ハリー・クバート事件〈上〉 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
4.03
  • (22)
  • (35)
  • (18)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 281
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488121044

作品紹介・あらすじ

アカデミー・フランセーズ賞受賞
高校生が選ぶゴンクール賞受賞
デビュー作でベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まっていた。大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていたが、その師が、33年前に失踪した美少女ノラの殺害容疑で逮捕されてしまう。庭からノラの白骨死体が発見されたのだ! 恩師の無実を信じるマーカスは、事件について調査し、一冊の本にまとめ上げるが……。年末ベストランクインの傑作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白くて、次は?次は?って、夢中で読んで。気づいたら、真夜中だった。とか、1日中読んでた。なんて日もあったぐらい。

    30数年前に失踪して、白骨化して発見されたノラという女性。このノラについて、あらゆる人間から話を聞き出す過程、そして事件当時まで遡る回顧的な章もあって、個人的には読み応えがあった。
    出てくる人物がどれも怪しく感じるが、まだ誰が犯人なのかは分からない。

    続きの下巻も、楽しみ。

  • 読みましたが。何を言ってもネタバレになりそうで。いつも私が言ってる「田舎はこえーよ」というのは、そこに行った人だけが知る、閉鎖された隠し事があり、好き勝手に隠蔽できることです。「おかしい」と思っても、おかしいルールの中でも生きてるため、異変に気付きません。そして人間はいとも簡単に、感情的な思い込みで、天使にも聖母にも、悪党にも悪魔にも瞬間的になりうることです。下巻読んでからまとめよう。かつて、まとめたことなどあったのか。

  •  33年前に失踪した少女の白骨死体が偶然発見され、当時関係の深かった有名作家ハリーに嫌疑がかかる。それを晴らすべく奮闘する弟子の新進作家マーカス。田舎町オーロラの住人たちを巻き込んでのドタバタ劇は二転三転し、思いもよらない結末になだれこむ。とにかくテンポがよくぐいぐいと引っぱられる。途中に挟まれるマーカスとハリーの学生時代のエピソードは、直接事件とは関係ないようにみえて二人の関係やサブテーマというべき作家の苦悩と成長につながるものであり、場面転換の効果もあいまって重要なピースとなっている。ユーモアたっぷりの語り口で軽快に進むので、底流する愛情と創作にまつわるテーマの深刻さを感じさせない。新進気鋭の作者の若書きらしく荒削りというか細かいことをいえば難はいろいろあるが、ストーリーテラーとしての力量はなかなかのものだ。

  • 引き込まれる。

  • 続きが気になりすぎて授業中ずっと読んでしまいました、、、早く下も読みます!

  • 翻訳本で、しかもボリュームたっぷりの割にサクサク読めた。
    これは翻訳家のスキルが相当高いと思われる。
    内容についてのレビューは下巻で。

  • 2作目の執筆に苦しむ新人作家が恩師の小説家に助けを求めにいったら、その小説画家が30数年前の少女殺人事件の犯人として逮捕されたので、恩師の無実を証明するために事件を追うミステリー。上下巻でけっこうな分厚さだが、翻訳がうまいのかサクサク読み進めていける。ちょっと展開が遅い感じもするが、後半になるとどんでん返しがバンバン起こるらしいので楽しみ。あと、ガロウッド巡査部長のツンデレキャラがよい。後半を続けて読む。

  • 序盤長い!
    そしてゴールドマンが鼻持ちならない奴で、ちょっと読んでいてイラっとする。
    でも、噂通り面白くって一気に読んでしまった。
    そして思うのは、どうして翻訳物っていうのはわりと話の筋に関係のない人物のキャラが濃いのだろうか。

  • テンポも良く読みやすい。
    謎も抜群。

    失踪し33年後に白骨化して見つかった少女の闇が見え隠れしてくる。結末が気になる。

    気のせいだろうか、自分が海外小説で面白いと言われ読んだ本の多くが少女が汚い大人たちの犠牲になっている話ばかりな気がする…
    ミレニアム、ザリガニの鳴くところ、自由研究には向かない殺人など
    外国では大きな問題となって永遠テーマなのかもしれない。

