- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488110161
作品紹介・あらすじ
第四作品集に至っても、未だ驚異的なクオリティーを保ちつシリーズ。不可解かつ幻想的な殺人の謎「大法律家の鏡」、この世の出来事とは思えぬ状況で発生した金塊消失事件「飛び魚の歌」、常識を超えたユーモアと恐怖の底に必然的動機がひそむ「ヴォードリーの失踪」など珠玉の10編を収録。シリーズの精髄ともいうべき逆説とトリックの凄みが横溢する、唯一無二の名短編集が、読みやすく新しいカバーでリニューアル!
感想・レビュー・書評
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高山宏氏の解説を読んでコナン・ドイルとチェスタトンが「同じ時代の空気を吸ってた」事に驚いた。やはり難解だが少し前に読んだシリーズで知ってた話『ヴォードリーの失踪』と『この世で一番重い罪』と、『マーン城の喪主』が良かった。
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ブラウン神父が過去の話をしていくという短編集で最後はフラウボーが締める。トリック全開な第3短編集と比較すると穏当であるがその分話の世界に入りやすかった。構成の工夫の結果なのかクオリティは保たれている印象。
個人的に思った事でファンの方には申し訳ないけど、フラウボーが相棒的ポジションから外れ話毎に登場人物が変わるというのは斬新であるがブラウン神父自体が謎めきすぎていて間抜けな風貌とは裏腹にシャーロック・ホームズほど親しみを持てない気もする。 -
「我々司祭は、そのような人たちに、舟の棹ではなく祝福をもって接しなくてはなりません。この人たちを地獄から救う言葉を言ってやらなくてはなりません。あなた方の人情がこの人たちを見放すとき、それを絶望から救うのはわたしたちだけなのです」
2019/8/28読了
一巻全体でブラウン神父が自身の探偵方法を説明する実例を語る、という構成。引用は『マーン城の喪主』より。ネット上で個人のプライバシーが暴かれ、誹謗中傷される現代のような時代にこそ、耳を傾けるべき言葉ではないか。 -
読みにくい文章だけどちゃんと面白いと感じさせてくれる、ホント不思議なブラウン神父シリーズ。
短編集なのにどの話も真相を知ると「はあなるほどそうきましたか!」と思ってしまう。
謎解きはもちろんのこと教訓めいた一言が意外と刺さるお気に入りの一冊になりました。