馬鹿みたいな話!: 昭和36年のミステリ

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028718

作品紹介・あらすじ

生放送中のテレビスタジオで主演女優が殺害された! 自らが手掛けたミュージカル仕立てのドラマ撮影現場での殺人に、駆け出しミステリ作家・風早勝利と、名バイプレイヤー・那珂一平が挑む! 戦前の名古屋を活写した『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』、年末ミステリランキングを席巻した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』に続く、〈昭和ミステリ〉シリーズ第三弾。ミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念出版。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和三部作の三作目。前作までのネタバレもろに食らうので注意。駆け出しミステリ作家となった風早がシナリオを書いたミステリドラマの生放送中に主演女優が刺殺された。スタジオは締め切られていたため犯人はその中にいるはずなのに該当者が浮かばない。風早と美術担当の那珂がこの謎に挑む。前作高校生の風早が一気に大人になっているけど中身がそう変わっていないのには一安心。近所のおばちゃんか私。テレビの黎明期の舞台裏が実在の芸能人や実際放送された番組名を挙げながら語られていくのはとても面白かったけど(辻さんだからリアルタイムの体験だろうし)事件発生までが長くてちょっとダレた。トリックも前作までと比べたら小粒で動機もなんだかなぁ。ちょっと残念。

  • テレビ局で働いていた作者の青春ミステリ。衆人環視のスタジオでの主演女優の殺人。
    このシリーズ共通なのですが、ストーリーや雑学が散漫で読みにくいことはこの上ない。ただ、結末の中に、「この時代だからこそのジレンマ」を3部作全てに突っ込んでくるのは素晴らしい。

  • テレビ創生期の虚実入り混じったエピソードが時代の空気を伝える。一種のノンフィクションといえるだろう。それだけで読み応えがある。

    ミステリは…… なにもこれでなくても。切ない。

  • 昭和36年。作家という肩書きだけでは食えない勝利は、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった高校の同級生、大杉に声をかけられ、ミステリ短編ドラマの脚本を手がけることになる。
    なんとか脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。
    ほぼ生での放送。いくつものアクシデントを乗り切り、さあフィナーレというところに、主演女優が刺殺死体で発見される。

    テレビが普及して、映画からテレビへと娯楽の中心が変わってきた時代。
    ドラマが生放送って、舞台よりドキドキする。
    セットが見切れないように、スタッフが映らないように、次のシーンへの切り替えにも気を使って。
    ドリフの全員集合さえスゴイと思うのになー。
    そんな放送中に、事件が。
    導入部にハラハラしつつ読み進めたら、その後は淡々と事件までの経過が描かれていて拍子抜け。
    テレビ局の裏側を描きたかっただけなのかなあ。
    トリック?は早々にわかってしまうし、登場人物も淡々としていて、さらりと終わってしまった。
    あとがきを読んで、こういう自分史の描き方もあるのかも。

  •  十二年周期の昭和物ならば、60年のミステリを望むのは酷かな。
     でも、48年は、その後のみんなの様子を知りたくなる。
     推理小説というよりも、小林信彦さんの初期テレビ物に近い感じ。

  • 記録のみ

  • 馬鹿みたいな話!なるほど、そうだな?

  • 昭和ミステリ3部作をこれで読み終わり。
    3作の中では本作が一番好み。

  • テレビ黎明期の熱気が感じられます。元テレビの中の人。

  • 昭和ミステリーシリーズ第3作。本中ではCHKとなってるけど、NHKだわな。生放送中のテレビドラマの中で主演女優が殺されたという話。みはるの話ぶりから、枕営業させられてるという話だと思ったのに、全然出てこず。まぁ幼少期に里親から被害を受けていたという話だったけど。しかし、勘違いで殺されるなんて気の毒な話だ。ユイがどうして日本の映画に出たくないと言ってたのかも明かされなかった。まぁでもこのシリーズはミステリー云々より、その時代のことが分かるというのがメインだから。本当、職人技と未来への意欲を持った人たちの手で、今私が毎日見ているテレビ番組が作られてったんだな。それが今やオワコンと言われているとは。でも当時は映画がそう言われてたんだろうけど、映画も残ってるもんな。まぁ当時のとは全然違うんだろうけど。しかし、自身が体験したことをこんなに覚えているなんて、作者は天才かよ。当然資料も参考にしてるんだろうけど。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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