- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488020194
作品紹介・あらすじ
東京でフリーライターとして暮らす小野寺衛は、同棲する女性の妊娠が判明した夏の日、伯母からの電話を受ける。それは故郷に残してきた兄の死の知らせだった。父親と二人暮らしの兄・聡は、知的障害があり、自殺ということ以外何も分からない。七年ぶりの地元に降り立った衛は、兄の死の真相を探る決意をする。父親、伯母、幼馴染みと、聡との関わりの深かった人物に話を聞き、慟哭の真実を知る――。ノンフィクションエッセイ『しくじり家族』『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』で話題の著者が贈る、鮮烈なミステリデビュー作。
感想・レビュー・書評
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障がい者の兄を持つ主人公
時代、差別、多くの暗い要素があったけれど、最後まで読めたのは「謎」があるからか
最後は泣ける詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
弟を責めるのは気の毒。
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「兄・聡が亡くなった」と連絡がある。死因は自殺。兄は知的障害があったが、本当に自殺なのだろうか。葬儀のため7年ぶりに故郷に帰省し真相を探る。もし自分の子供が障害者だったら、もし自分の兄弟(姉妹)が障害者だったら、もし障害者の人を好きになってしまったら、もし障害者の人を守りたい助けてあげたいと思ったならーー?最後の最後まで考えさせられました。真相を探る衛目線だけでなく、兄・聡に関わった周りの人たちそれぞれの側の目線で展開されているので引き込まれていく感じでした。終わりかたもにくらしい…。
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面白かった。
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なぜ知的障害者である兄が
自殺しなければならなかったのか?
本当に自殺だったのか?
平易な言葉で表現しているから
その弟や当事者たちの感情が
まっすぐ届いてくる。
主人公である弟が
疑惑をつきつめようとするけれど
最も兄を追いつめたのは自分である
という自覚があり
その罰を受けたがっているようにも感じた。
ただ、その苦しみや悲しみや
切なさみたいなものの
爆発が最後にちょっと足りなかった… -
ドキュメンタリーだと思っていたら、ミステリー小説だった。
主人公の障がいのある兄が自殺して、それがほんとうに自殺なのかを主人公が突き止めていく話。
兄に関わりがある身近な人たちの内面が解き明かされ、真実に迫っていくのが面白かった。
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ものすごく良かった!