グラスバードは還らない

著者 :
  • 東京創元社
3.58
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本棚登録 : 560
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027933

作品紹介・あらすじ

ガラス製造社の研究員セシリアは、新規の事業取引先として、不動産王ヒューに関わることになる。ヒューは高層ビル最上階の邸宅にて、秘蔵の鳥「硝子鳥」など希少動物を多く飼っていると噂されていた。ある晩、セシリアは同僚たち三人と拉致され、目覚めると外が見えない特殊なガラス張りの迷宮に閉じ込められたことに気づく。「お前たちの罪を知っている」というヒューの言葉に怯える中、突然ガラスが透明になり、研究員の一人が殺されたことが判明する。傍には、どこからか紛れ込んだ「硝子鳥」が鳴き声を響かせていた……。隠れる場所がないガラス張りの迷宮で、犯人はどこへ消えたのか? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、『ジェリーフィッシュ』『ブルーローズ』に続く、本格ミステリシリーズ第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • 評価が難しいなぁ
    きっと意見も分かれそうな気がします

    今回はクローズドサークルにかなり大胆な叙述トリックそして少々のアリバイトリックと目白押しですが、どうしてもクイズの問題文を読まされてる気がするんですよね
    250ページくらいの問題文

    しかもトリックの肝にあたるのが最後まで明かされないSF設定とあっては絶対に解くことのできないクイズです(ものすごく好意的に見て伏線らしきものはあるにはある)

    とても斬新ではあってなかなか面白くはあるんですが…そりゃあSF設定だもん斬新にはなるよねとも思いました

    とにかく悪くはない、悪くはないんだけど自分は市川憂人さんはもういいかなと思っちゃいました
    この時間で読みたい作家さんはいくらでもいるのでね

    うん、そゆこと

  • 希少動物密売ルートの捜査で不動産王のビルに乗り込んだ刑事のマリアと漣だが、爆発テロに巻き込まれてしまう。そのとき、密室の中では奇妙な連続殺人が繰り広げられていた。不動産王の秘蔵している硝子鳥が事件の鍵を握っているようなのだが。
    うーん、マリアと漣にあまり魅力がない。それに事件や硝子鳥の設定も無瑠無理感があって、現実感がないのだ。作り物(もちろん小説は作り物だが、その中に真実味がないとね)くさくて残念。硝子鳥が本当にガラスだったらよかったのに。

    • ひまわりめろんさん
      goya626さん
      こんにちは!

      そうなんですよ!
      マリアと漣があまり魅力的に感じられないんですよね
      ただそう思うだけでなく作者の市川憂人...
      goya626さん
      こんにちは!

      そうなんですよ!
      マリアと漣があまり魅力的に感じられないんですよね
      ただそう思うだけでなく作者の市川憂人さんがそもそも魅力的に書こうとしてないんじゃないか?そこに力入れてないんじゃないか?とすら思えるんですよね
      そこが1番肝心じゃん!とも思うだけど…

      自分レビュー書かなくてもいいんじゃない?って思うくらいgoya626さんのレビューに言いたいことが書いてあったのでコメントしちゃいました〜
      2022/07/19
    • goya626さん
      ひまわりめろんさん
      コメントありがとうございます。アイデア自体は面白いと思うんですけどね。「ジェリーフィッシュ…」の方が評判になったようで...
      ひまわりめろんさん
      コメントありがとうございます。アイデア自体は面白いと思うんですけどね。「ジェリーフィッシュ…」の方が評判になったようですが、食指が動きません。
      2022/07/20
  • 前作で散々傍点に文句を言ったわたしでした。
    今回も気になり、まず先にパラパラめくって傍点チェック。(いっぱいあった。気にしないことにする。)

    これはあの人でしょ?と思わせる、
    恰幅の良いお金持ちのおじさまが所有する高層タワーでの殺人。
    今回もまたまた仕掛けが満載で、
    犯人が誰なのか?はほぼ確実だったものの、そこに至るまでの謎はなかなかに複雑で、まんまと騙された。
    何箇所か図解されていたりもするのだけど、
    科学やら物理やらにうとい人間には理解が及ばす。

