SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書 81)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687838

作品紹介・あらすじ

SFは、科学を通じた現代社会への賛歌である。テーマ別のオススメ本を通じて、社会とは何か、生命とは何か、人はどう生きるべきかなどについて考えてみよう。

感想・レビュー・書評

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  • ・えらそうなタイトルと新書のシンプルさから、面白く無さそうだなと思いながら読み始めたら・・SF入門としてとてもわかりやすくておもしろかった!!大阪商業大学の「グレート・ブックス」(読書会)の授業、受けたいな!本を読んであーでもないこーでもないと語り合う場って、楽しそう!
    ・生徒と討論しながら本を紹介するスタイルなので、作品のネタバラシも少々あり。
    ・討論は、本の内容を説明するのではなく、そこから派生する問題点、疑問点、そして感想などが中心となる。
    (この討論がおもしろかった!SFって、いろんなifを考えるもの、想像するもの、「人生の哲学」。「いろんな疑問に有力な解答や指針を出してくれるのがSF。」読みながら、自分だったらどう考えるか?と考えたり人と話してみるのもおもしろいかもしれない)。

    NDC902 2008年出版

    「SFは、科学を通じた現代社会への賛歌である。テーマ別のオススメ本を通じて、社会とは何か、生命とは何か、人はどう生きるべきかなどについて考えてみよう。」

    目次
    ●異文化コンタクト/エイリアン―宇宙人は人間と似ているか
    紹介本:
    ・アーサーC.クラーク『(地球)幼年期の終わり』
    ・梶尾真治「地球はプレイン・ヨーグルト」(『フランケンシュタインの方程式』より)
    ・アーサーC.クラーク『宇宙のランデヴー』
    ・ロバート・A・ハインライン『異星の客』
    ・スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』
    ・マイク・レズニック『第二の接触』
    ・フレデリック・ポール『ゲイトウエイ』
    ●ロボット―人間とは死ぬことと見つけたり
    紹介本:(&好きなロボット)
    ・アイザック・アシモフ『われはロボット』
    ・アシモフ「バイセンテニアル・マン」(『聖者の行進』より)
    ・アシモフ『鋼鉄都市』『ロボットと帝国』(ダニール)
    ・手塚治虫『火の鳥ー復活・羽衣偏』(ロビタ・チヒロ)、『鉄腕アトム』(ゲジヒト、ノース2号、プルートゥ)・藤子F.不二夫『ドラえもん』

    ●タイム・トラベル―日本が誇る時間物の最高傑作
    紹介本:
    ・広瀬正『マイナス・ゼロ』
    ・梶尾真治「美亜へ贈る真珠」(『美亜へ贈る真珠』より)
    ・ロバート・A・ハインライン 『夏への扉』
    ・ポール・アンダースン『百万年の船』
    ・小松左京『果てしなき流れの果に』

    ●文明/社会風刺ーユートピアはどんな世界かー
    紹介本:
    ・マイク・レズニック『キリンヤガ』
    ・カレル・チャペック『山椒魚戦争』
    ・山本弘『アイの物語』
    ・レイ・ブラッドベリ『華氏四五一度』
    ・ジョージ・オーウェル『一九八四年』
    ・ロバート・J・ソウヤーの『さよならダイノサウルス』
    ・グレッグ・イーガン『しあわせの理由』

    ●医学/脳科学―愛さえあれば××の差なんて
    紹介本:
    ・ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
    ・テッド・チャン「理解」(『あなたの人生の物語』より)
    ・アイザック・アシモフ『ミクロの決死圏』
    ・グレッグ・ベア『ブラッド・ミュージック』
    ・ロバート・J・ソウヤー『ターミナル・エクスペリメント』


    ●愛と犠牲―リーダーのジレンマ
    紹介本:
    ・ジェイムズ・ティプトリーJr.『たったひとつの冴えたやり方』
    ・トム・ゴドウィン「冷たい方程式」(『冷たい方程式』より)
    ・ロイス・マクマウター・ビジョルド『戦士志願』
    ・萩尾望都『11人いる!』(漫画)
    (SFじゃないけど、ゴールディングの『蠅の王』も!)

