この国の食を守りたい: その一端として

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480877956

感想・レビュー・書評

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  • 飽食だけど、じつは力のあるものを食べていない、食べることは、食べ物の栄養素を吸収するのじゃなくて、自分の身体の一部を食べ物と入れ換えて身体を更新していくこと。だから、食べることは宇宙的な循環、食べ物も私も辿っていくと一体。
    日々のご飯にこんなに真剣に向き合う辰巳さんは、やはり、ただものじゃない。
    と同時に癒しや赦しは特別なワークの中にあるんじゃないよね、ともおもった。

  • 食をめぐる危機。日本の食料自給率の低さ、憲法の問題、放射能汚染の怖さ…。食べることは生きることと同義である。理想を語るだけではなく、様々な問題に対して行動を起こしている辰巳さんの生き方に共感。
    「問われているのは消費者。うまいもの情報に浮かれている場合ではありません」

  • いのちのスープの存在を知り、辰巳さんのことが気になったので、拝読。
    食に対して向き合う姿勢が、逸脱していて、感動すらしました。
    ただ美味しさを求める料理研究家を超えて、日本の食文化を守るという強い志。食とは何か、いのちとは何か、本質的で大きな目線から考えられている印象。またその思想だけでなく、実行されているのがすごい。

  • 「命のスープ」で知られた料理研究家の、日ごろ使っている調味料・食材の紹介エッセイ。昔ながらの製法で作られる、昔ながらの品物は、いつの時代も大切にしたいものですね。

  • 星の紹介本です。

    何事にも先達はあらまほしきことなり。
    辰巳さんが何の先達かというと、食べものにどう向き合うか、その心構えを教えてくださる方といえます。
    肩書きは料理研究家となっているけれど、もう哲学者と言っていいと思います。
    ただ、料理とは単においしくて見栄えのよいものを作ればよいのではなく、
    食べものは、生命を守り育てるものなのだということを思い出させてくれます。
    辰巳さんの本はどれもオススメですが、これは、調味料のカタログという
    楽しい一面もあり、読みやすいです。

    人間も、手間ひま、時間をかけることで、成長(熟成)するんだと思います。
    私は目の前のことのこんなに奥深くまで見えているだろうか、心をこめているだろうかと
    自問自答してしまいます。

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著者プロフィール

料理研究家、エッセイスト。1924(大正13)年生まれ。料理研究家の草分けだった母・辰巳浜子のもとで家庭料理を学ぶ一方、西洋料理の研鑽も重ねる。父親の介護を通じてスープに開眼する。鎌倉の自宅や周辺の施設でスープ教室を主宰し、高齢者や病気の方へスープを提供できるよう指導している。「大豆100粒運動を支える会」会長を務める。 著書に『辰巳芳子の旬を味わう -いのちを養う家庭料理』、『辰巳芳子 慎みを食卓に -その一例』(ともにNHK出版)がある。

「2020年 『辰巳芳子 ご飯と汁物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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