- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488016012
感想・レビュー・書評
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なんとも奇妙な内容だが、個々のエピソードはグロテスクで非現実的ながらも引き込まれるおもしろさがある。物語についての物語というのだろうか? 狐につままれた話ながら、小説で物語を読むことの醍醐味のようなものも感じて個人的には満足だった。比喩や例え話が多いのに、それがストレスにならず、すっと心に染みこむような語り口も好み。
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前回読んだのは短編で、色々な変わった凄みのある短い作品の羅列で、そういう本だと思った。その短編を材料に一冊の本の中で色んな組み立てをしてみた、という感じで。撮影の終わったフィルムを編集したような。読み終わった感想は順番がこれで良かったな、後に短編読む意味ないよな、と思ったけど、またそれも違うかも。こっちの方が物語性があるけど、やっぱり短編集も生野菜に良さがあるように、作者の素の魅力があると思う。同じくグロテスクにてエロティック。こちらはロマンティックもプラス。
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文学
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訳者あとがきにもあったが、オチはこれでいいのかね?ダメとは言わんが、これでポストモダンでございとなるのか?
パーツ、パーツはそれなりに面白いし、探索物語のパロディと言うのも分かる。なんだか雰囲気もある。楽しくは読めたけれど。 -
祖父から聞かされた、妻をバラバラにして子供だちの腹に埋めた男の話など…。
読書ってこういう、未知の土地(実在するかを問わず)の空気に触れるような感覚になるのが、醍醐味の一つだったのを思い出す。近場の話ばかりでなく、海外小説も読もう。 -
「友だちの友だちに聞いたんだけ ど……」という感じでつながりのある ような話が1ヶ所へまとまるようでま とまらない。一つひとつの話や全体に わたる気持ち悪さがすごいので、こん な終わり方でも不条理を通り越して奇 妙な納得をさせられる。それこそ作者 の思うつぼにはまってるんだろうが。
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憂鬱で血なまぐさい想像力の流れに巻き込まれるのを楽しむ本。巻末の風間賢二によるカナダポストモダン小説の解説も良い。