    ●戦闘/活劇―リーダーの成長と決断
    紹介本:
    ・オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』
    ・ロイス・マクマスター・ビジョルド「無限の境界」(『無限の境界』より)
    ・アレクセイ・パンシン『成長の儀式』
    ・ジョー・ホールドマン『終わりなき戦い』
    ・田中芳樹(たなかよしき)『銀河英雄伝説』

    ●人工知能―パソコンが自我を持つ日
    紹介本:
    ・ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』
    ・フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
    ・グレッグ・イーガン『ディアスボラ』
    ・オースン・スコット・カード『ゼノサイド』

    ●タイム・スリップとパラレル・ワールド―歴史のifについて
    紹介本:
    ・伴村良『戦国自衛隊』
    ・フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』
    ・村上もとか『JIN-仁-』(漫画)
    ・広瀬正『エロス』
    ・ケン・グリムウッド『リプレイ』
    ・西澤保彦『七回死んだ男』
    ・キース・ロバーツ『パヴァーヌ』
    ・クリストファー・プリースト『双生児』

    ●テクノロジーの進歩/ハードSF―ブラックホールと中性子星
    紹介本:
    ・ロバート・L・フォワード『竜の卵』
    ・ラリイ・リーヴン『リングワールド』
    ・ロバート・L・フォワード『スタークエイク』
    ・ラリイ・ニーヴン『楽園の泉』
    ・ポール・アンダースン『タウ・ゼロ』
    ・スティーヴン・バクスター『天の筏(いかだ)』
    ・小松左京『さよならジュピター』
    ・石原藤夫『宇宙船オロモルフ号の冒険』


    ●センス・オブ・ワンダー―究極のホラ話
    紹介本:
    ・J.P.ホーガン『星を継ぐもの』
    ・ダン・シモンズ『ハイペリオン』
    ・アイザック・アシモフ『ファウンデーション』
    ・フランク・ハーバート『デューン(シリーズ)』
    ・ジュール・ベンヌ『地底探検』
    ・ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟(はこぶね(1・2)』

    ●SF短編集
    ・トム・ゴドウィン「冷たい方程式」
    ・アイザック・アシモフ「夜来たる」
          「うそつき」(『われはロボット』より)
          「「バイセンテニアル・マン」
    ・ジェイムズ・ティプトリーJr.「たったひとつの冴えたやりかた」
    ・オースン・スコット・ガード「無伴奏ソナタ」
    ・ラリイ・ニーヴン「無常の月」
             「祈りの海」
             「中性子星」
    ・テッド・チャン「理解」
            「あなたの人生の物語」 
    ・グレッグ・イーガン「ひとりっ子」
              「キューティー」
              「しあわせの理由」
    ・コードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」
    ・ロイス・マクマスター・ビジョルド「無限の境界」
    ・アーサー・C・クラーク「太陽からの風」
        「ゲーム・ハント」(『白鹿亭綺譚』より)
    ・ジョン・ヴァーリイ「ブルー・シャンペン」
    ・シドニア・スタージョン「時間のかかる彫刻」
                「成熟」
    ・ハーラン・エリスン「少年と犬」
    ・R・A・ラファティ「時の六本指」
    ・マイク・レズニック「空にふれた少女」(『キリンヤガ』より)
    ・レイ・ブラッドベリ「ウは宇宙のウ」
    ・草上仁(くさかみじん)「ゆっくりと海へ」
    ・中井紀夫(なかいのりお)「山の上の交響楽」
    ・梶尾真治「怜子の箱宇宙」
    ・星新一「生活維持省」「キツツキ計画」「おーいでてこ~い」「月の光」
    ・筒井康隆「ヨッパ谷の降下」
    かんべむさし「決戦日本シリーズ」「ポトラッチ戦史」

