グローバル経済の誕生: 貿易が作り変えたこの世界 (単行本)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480867230

感想・レビュー・書評

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  • グローバル経済の歴史を考えてみるに大航海時代の世界経済と今の経済体制には共通点があると考えています。

    1番関心を持った点は大航海時代の初期のインド中東地域における国家と商業資本のあり方です。これら地域においては国家の徴税権力が商業資本に一部ゆだねられていたとされています。

    これはまさしく今の経済においてGoogleやFacebookアマゾンそしてアップルが手数料を全世界から徴収してそして良い新しいインフラを構築することに相当するのではないでしょうか。よく国家権力が商業資本にとって変わられるのではないかと言う懸念を示されることがあります。
    しかし過去の歴史を振り返ればより良いインフラを構築することのできる商業資本に社会上の一部を委ねた国々が繁栄してきたことがインド中東地域の歴史から見てとれることができるのではないでしょうか。

    まさしく今は歴史の転換点にあるのではないかと思いこの本をお勧めします。

  • フランスのメートル法がどうやって世界に広がったか、砂糖やコーヒーの血塗られた歴史、などなどトピックがとっつきやすくて読みやすい。特に市場の形成に至る話はなるほどなーとおもしろく読めた。

  • 140614 中央図書館
    世界各地の貿易活動の成り立ちについて、いろいろと記述してあったが、少し散漫な印象があり、あまり頭に残らなかった。

  • 第2章 輸送技術の進歩は人類に何をもたらしたのか
    第3章 ドラッグ文化の経済学
    第4章 商品は世界を廻る
    第5章 暴力の経済学
    第6章 市場はどのようにして創られたか
    第7章 世界貿易と工業化の歴史

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:333.6//P78

  • 交易と貿易という言葉を区別して使う場合がある。
    交易=貿易として、特に区別なく使われる場合ももちろんあるが、その両者を区別して使う場合、前者が強調するのはモノ自体の価値を交換するということである。
    一方後者が強調するのは、モノと貨幣との交換であり、そして貨幣との交換のためにモノが生産され、それが支配的になってきた現代の交換である。または、モノが商品化され、商品が交換されることを強調するときに「貿易」という言葉がより適切な意味を持つ。

    そして本書「グローバル経済の誕生」において、世界史の中でいかに「貿易」が支配的となり、それがもたらした様々な変化が描かれている。

    例えば、「第一章 市場の掟」では、ヨーロッパの人々が参入しようとした当時のアジア域内貿易ネットワーク内のルールが描かれ、その複雑さやその合理性などは当時のヨーロッパに比べ、優れていた点を描いている。
    しかしその後、「第五章 暴力の経済学」で暴力的なヨーロッパの進出がもたらした影響が描かれる。それは新大陸の発見の後、国家公認の海賊行為や奴隷貿易等の暴力的な富の収奪をイギリスを初め、ヨーロッパ諸国が行ったことによる様々な影響である。
    そしてその富の収奪は「本源的蓄積」をイギリスにもたらしたのである。
    これが後の産業革命につながり、世界経済のありようを変えてしまった。
    暴力による富の収奪が今日の資本主義を形作っているという現在に至る歴史の負の側面がそこにはある。

    歴史の複雑で多様な側面を「貿易」で切り取った時、その暴力性が浮かび上がってしまった。
    これは今日の「グローバル」な世界を考える上で、見過ごせない歴史的事実である。

  • 学校のレポート用。貿易について学ぶことが出来た。

  • 333.6||Po

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