ギリシア哲学史 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 177
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (752ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480847522

作品紹介・あらすじ

古代ギリシアで哲学はどのように始まったのか。近年の研究成果を踏まえギリシア哲学史の枠組みを見直し、哲学者たちの思索を新たな視座から一望する記念碑的通史

感想・レビュー・書評

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  • タレスからシノペのディオゲネスまで、古代ギリシャで活躍した思索家たちの生涯や思想、その受容を徹底的に掘り下げている。最新の研究をふんだんに取り込んで、これまで教科書的に教わってきたものとは違う、彼らの実像のようなものを見せてくれる。なお続巻があり、この一冊だけですべての哲学者を紹介していない。安易なソフィスト批判を避け、プラトン、アリストテレスの新しい解釈が行われ、あまりこの時代に詳しくない読者からすると新鮮な読書体験になった。また初めて聞く哲学者の名前も多く、その数も多いことから、今後は机上に置いて辞書として使うこともできる。古代ギリシャは遡れる限りで西洋哲学の起源として、現在でも多くの研究がなされている時代だ。2300年近い、過去のことであるにもかかわらず、なぜこうも人の関心を寄せるのか。この本を読むとある程度はその理由が分かってくる。つまり、この時代に哲学者たちが行った自然や社会、人間の根源的な問いかけは時代や地域を超えて、ときには変相を遂げながら常に西洋哲学の思考の中心にあり続けたということである。ホワイトヘッドの「西洋哲学はすべてプラトンの脚注に過ぎない」という言葉は大袈裟だが、しかし以降の哲学者たちが格闘してきた相手のなかに、古代ギリシャ人がいたことを否定するのは難しいだろう。そして明治以降、積極的に西洋哲学の輸入に努めてきたわれわれ日本人もまた、この例外に漏れることはない。だからこそ、彼らの思想を学ぶことは、今われわれが当たり前のように考えている何某かの問題の起源に立ち戻ることであり、もっと言えばわれわれの考える形式そのものの歴史的な系譜を探ることにもなる。人間は何を考えて生きてきたのか、変わった点もあれば、決して変わらない点もある。こうした歴史を知らなければ、少なくとも哲学という営みを明敏に行うことは難しいだろう。

  • 東2法経図・6F開架:131A/N97g//K

  • ギリシア哲学史自体に興味があって読んだわけではないのでボリュームが大きくて結構つらかった。正直身になったかあやしい。プラトンの1とか2とか言ってるあたりは訳が分からなくてついていけなくなったので、もっと簡単な本を読まないとダメそう。
    しかし、本文のみで600ページあるけどギリシア哲学史の中盤、アリストテレスの時代までで終わってしまい、続きは続刊で~とさらっと書いてある。まじか…これをもう一回か…という感じ。でも主に知りたかったのはその後の展開なので続刊が出たら買わないとなあ…。
    哲学者一人一人について書いていくことで全体のつながり、流れを示している。流れは何となーくわかってきた気もする。個人名で調べたいときに、辞書的に引くのがいいかもしれない。

  • 納富先生はえらいなあ。(某哲学者について確認する必要がってそこめくっただけだけど)

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著者プロフィール

納富 信留(のうとみ・のぶる):1965年生まれ。東京大学大学院教授。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ケンブリッジ大学大学院古典学部博士号取得。専門は西洋古代哲学。著書『ギリシア哲学史』(筑摩書房)、『ソフィストとは誰か?』『哲学の誕生――ソクラテスとは何者か』『新版 プラトン 理想国の現在』(以上、ちくま学芸文庫)、『プラトンとの哲学――対話篇をよむ』(岩波新書)、『世界哲学史』全8巻+別巻(共編著、ちくま新書)など。

「2024年 『世界哲学のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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