稲垣足穂全集 13

著者 :
制作 : 萩原 幸子 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 7
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480704931

感想・レビュー・書評

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  • ああ……、読み終わってしまったな……。
    全然精読したわけでなく(部分的にはとてもしましたが)、難しいところ、わからんところは流し読んでいましたが、最終巻を読み終わるにあたりどうしても寂しさを覚えます。ずっと足穂の星屑のような上等の文を読んでいたかった。
    荻原幸子さんの月報がなおのこと。改めて発刊のお礼を申し上げたい。よくこんなニッチな全集出してくれたな。筑摩は偉い。

    ヒューウ「ジッドの少年愛論」「バートン男色考からの摘要」「宮本外骨の『美少年論』」「多留保版男色大鑑」最終巻までぶれないさっすがタルホ先生。タルホ語でそれぞれを沙訳なり解説されています。
    「武石道之介航海日誌」「武石浩玻在米日記」文うまいなあ。感心してしまう。日記でこんなんつけられたらもう後世の人間は記す言葉がないと思わせられる。アメリカでは下僕のような仕事をしながらも、折れない人だったからこそ初期の飛行技術を手に入れられたのだろうとその不屈の意志に感銘を受けます。
    「花月ファンタジア」がなかなかメランコリック、足穂と命名した伯父さんからの影響大きかったんだな、お父さんも別の巻に描写がありますが、二人してダメンズなんだが文化的でいいキャラだったのだなあ。

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著者プロフィール

稲垣足穂(1900・12・26~1977・10・25) 小説家。大阪市船場生まれ。幼少期に兵庫・明石に移り、神戸で育つ。関西学院中学部卒業後、上京。飛行家、画家を志すが、佐藤春夫の知己を得て小説作品を発表。1923年、『一千一秒物語』を著す。新感覚派の一人として迎えらたが、30年代以降は不遇を託つ。戦後、『弥勒』『ヰタ・マキニカリス』『A感覚とV感覚』などを発表し、注目を集める。50年に結婚、京都に移り、同人誌『作家』を主戦場に自作の改稿とエッセイを中心に旺盛に活動し始める。69年、『少年愛の美学』で第1回日本文学大賞受賞、『稲垣足穂大全』全6巻が刊行されるなど「タルホ・ブーム」が起こる。

「2020年 『稲垣足穂詩文集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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