    ●オール・タイム・ベストSF



    著者等紹介
    谷岡一郎[タニオカイチロウ]
    1956年大阪生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、南カリフォルニア大学行政管理学部大学院修士課程修了、同大学社会学部大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査方法論。現在大阪商業大学教授、学長。大のSFファンであり、数年に一度、「グレート・ブックス」というSF入門の授業を担当している

  • 冒頭「私が学長を務める大阪商業大学には、一〇年以上前から「グレートブックス」という授業があります。」
    末尾「え~~、これで授業を終わります。」

    読まなきゃ、という本が色々あり、でもここいらで新書を一冊読んでおきたいという思いから、積んである新書の中で読みやすそうなものを選択。

    大阪商業大学での授業で読書会のような授業があるらしく、その感じを書籍化したもの。

    谷岡先生曰く『SFをひとことで表すなら、「人生の哲学」』とのこと。「そんな大げさな」と思ったけど、読み終わった今は「なるほど~」という感じ。もちろん空想が入っているけども、現実を超越した科学技術を利用したときに人間がどう振舞うか、確かに哲学かもしれない。

    これまであまりSFを読んできておらず、本書に出てきたものではダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』くらいしか読んでいない。あれも良い本だったな。

    紹介されていたのはどれも面白そうだった。少しずつ読んでみたい。

  • 対談形式の(たぶん)超入門者用SFブックガイド。「異文化コンタクト/エイリアン」「ロボット」「タイム・トラベル」「文明/社会風刺」などといったテーマを挙げ、テーマごとの着目点とおすすめ作品を紹介する内容。ノリは苦手だが、こういう読みやすく初心者向けのガイド本を求めていたので、興味を惹かれた作品をさっそく読んでみようと思う。

  • SFの面白さを様々なテーマで語ってくれるので、非常に参考になった。SFで頭を柔軟にして博識になりたい。

  • 完全な趣味で一冊書けるのだから学者って良いなぁ。グレート・ブックスという授業は楽しそう。翻訳物の名作SFってタイトルがかっこいいんですよね。月は無慈悲な夜の女王、幼年期の終わり、華氏四五一度、たったひとつの冴えたやりかた、などなど。これらは訳者のセンスなのかしらん。最近小説読みたいような気がしてるのですが、読んでみるとあんまりなので、SFに手を出してみようかしら。

  • 参考にしようと思う

  • 理系分野に関する興味が低いせいか、SFに対する抵抗がどうしても拭いきれない。それでもマニア的に好きな人が多い分野であることは間違いなく、とんでもない名作との誉れ高い作品が数多く存在するから、どうしても気にはなってしまう。で、こうしたプリマー新書でのSF特集となると、必然的に読みたくなってしまう訳で。確かに入門者向けの書かれ方はしているし、複数人で討論的に各作品が論じられているのも良い。たまに読んでる作品(『星を継ぐもの』とか)が出てきたとき、同作品への高評価と自分の中での感想にかなりの乖離があり、その点がやはり不安なんだけど… とりあえず、皆が絶賛しているような作品から、ちょっとずつつまんでみようかな、と。

  • これはSFの入門書であって、何を読めばいいのかわからない人たちへのガイド本で評論本ではない。
    そういう意図で作られてるんだから、それ以外を期待して違うからって、低評価をつけるのはおかしいと思う。

    SFを集中的に読みたくなって手に取ったが、期待したものはしっかり頂戴した。しばらくはこの本のリストからチョイスすれば間違いなさそう。読み直しがいくつもあるけど気にしない。きっと新たな発見もあるだろう。

    この本のジャンル分けは参考になる。

  • 教授と二人の学生の会話で進行していくが、学生二人のやり取りが無駄に思われる。事あるごとに反発し合うが、ワンパターン過ぎて読んでいるコチラとしては冷めてしまう。テーマごとに大きく二つの作品を上げてその周辺を掘り下げるというのは良いと思うが会話だけで成り立たせるのは無理があると感じる。

  • ロフト行き

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著者プロフィール

大阪商業大学学長

「2021年 『悪魔の証明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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