シルエット―アイリッシュ短編集 (4) (創元推理文庫 (120-6))
- 東京創元社 (1974年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488120061
感想・レビュー・書評
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「窓の明り」(The Light in the Window)ミステリ・ブック・マガジン1949.4
戦争で離ればなれになった恋人達、いいだしかねて、思い込みの悲劇。
「青ひげの七人目の妻」(Bluebeard's Seventh Wife)ディテクティブ・フィクション・ウィークリイ1936.8
いわるゆ青ひげ公の話をアイリッシュ風に。妹が会ったばかりの男と結婚した。男は血とナイフが嫌いだったが・・ 兄が動く。
「殺しのにおいがする」(He Looked Like Murder 改題;Two Fellows in a Furnished Room) ディテクティヴ・フィクション・ウィークリイ1941.2
友人二人と部屋をシェアしている男。友人が彼女と会うから今夜は部屋を空けてくれという。俺は夜学に通っていて、今夜は週1回の授業の予習をする日なのだが・・ 戻ると、なんと彼女は殺されていた。当然友人が疑われるが・・ 男二人の友情。夜学に通う、図書館で勉強する、実は貧しい彼女の家庭事情など、そこらへんの社会情勢がさりげなく描かれている。
「パリの一夜」(Underworld Trail 改題;One Night Paris)アーゴシイ1936.5
水兵の二人。ルアーブルで48時間の下船時間にひとつ花のパリにいってみようじゃないかということになり、仲間に教えてもらった男と連絡をとると、男に「鉛筆150本持ってこい、と言われそのとおり持っていくと・・
コメディとして映像化したらおもしろそう。
「シルエット」(Silhouette) ディテクティヴ・フィクション・ウィークリイ1939.1
ピーターズ夫妻はブリッジに招かれ、帰りのバス停で待っていると、向かいの窓で男が女に襲いかかっているようなシルエットを見る。新聞に「主婦行方を絶つ」と載り、警察に連絡し、裁判の証言台に・・ しかしシルエットの実演をその場で再現され・・ しかし女の目からみた1点が・・
すぐに警察に、という妻と、いや待て、という夫の考えの違いがコミカル。
「生ける者の墓」(Graves for the Living)ダイム・ミステリー1937.6
題名通り、生ける者の墓、のある暗く冷たい墓地での話。実は裏に犯罪があるのだが、それもどこか幻想に満ちている。なにかよくわからない感じも。主人公の父はまちがって生きながら棺桶にいれられ、棺桶を開けたその顔を主人公が9歳の時に見ていた、というトラウマがベースになっているが・・
他に、
「毒食わば皿」(Murder Always Gathers Momentum 改題;Momentum;Murder Is a Snowball;Murder ZGather Momentum)(コーネル・ウールリッチ短編集4)ディテクティヴ・フィクション・ウィークリイ1940.6
「死の治療椅子」Death Sits in the Dentist's Chair 解題;Hurting Much?(コーネル・ウールリッチ短編集1)
「秘密」 Silent as the Grave(コーネル・ウールリッチ短編集5:妄執の影)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイリッシュの作品は主人公の孤独感、焦燥感がひしひしと伝わってきて、どの作品も大好き。