坂口安吾全集 4

著者 :
制作 : 柄谷 行人  関井 光男 
  • 筑摩書房
3.50
  • (1)
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 14
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480710345

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 堕落論 いつの時代も堕落してきたと書かれていると感じた。ただ偉大な破壊の下で運命に従順な人々だけは違っていた、その瞬間は・・・。ひるがえって思い起こすと、それも幻影にすぎなかったのではないかと逆説的だが回顧している。
     最後の一段落が気に入らない。堕ちることについてまとめているこれらの文章は、人間の特性と、人の限界を示している。気に入らない理由は、まさに正鵠を得ていると感じるからだろう。人間は生き考える中で多くの自由を失っている。また人は時間をへるにつれ世俗にまみれ、時間と共に自由を回顧する。
     天皇制や武士制度など多くの視点から見れる点が面白いと思った。そうか~堕ちていくのか~と感じた。

    白痴 男は燃え盛る道を白痴の女と逃げまどい、一息ついた先で、何をたよりに生きるのだろうと独りごちる。寒さは自身の心境とシンクロしているが、それでも朝はやってくるという事実が寒さとという感覚で現実を思い知らされる。難しい本だと感じた。

  • 私は海を抱きしめていたい が読みたいがために

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂口安吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×