漢字の歴史: 古くて新しい文字の話 (ちくまプリマー新書 219)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689221

感想・レビュー・書評

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  • 【コメント】
    ざっと読んでみて、なんだかとっ散らかった印象。
    だけど、日本とそれ以外の国々との違いが垣間見れた
    のは面白かった。

    *** 他国との漢字の関りの違いなど…
    日本では伝来した漢字は庶民のものとなっていった
    (遭難した漁民が漂着した他国で筆談していたエピ
    ソードなど)が、中国を含む他国では支配階級のもの
    だった。
    中国では、古い書物は焚書されたり割と大切に扱わ
    れなかったりと紙の書物など散逸しているものが多い
    が、本書を読んだ印象では日本ではそれと比べると
    古いものが大切にされ残っているようだ。
    新しい漢字を造字するとき、日本では会意で行う傾向
    があるのに対し中国では形成で行う傾向があるという。

    *** 巡り巡って
    漢字は本来、漢文を表現するためのものだったけど、
    日本は外来の漢字に工夫や改良をこらして自分の国
    の言葉を表現するようにした。表意文字から仮名
    などの表音文字や国字を作ったりして自分のものに
    していった。そして巡り巡って日本発の漢字(熟語
    など)が海外でも使われている。

    *** 日本って
    現在では、漢字かなカナに加えて英字も使われて
    おり更に多様化している。それぞれに同じコトバ
    を綴ってもニュアンスの違いがあったりする。
    (※最近は顔文字なんてものもある。これを文章
    に添えることでニュアンスも違ってくるね。)
    日本人にはきっとその表現に拘る感性をもっている
    のだろう。何かの事情があって、漢字を捨てて英字
    を公用にしたり、他の表音文字を公用にする国など
    との違いも興味深い。

    これらは、他国との比較から日本という国に住まう
    人々の一端(日本人が何を大切にしているのか)が
    垣間見れたようで面白かった。

    【内容】
    漢字の歴史について、
    世界の言語体系の中での漢字の位置付けや、
    漢字の字体(甲骨、金文、篆書、隷書…)の変遷、
    漢字文化圏(国々)の漢字の利用され様(発展や衰退
    の様子)など紹介されている。

  • 漢字について少し細かめにザッと浚った感じ(どっちやねん)。

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著者プロフィール

早稲田大学社会科学総合学術院教授
1993年早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。
専門は日本語学(文字・表記)、社会言語学(文字論)、漢字学。

「2022年 『漢字系文字の世界 字体と造字法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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