道元禅師 下

著者 :
  • 東京書籍
3.67
  • (4)
  • (4)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 58
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487802135

作品紹介・あらすじ

「泉鏡花文学賞・親鸞賞受賞」  日本曹洞宗の開祖・道元は真実の求法の地を求め,ついにその理想の場所を北陸の地に見出す。永平寺建立,『正法眼蔵』大成に至る,記念碑的長編小説完結篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「二十七 鎌倉へ」の
    北条時頼とのやり取りは圧巻

    P543
    永遠の真理を説く仏法にくらべれば、
    諸行無常にさらされた権力など
    虚しいものである

    P540
    「時頼どの、あなたが本当に救われたいと
    願うのであれば、道はただひとつあります」
    「ただひとつ…」
    時頼は喜びより不安が勝ったような
    表情でつぶやいた。
    「だが、それは大変難しいことです」
    「救われるためなら、どんなことでも
    いたしましょう」
    「本当にあなたにできるでしょうか」
    「いってください」
    時頼の切実さが感じられ、道元は間を
    充分にとってから応じた。
    「捨てるのです」

    「鎌倉へ」で印象に残ったのは
    ①質素な格好で時頼に会った
    ②鎌倉に寺を建て、住持に、という
    時頼の誘いを断った
    ③時頼に「捨てるのです」と告げ、
    怒りに抜刀されても平然としていた

    P547
    食べるものや着るものについて
    あれこれ思い悩むのは、
    修行のさまたげでしかない

    今日(4月22日)読了
    最後道元の死が近づくと
    ずっと一生を共にしてきた気がして
    感無量になった。
    仏法や仏道、出家とは何か
    それに触れられたことが
    嬉しかった。

  • 人は仏となることができるのか。すべてを見通す力は手に入れることができるのか。曼荼羅。入滅。無為。――仏教は奥深し。

  • 【配架場所】 図書館1F 913.6/TAT

  • 図開架 913.6:T217:2
    館長おすすめコーナー
    第35回泉鏡花文学賞(金沢市主催)受賞

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

立松和平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×