- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488104108
感想・レビュー・書評
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クイーンもの。国名シリーズ第6作で、200人の観衆の中で殺人が起こる。200人の容疑者の中に殺害に用いられた拳銃があると考えらるも、その拳銃は見つからない……壮大なスケールの中の殺人。壮大なスケールの殺人、私はそんなふうに思えました。特に拳銃がどこに隠されたのか、という問題に関してはかなり興味を引かれましたし、事実不可能のような感じがしましたし。トリックに関しては、それほど新しいものという感じではありませんでしたが、ヨードチンキの推理的なものが多くあって、驚かされました。犯人はそれほどでもあなかったかなぁ。ただ、前半部分が若干退屈だったりもしたのですが。
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40人の騎手を従え、颯爽と競技場に躍り出たロデオスター。41発の銃声が鳴り響いた次の瞬間、彼の体は地面に投げ出された。二万人の容疑者、有り余る凶器…ところが、彼の命を奪った凶器は遂に発見されなかった!
「僕は犯人を知っていて、しかも知っていないんです」
犯人を知りながら何故か沈黙を守るエラリー。そんな彼の目の前で、第二の殺人が実行された!
今回のエラリーはギリシア棺に匹敵する(或いはそれ以上の)苦渋を舐めています。ある意味では探偵の宿命的な試練に立ち向かっているかも。早い段階で犯人が分かっているのに公表しなかったせいで次の犠牲者が出る、という展開は探偵小説にはよくありますよねー
それにしても、他の作品に比べても遜色ないのにそれほど評価されてないのが腑に落ちないくらいの完成度です。読者に対してフェアであるなら、現実的に有り得ないような設定でも大好物なので、その点に関しての不満も私は全く感じませんでした。EQの論理の端正さは健在だし、個人的には犯人の意外性はピカイチです(犯人は分かるんだけど指摘はできない、みたいな…) -
四十人の騎手を従え、二万人の観衆の歓呼の声浴びて、さっそうとおどり出たロデオのスター、たちまちおこる銃声と硝煙の乱舞の中で、煙とともに消えた生命。ありあまる凶器の中から、真の凶器が発見されない謎を、エラリーはいかにして解くだろうか。ニューヨークのどまん中に西部劇を持ちこんだ非凡な着想に読者は魅了されることだろう。