月虹の夜市 (日本橋船宿あやかし話)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 59
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027957

作品紹介・あらすじ

江戸は浅草川に浮かぶ島、箱崎。多くの船や荷が行き交うこの地の川辺で、お涼は女将として小さな船宿を切り盛りしている。父親譲りの見えてしまうたちのせいか、面倒見の良い人柄からか、お涼はいつのまにか集まってくるあやかしたちの世話をつい焼いてしまうのだった。探し物をしている片目片足の小僧、小さな蹴鞠の神様たち……。あちらとこちらの世界をつなぐ不思議な船宿を舞台に贈る、愛おしいあやかし譚。待望のシリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 船宿あやかし第二弾です。
    前作は女将・お涼が見えないものが見えてしまう
    不思議な者を呼び寄せる…という短編で、あまり
    お涼の事を深く掘り下げず何故?というモヤモヤが残って今一つかなぁと思った。

    今作はお涼や父親の過去を振り返る短編で、色々な疑問が解消された一冊でした_φ(・_・

    なるほどスッキリ♪
    ちょっと面白くなってきました!

    続きあるのかなぁ?

  • シリーズ第二弾。
    船宿〈若狭屋〉を舞台に描くちょっぴり不思議な人情噺・八話が収録されています。

    前作同様、“連作”ではあるのですが、時系列ではなくて、第四話までは〈若狭屋〉の女将・お涼メインの話。第五話以降は過去の話という構成になっております。
    イメージ的には第四話までが本編、第五話以降はスピンオフみたいな感じですかね。
    今回は、お涼の父・甚八の両親の話まで遡っており、家族のルーツを辿るように、本編との繋がりを楽しむことができました。
    第六話「痣」は、甚八の育ての親的な存在だったお慶さんの人柄にジーンとくる話で、甚八と小春の馴れ初めも良かったです。
    そして、第二話「約束」ではお涼と吉弥との甘酸っぱいエピソードが書かれていましたが、前作で少女の頃、“猿田彦様”と祝言を挙げた(挙げさせられた)お涼だけに、“神様の旦那さん”の嫉妬がちょっと怖かったです。
    ただ、それに動じない吉弥が頼もしく、二人が再会できる日がくると良いなと思いました。
    あと、第四話「月を蔵す」の菊江さんも幸せになってほしいですね。
    第三弾はあるのかな・・是非お待ちしております~。

  • 匂いとか音色とか気配とか、不確かで目には見えないものなのに、忘れ去られた遠い記憶を蘇らせるものに人は弱い。
    何故かは分からないけれど、心の奥を揺さぶり自然と涙してしまう。

    見えないモノが見えてしまう、不思議な力を持つお涼の周りで起こる摩訶不思議な連作短編の続編。
    この世とあの世を行き来する妖しいモノ達がお涼の元に引き寄せられるようにやって来る。
    第2弾も前回に負けず劣らず、ほのぼのとしたり切なくなったり。
    チャキチャキの江戸っ子のお涼の気っ風の良さがとても心地好い。
    お涼の父親・甚八の話にも泣ける。

    折口さんの描く「あやかし奇譚」はいつも優しい気持ちにさせてくれて外れなし。
    第3弾もぜひ書いてほしい。

  • 図書館行ったら新刊の棚にあったから借りてみた。
    うん、よくわからん出だしに淡々とした短編。後半から主人公の生い立ちみたいなのが始まりようやく面白くなってきたかなぁってところで終わり。
    結局神様と結婚したとかいう設定がまったく意味不。
    これシリーズ化するのかな?でないとなにもかもが中途半端。

  • 江戸は浅草川に浮かぶ島、箱崎。多くの船や荷が行き交うこの地の川辺で、お涼は女将として小さな船宿を切り盛りしている。父親譲りの見えてしまうたちのせいか、面倒見の良い人柄からか、お涼はいつのまにか集まってくるあやかしたちの世話をつい焼いてしまうのだった。探し物をしている片目片足の小僧、小さな蹴鞠の神様たち……。あちらとこちらの世界をつなぐ不思議な船宿を舞台に贈る、愛おしいあやかし譚。

  • 船宿のちょっとふしぎな女主人の話。霧で迷いこんだような、「蟲師」に近いかもしれない。おすすめです。

  • 2019/4/15(月曜日)

  • 書き下ろし

    不思議系の人情話8話が、前後して繋がっていく。

    日本橋の船宿の女主お涼は、神やあやかしが見える不思議な力があり、いろんな不思議が寄って来る。この力は祖母の志乃、父の甚八から受け継いだもの。
    お涼は猿田彦命という神様から「嫁にする」と言われているのだが、猿田彦は嫉妬深く、お涼が寺子屋で一緒だった吉弥に会っていると邪魔しに来る。
    田の神様が伐られた木を探すためにやって来たり、蹴鞠の神が捕らえられた蹴鞠の精を救い出させようとしたり、古い笛の音に乗って出てくる精と話したりする。
    父甚八も、亡くなって常世にいる母を会い、今は船宿の船頭になっている銀次が萱原を見に来ると、萱の穂のうえで女神が踊っていると教える。
    ほんのり人情話なのがいい。

  • お涼のお祖父さん、お父さんの子どもの頃の話があり、そう繋がってくのかと、お慶さんの生き方素晴らしいなあ、おもしろかった。

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