろばん塾を開きました。門前の大きな看板には「割り算の天下一」と書かれていた。この時代には割り算が達者であることが、数学の力量を測る基準でしたから、この看板は「数学の日本一」とうたっているようなものでした。
    ●吉田光由(39頁)
    ベストセラー「塵劫記」を書いた吉田光由は、毛利重能に学び、さらに角倉了以、素庵親子から中国から入って来た数学書「算法統宗」を学びました。
    「塵劫記」は1627年に刊行されました。生活の上で必要になる計算を問題として、その計算法を教える本でした。
    ●円周率(46頁)
    円周率を3.16で使用していた時代に円周率をもっと詳しく求めた人がいます。1608年生まれの村松茂清です。
    正32678角形の辺の長さから周の長さを計算して、
    3.141592648777698869248
    を得ました。実際の円周率と比べると3.1415926まで一致しています。
    ●天元術(56頁)
    17世紀半ばに、秀吉の朝鮮出兵の際に朝鮮から持ち帰った本の中にあった「算学啓蒙」という13世紀の元の数学者によって書かれた本が見つかりました。
    その中に、天元術に関する記述がありました。天元術は数字係数の高次方程式を解く方法です。(学校で習った方法だけが唯一の解き方と思っていましたが、そうじゃない解き方もあるようです。解き方の例が記述してあるのですが、どうしてそうやると解けるのかが分かりません。)
    ●関孝和(66頁)
    関孝和は、1640年ごろの生まれです。
    関孝和のころまでは、計算は、算木か算盤を使って行いました。関は、算木と変数を一緒に紙の上に書いて計算する「傍書法」を考案しました。

    著者 佐藤 健一
    1938年、満州国新京市生まれ
    1962年、東京理科大学理学部数学科卒業
    和算研究所理事長
    日本数学史学会会長
    (2010年6月2日・記)

  • そろばんや九九など、日本は昔から数学が得意だったのだ。すごいな。

  • 和算の歴史の入門書としては妥当。ただし歴史的事実については近年の諸成果をちゃんと取り入れていないので、典拠としては使えない。あくまで入門書。

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著者プロフィール

日本大学商学部元教授

「2021年 『伊藤整とモダニズムの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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