ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104146

感想・レビュー・書評

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  • クイーンもの。国名シリーズではないけれど、番外編として位置させられている作品。密室殺人もので、嫌疑をかけられるエヴァという女性視点が物語の中心を据えられ、進行して行く。「国名」だと思って読むとさすがに本格さがあまりなくて愕然としそうな作品でした。メインは恋愛ドラマに据えられていて、どこかクリスティのような雰囲気がある作品でした。謎のほうは驚きはあったけど、なんか難しい状態だなぁ、なんて思ってたりも。なんというか未消化ではないのだけれど、「国名」を読む続けてきた中で本格からかなり抜けてしまっているのに驚いてしまうので、ドラマだと思って読めばがっかりせず、楽しんで読めました。

  • 日本が題材ですが、あんまり日本関係ないかも。チョコチョコ着物が出てきたり、日本語が出てきたり。

  • ニューヨークに佇む閑雅な日本庭園で起こった強固な密室殺人。
    日本の風習が単なるモチーフじゃなく突飛気味なトリックの説得力を強化する骨子になっていた。
    謎解きに固執して来たのはいつも謎が嫌いだったからだと呟くエラリーが印象的で。

    誉れ高きエラリー・クイーンの国名シリーズ最終作。

  • 思ってたより面白かった。キャラクター小説風。どこかクリスティっぽい。
    誰も自殺の可能性を考えなかったのは不自然だとか、鳥というのはちょっとどうかと思うとか、突っ込みどころはたくさんあるが。

    でも最後が許せなった。こじつけくさい理由をつけて、言葉による殺人を(おそらく)言葉による殺人で罰するなんてどう考えてもおかしい。その理屈ならエラリーすらも罰を受けるべきではないのか。蛇足だと思う。

    他の方のレヴューを見て気づいた!確かにあらすじネタバレだった!

  • 日本への誤解がいろいろあるのは仕方ないとして。トリックがショボ過ぎてがっかり。

    2人の探偵の掛け合いは面白かった。

  • 本格派の推理小説を久々に読んだ。論理的な思考が楽しかったです。四部作は昔読んだけど、国別シリーズは読んでいなかったので、読むかどうか迷い中。

  • 最近当たり多いです。
    国名シリーズ最後に来て、持ち直した感があります。

    推理もそこそこ楽しめます(無理やり感はあるけど)が、描写が読ませます。上手い。

    次はライツヴィルだ!

  • これはちょっと意味分からないですね。かなりミステリは読んでるつもりですが、こんなの見たことないです。

    これから本作を読もうと考えている皆さんに切実なアドバイス。

    決 し て 本 の 裏 や Amazon に 書 か れ て い る「 内 容 紹 介 」に 目 を 通 し て は い け ま せ ん。

    ネタバレ、と言うよりネタバレバレですよ←
    「事件の起こる背景にあった意外な事実」と「トリックを示唆する文章」と「真の黒幕」について触れちゃってます。
    あらすじで真相や黒幕を晒すなんて、ミステリスキーにそれ以上何を楽しめと言うんでしょうか。

    ラブロマンス要素?
    いつもよりちょっぴり悪役な警視?
    他の国名シリーズに比べて日本要素が(おかしな点はあるにせよ)多いところ?

    確かに、日本人としては読んでて面白い点もありました。琉球人が世界で一番優しいなんて記述、沖縄県民の私にはたまらんですわ(笑)。ありがとうございます!

    でも、読みながらも「あらすじ」は頭にあるから、「どゆこと?あらすじで言っちゃってるよねそれ?読者は分かっちゃってるよね、謎でも何でも無いよね?それともあらすじを覆すどんでん返しが⁈」って期待してたら、あらすじとの見事な予定調和のまま終了。

    私は問いたいU・x・U
    創元社に問いたいU・x・U
    どういうつもりで、あの内容紹介になったのかU・x・U
    クレームは来なかったのかU・x・U
    私は問いたいU・x・U
    手紙出してみようかなU・x・U
    Twitterのアカウント宛に呟くのは失礼かしらU・x・U
    いや、公式のネタバレのほうが失礼よねU・x・U

    というわけで、あらすじのあり得なさに憤懣やる方ないといったところですが、エラリーの真相指摘は国名シリーズ後半作の中ではなかなかいけてたので、無難に☆3つを付けさせて頂きます。
    あと、新装版はいいから、新訳欲しいな…


    以外は、いつも通り自分で考えたネタバレしてない「あらすじ」です、念の為。

    名誉ある文学賞を受賞し、数ヶ月後には癌の権威である医師との結婚も控えた女流作家が、自室で変死体となって発見された。
    唯一出入り可能な扉が繋がる隣室には、作家の婚約者の養女が控えていた為、彼女が最重要容疑者となってしまう。
    果たしてエラリーはその扉と「屋根裏に通じる鍵のかかった扉」の間で発生した事件の真相を暴くことができるのか?

  • 原題は国名が入っていないので、国名シリーズなのかそうでないのか微妙な本書は死んだ女性が日本趣味であり、日本が関係する事から国内では「ニッポン樫鳥の謎」と題名が付けられています。
    日本人には嬉しい1冊です。
    東京帝国大学教授の娘で作家のカーレン・リースが密室状態の自室で死体となって発見されます。
    日本趣味を持つ作家の不可解な死です。
    ミステリ的にはトリックもなくて大した事ないのですが、最後の医学者とエラリーの知能比べは大変に面白く読めますし、犯罪の背景等に関して日本に深い関係があるので本書は日本の読者向きだと思います。

  •  国名シリーズもとうとうラスト。しょっぱなからこれまでと多少雰囲気が違うのに気がつく。前作から時間をおいて書かれたのだろうか。
     消化不良気味の解決?と思いきや、その先もあるラストは苦い味がするが後で横溝を思い出してしまったあたりも「ニッポン」なのか。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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