神も仏もありませぬ

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 191
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480814586

感想・レビュー・書評

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  • 63、4歳くらいの佐野洋子さんのエッセイ。
    飼い猫フネの最期を看取り、老いてきた自分を想い、北軽井沢の愉快な友人たちと交流する。

    夏になるとときどき遊びに来るニコニコ堂の親子の話にとても驚かされた。嘘か本当か知らないけど、ニコニコ堂はつげ義春の『無能の人』のモデルらしい。そして、ニコニコ堂の息子ユウ君は長嶋有さん(これは間違いない)。
    自分の好きな人たちが同時に登場して、なんだか混乱してしまった。嬉しい混乱だ。

    なんでも置いてある店として登場する「山のデパートホソカワ」で検索してみたら、お店の画像を見ることができた。イメージよりもかなり大きい。これはたしかに山のなかならデパートだ。(バラエティストアーって大きく書いてあるけど)

  • 著者63歳~65歳くらいまでのエッセイ。
    初老の不機嫌な心境(決して暗く描かれてはいない)が太いタッチで描かれている。
    大変面白くて一気に読んでしまった。
    また同じ著者の本を読みたい。

  • 絵本「百万回生きた猫」の作者。面白いな〜。いいな〜。直接的で、はっきりしていて、さばっとしている。いいエッセーを読みました。

  • 田舎暮らしのサノさん。近所の人との交流、日々の雑感、旨い物。曰く「日々飯を食い、糞をたれ、眠った」。市川悦子の言葉を思い出した。というより同じことを言っている。強いお人だ。

  • 読みやすかった。
    ふるさとについての記述にぐっときた。ひとはみな、1人。でも、根無し
    草ではやっていけないのだ。土台みたいなものを求め、大切にしながら生きることで、強くもなれるのだ。
    人とのつながりを大切に育みながら、今日を噛み締め、身の丈で生きていくということ。
    頑張ろう。

  • ぐじゅぐじゅしてなく、小気味いい、男っぽい

  • ときどきクスっと笑える、でもめちゃめちゃ興味がある感じではなかったです^^;

    アタシは60歳になってもオンナであり続けたい 笑

  • なんて風通しのいい方だったのだろうと思う。裏表どころか前も後ろも横もなく、全方位ただ佐野洋子そのものであるというような。当時60代の著者、もう人生降りて死に向かって緩やかに下降していきたいと書きつつ(そして心底思っていたのであろうことはわかる)それでも花や山や人に心を寄せながら西軽井沢で過ごす日々が描かれている。山荘というシチュエーションもあるかもしれないけれど、佐野さんと武田百合子さんにどこか似通った部分を見る。媚びないウソ言わない感じたままを口にする、というあたり。
    長嶋有さんが登場してちょっとびっくり。そういえば表紙、佐野さんだったなぁと思い出した。
    飼い猫の死について書いた一編が心に残る。

  •  画家で、「100万回生きたねこ」の作者としても知られる佐野洋子さんの63歳から65歳の頃に書かれたエッセイ。

     63歳の佐野さんが88歳の痴呆の母親に年を尋ねたら「そうねェー四歳くらいかしら」佐野さん自身が衝撃を受けながらも同時に可笑しさが込み上げて来る様子が手に取るようにわかる。

     佐野さん、その他に出てくる佐野さんの友人たち、すべての人たちが面白くて個性的に思える。それはそれぞれの人たちが魅力を持っているだけでなく、佐野さんのフィルターを通して描かれているからなんだろうなあと思えた。
     生きていること、次第に年を取って心身ともに変化していくこと、老いていく自分に抗わず、ありのままに受け止めること。
     真っ直ぐな心情が、読んでいて心に響いてくる。オイラもこんな風に真っ直ぐに年を取りたいものだなあと思う。

  • 老いていく自分を時々卑下しながらも、
    まぁ いいか的な感じで日々を送っている作者の歯に衣着せぬ言いようが小気味よいエッセイでした。
    登場するご近所さんもかなり個性派揃い。
    自分も60歳をすぎてこんな風にユカイに過ごす事ができれば老いもそれ程悪くないカモ・・・。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐野洋子の作品

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