青空の卵 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 872
感想 : 202
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012892

作品紹介・あらすじ

僕は坂木司。外資系の保険会社に勤務している。友人の鳥井真一はひきこもりだ。プログラマーを職とし、料理が得意で、口にするものは何でも自分で作ってしまう-それもプロ顔負けの包丁さばきで。要するに外界との接触を絶って暮らしている鳥井を、なんとか社会に引っ張り出したい、と僕は日夜奮闘している。そんな僕が街で出合った気になること、不思議なことを鳥井の許に持ち込み、その並外れた観察眼と推理力によって縺れた糸を解きほぐしてもらうたびに、友人の世界は少しずつ、でも確実に外に向かって広がっていくのだった…!?気鋭の新人による書き下ろし連作推理短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 名探偵はひきこもり〜若干ひきこもりの鳥井と親友の坂木。日常ミステリーの連作短編です。
    デビュー作であり、著者のペンネームはこの坂木司からつけたもの。

    デビュー作にして日常ミステリーの完成度が高く、そういうシリーズが現在たくさんあるのも納得です。

    ただこのシリーズはちょっとBL嫌いの人には受け入れられないかもって設定です。

    心に傷を持つ鳥井…
    その傷を丸ごと受け止めた坂木…
    鳥井の心の鍵を持っているのは坂木だけ。
    どっぷりの共依存関係です。
    そのあたりを嫌悪する方にはオススメしません笑

    誠実で優しい坂木が関わる人達の謎を解く事で少しずつ他人と関わっていく鳥井が心を開く…そんな物語です。

    性別を公表していない著者ですが…
    BL感満載のこの設定?間違いなく女性だと思いますね♪
    わたくしはもちろん大好きです(〃ω〃)





    • おびのりさん
      BL系共依存了承。
      BL系共依存了承。
      2023/06/08
    • みんみんさん
      病ツンデレ×溺愛鈍感…って感じです(`_´)ゞ
      おびさんだけは分かってくれると思ってました笑
      病ツンデレ×溺愛鈍感…って感じです(`_´)ゞ
      おびさんだけは分かってくれると思ってました笑
      2023/06/08
  • 引きこもり探偵シリーズ。坂木さんのデビュー作。
    引きこもりのプログラマー鳥井と、友人で外資系保険会社に勤める坂木司(坂木さんのペンネームは彼から取ったらしい)が、日常に起こった謎を解決していく。推理としては規模は大きくないが、登場人物や謎の背景が凝っていて面白かった。
    BLではないが、それを匂わせるような鳥井と坂木の距離感。友情というには重く深い感じが、好きな人には受けるんじゃないかなぁ。私としては、坂木は優しくいい人だけど純粋すぎるし泣きすぎるのがちょっと…という感じだった。

  • ひきこもり探偵と彼の唯一の味方であり親友である坂木司が
    身近で起こる事件をきっかけに様々な人と関わり世界を少しずつ広げていく。
    もっとほのぼのした日常の謎を扱ったミステリーかと思いきや、
    どう解決すればいいか解からないような部分をつく社会派だったりします。
    扱う事件はどれもけっこうな重みがあり、鳥井の抱える闇も深くて見えにくい。

    ちょっと坂木くんが泣きすぎだったり、ミステリーとしてはやや微妙なところがあるけど、
    坂木と鳥井の相互依存な関係や、それぞれの人とのつながりの話は
    苦しかったり切なかったりでおもしろかったです。
    季節が一周して、二人と周りのみんなが去年より前に進んだことを実感できてうれしい。
    おいしいミルクティーと全国銘菓いろいろ食べたくなります。

  • 坂木くんと鳥井くんの関係性が、お互いに依存しすぎていて心配になる。でも、少しずつ交友関係の輪が広がっていくのを見るのは楽しい。2人以外の登場人物も魅力的で、シリーズ通して登場してほしい。特に木村のじいさんと塚本&小宮コンビが好き。

  • ひきこもり探偵 第1弾

    ・夏の終わりの三重奏
    ・秋の足音
    ・冬の贈りもの
    ・春の子供
    ・初夏のひよこ
    ・あとがき
    ・筆者との一時間 『青空の卵』をめぐって 寺田結美・松谷明子

    いじめと家族の問題からひきこもりとなった鳥井真一と、幼なじみで唯一無二の友人である坂木司が、町のあらゆる問題を解決していく。

    歌舞伎役者に贈られる奇妙なプレゼントの裏側、迷子の真相など、登場人物が後々まで登場し、鳥井と坂木の周りに家族が出来上がっていくハートフルストーリー。

    やや二人の関係に違和感を覚えなくもないが、真理を突いた言葉がしびれる作品。

  • 坂木司と鳥井真一の二人が仲良すぎて大丈夫かと思ってしまう。
    依存しすぎで、しかもすぐに泣くし。
    坂木はピュアすぎる。
    あれではちょっと幼すぎる気が。

  • 息子がいい本だと言ったので、読んでみた。

    彼の好きそうな話であった。
    引きこもり、というか、引きこもり気味な青年と
    彼と友達になりたかった青年の
    ちょっとした推理の話。

    引きこもり気味っていうのがポイント。
    人は案外、
    心がぎりぎりの崖っぷちで生きている人は多いと思う。
    なので引きこもり気味の鳥井青年は
    特別なようで、人の中に必ず存在する部分でもある。

    気の強そうな女性も、粋な老人も、
    素直な子どもも、登場人物はみないそうな人だ。

    楽しく読んだ。
    坂木くんと鳥井くんが大人になるのを
    見届けたいような気持ちになった。

    大人になることを考え、
    幸せになることを考え、
    子供であったときのことを考え、
    親であることを考える。

    ナイスチョイス面白かったよ、息子。
    ありがとう。

  • 引きこもり探偵シリーズ

  • 「夏の終わりの三重奏」
    テレフォンカード一枚。
    何一つ悪いことをしていないというのに、被害にあった原因は貴方にもあるのでは等と言われたら全てが嫌になるだろう。

    「秋の足音」
    後ろを付いて歩いてた。
    もしも何かがあったらと思う人はいるかもしれないが、自宅につくまで手助けをするわけでもなく付いていくのは変だろう。

    「冬の贈りもの」
    ファンだから知る情報。
    こんな風に毎回一つずつ届くだけでなく、使い道を記した手紙ではないものが届けば意図も分からず困り果ててしまうだろ。

    「春の子供」
    誰も迎えにこない幼子。
    この年齢で今どうすることが最善なのか理解しているうえ、周囲にバレないよう振る舞うことができるのは凄すぎるだろう。

    「初夏のひよこ」
    これまで関わってきた。
    一人きりだったら絶対に繋がらなかった縁だろうが、定期的に外へと連れ出していたからこそ知り合うことができたのだろ。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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