    とにかく傑作の予感。

  • スイスの作家がフランス語で書いたアメリカを舞台にした謎が謎呼ぶミステリ。上巻としての面白さの持続力は素晴らしい。

  • 絶賛スランプ中の若手作家が恩師の窮地を救うべく奔走するミステリー小説。舞台はアメリカだが、原書はフランス語のよう。上下巻併せて千頁近いボリュームの割に実にスローペースな展開だが、癖がなくテンポの良い文章で、リーダビリティーは高い。若干拗らせた性格の主人公もキャラクターが立っているが、殆どの登場人物が彼に協力的過ぎて物足りなくもある。ハリーを巡る女性陣の思惑や名著と謳われている作中作が三文ロマンス小説さながらで、その辺りは少々興醒めするかも。下巻はどんでん返しの連続らしいが、どう着地するのか非常に気になる。

  • 圧倒的に良い

  • 3.6
    あくまでも、
    下巻に向かっての助走と言った印象。
    総括は下巻で。

  • デビュー作がベストセラーになったものの二作目が書けなくて苦しむマーカス・ゴールドマンは、大学の恩師で小説家としても大先輩のハリー・クバートにその苦しみを訴える。
    しかし、ハリーの家の庭から33年前に行方不明になった少女の死体が発見され、殺人犯として逮捕されてしまう。
    マーカスはハリーの無罪を証明するために、独自に調査を始める。

    実はハリーとその少女・ノラは人目を忍んで付き合っていた。
    ハリー34歳、ノラ15歳。
    付き合うだけで犯罪になる…っぽい。

    怪しい人はたくさんいるが、よきアメリカ人、よきキリスト教徒というフレーズが何度も出てくるので、多分犯人はよきアメリカ人でよきキリスト教徒と思われている人なんじゃないかなあと予想してみるが、今のところ決定打はなし。

    最後の最後で、ハリーの知らないノラの顔が出てきてびっくりしたけど、よく考えるとそれは全てハリーを守る為なのかもしれない。
    ハリーを逮捕されないように、ハリーが家を追い出されないように。
    だとすると、ノラは心からハリーを愛していたことになるけれど。

    ハリーが「ノラ。愛しいノラ。」などと言うたびに、内田百閒の「ノラや」を思い出してしまった。
    ハリーは内田百閒じゃないし、ノラは猫じゃないけども。

    それにしてもこの作品の出てくる母親どもは、ひとりとして子どもの話を聞こうとはしないのが気になる。
    そういうの、ほんと嫌なんだよね。

  • スイスが生んだ傑作ミステリは噂に違わぬ素晴らしさ!人気作家となったマークスは2作目が書けずに悩み、恩師で大作家のハリークバートのところへ行く。しかしハリーは33年前に失踪した美少女の殺害犯として逮捕されてしまう。彼の無実を信じて捜査を始めると意外な過去が次々と明らかになる。凄い筆力とストーリーは惹きつけて離さない。33年前ハリーに起こった数々の事件、少女ノラとハリーの許されぬ恋。2人を巡る様々な人々。ページをめくる手が止まらない。誰が真犯人なのか、ノラは何者なんだ、邪魔をするのは誰だ?マジで下巻を早く読みたい!

  • 最初は取っ付きづらいことが多い海外小説だが、あまり抵抗なく一人一人の情景が入ってくる。
    頭のなかで登場人物の情報整理が大変だけど、下巻の展開がシンプルだと面白いだろうにと、期待。

  • 2017/01/09読了

  • 結構、長たらしいが謎だらけ。下巻に!

全22件中 1 - 20件を表示

ジョエル・ディケールの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
今村 昌弘
恩田 陸
米澤 穂信
アンソニー・ホロ...
フェルディナント...
カーター・ディク...
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×