    始まりと終わりに物悲しさを感じさせる、ラブストーリーと言って良い作品。

  • 2020/06/13読了
    #このミス作品27冊目

    おそらく読む前から騙される。
    多数の登場人物がそれぞれ別の対象に
    怒りや憎しみを抱く構図に
    かなり複雑にストーリーが進むが
    最後のタネ明かしでカチッと嵌るのが
    気持ちいい。

  • 良かった〜、過去3作の中では1番好きだな。
    ただただ切ないっす。グラスバードってどんな鳥なんだろうって想像しながら読んでたけど、鳥なのか?って疑問はずっとあって、正体がわかった時のおぞましさと辛さといったらもう。。。登場人物が結局死にまくったから犯人は結局残った主要人物彼しかいないやんってなったけど、プロローグの場面がフラッシュバックした瞬間、そういうことかーってなって切ないわぁ〜泣。
    負の屈折率とか屈折率可変型ガラスとかホントにあるのかな?光学迷彩布とか実物を見てみたい。

  • シリーズ第3弾。
    2018年のこのミス国内編第10位。
    シリーズとしては、3作目だが、3作の時間経過が異様に短い。「ジェリーフィッシュ」の事件から1年も経ってないようだが、短い期間で物語を書いているので、登場人物の違和感がないのが、特徴的な気がする。
    前作の「青いバラ」の事件もまだ記憶に新しい中、マリアと漣は希少動植物の密売ルートの捜査をしていた。
    密売ルートの取引先である不動産王の超高層ビルに捜査に出向いたマリアと漣は、ビルの爆破事件に巻き込まれてしまう。
    一方、不動産王ヒュー・サンドフォードの関係者たちは、何者かに拉致され、ガラス張りの迷宮に閉じ込められてしまう。その出口のない迷宮の中で、次から次へと殺人が起きる。
    「そして誰もいなくなった」を想起させるシチュエーションと、ビル爆破テロと言う近代的な事件が、同軸で描かれているのが、新鮮。
    不動産王は某大国の大統領を思わせるし、ビル爆破は9.11を想像させるが、今作の時代設定は1984年。
    そうなると、少し時代設定に無理があるような気もするが、今までのシリーズの中では一番スリリングで、展開が早く、あっと言う間に読み終わってしまった。
    ただ他のレビューにもあったが、今回のトリックは好き嫌いが分かれるところ。私も個人的にはトリックと動機はイマイチ。前半が面白かっただけに、少し残念。

  • グラスバードの正体とか密室のトリックとかわかる訳もなく、どうなってるのかページをめくるのが止まらなかった。

  • ガラス透過率、屈折率をネタにしたミステリで、とてもおもしろかった。
    第1作の時と犯人の動機や立ち位置が似ているが、第1作の時に感じたどうやって被害者の殺され方や犯人を知ったのかという矛盾が解消されてた。第1作の時もこんな感じで動機が説明されてれば、すんなり読めたんだけどなぁ。
    途中セシリアが意識を失ってた間に着衣を何者かに変えられたことに気づくんですが、普通恐怖や嫌悪を感じると思うんですよね。若い女性なら。そこで、羞恥心を抱くってどういうこと??細かいところで女子の書き方がラノベヒロインになるの気になるー。
    ミステリとしても高層ビルでの火災や、閉鎖空間で集団パニックになるところなどこれでもかとシーンが重なり読み応え十分。硝子鳥も響きが美しく、禁忌に触れる設定がまた妖しくてよかった。

    最後に。ジョン、その女はマジでやめとけー。今より一層巻き込まれることになるぞー。

  • シリーズ三作目。
    序盤からぐいぐい惹きつけられた。今作も緊迫感ある物語を楽しめた。
    面白いことは間違いないのだが、視覚に関する一部トリックと最後に明かされる叙述トリックに納得がいかなかった。特に視覚に関する部分が肌にあわず。

  • マリア&漣シリーズ第三弾。相変わらずの叙述トリックだが、今回は反則気味だろう。あと表紙もなあ。殺人の動機も、これまた相変わらず弱い。年1冊づづ出版されているので、ことし(2019)も新作がでるのかな?

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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