アリスが語らないことは (創元推理文庫 M ス 16-3)

  • 東京創元社
3.54
  • (29)
  • (83)
  • (101)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 957
感想 : 87
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488173074

作品紹介・あらすじ

大学生のハリーは、父が崖から転落して死んだと知らされる。実家に戻ると、美しい継母アリスが待っていた。刑事の話では、父の死体には殴打の痕があった。ハリーはアリスと話し合うが、その態度に違和感を覚える。これは事故か、仕組まれた死か? 過去と現在が入り交じった2部構成で描かれ、ある場面で読む者の予想をはるかに超えた展開が訪れる。『そしてミランダを殺す』の著者の恐るべき筆力を堪能できる圧巻のサスペンス!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ★5 ど真ん中サスペンスの傑作! 過去に一体何があったのか、背筋も凍る真相とは #アリスが語らないことは

    父の死の連絡を受けた大学生である主人公は、急遽実家に戻ることになる。警察の捜査の結果、父は殺害されたと判明した。父の後妻であるアリスと身を寄せあい、二人で心の平穏を求めるべく静かに生活を始める。
    しかしアリスは父の事件や犯人について話すようになり、主人公は訝しさを感じ始める。

    これぞサスペンスっ 面白い! 世界観にどっぷり浸れました。

    今回はストーリーや人間関係など、サスペンスとしては比較的まっすぐに攻めてきましたね。ありがちとと言えばありがちなんですが、現在→過去→現在と交互に読ませていく構成がなんとも上手い!
    謎が少しずつ見えてきて、絶妙な怖さをかもし出し、でも先が気になる気になる。読む手が止まらないんですよ、あしたも仕事なのに困るっ

    登場人物もまた今回も強烈ですねぇ 変態ぶりが最高!
    人間性が強烈に描写されていて、身の毛もよだつとはこのこと、恐怖で魂を奪われてしまいました。あーこわい。そして、初恋って大事だなと思いました。

    ピーター・スワンソンのサスペンスは傑作ぞろいで、映画などでは味わえない心情描写が素晴らしく、読者の恐怖を煽るテクニックがマジでお見事。ぜひ多くの人に読んで欲しい作者です。おすすめですっ

    • ひまわりめろんさん
      autumn522akiさん
      おはようございます!

      そうですか〜
      正直ミランダが今ひとつだったんで迷ってたんですが…
      そうですか〜

      ケイ...
      autumn522akiさん
      おはようございます!

      そうですか〜
      正直ミランダが今ひとつだったんで迷ってたんですが…
      そうですか〜

      ケイトもアリスも★5ですか〜
      う〜ん
      akiさんの★5は信頼度抜群だからな〜

      う〜ん
      そうですか〜
      2022/05/31
    • autumn522akiさん
      ひまわりめろんさん、いつもありがとうございます~

      ふむふむ、ミランダが今一つでしたか。
      であればケイトのほうがおすすめですね、強烈度...
      ひまわりめろんさん、いつもありがとうございます~

      ふむふむ、ミランダが今一つでしたか。
      であればケイトのほうがおすすめですね、強烈度がスゴイです。
      もちろんアリスも面白いですが、比較的ありそうなサスペンスではあるので。
      2022/06/01
    • ひまわりめろんさん
      了解しました!
      ケイト行きま〜す
      了解しました!
      ケイト行きま〜す
      2022/06/01
  • 「そしてミランダを殺す」のピーター・スワンソン作。

    卒業式を間近に控えた大学生ハリーは、父親の転落死を知らされて急遽実家のメイン州ケネウィック(架空の町らしい)へ。警察の捜査で、父親の頭部には殴られた跡があるとのこと。そのことで父親の若い後妻・アリスと話をしたいのだが何故か彼女は話を逸らしてばかり。

    『アリスが語らないことは』何なのか。父親の死についての真相なのか。
    だが話はアリスの過去に飛ぶ。ということは、『アリスが語らないことは』彼女自身の過去の話なのか。それがどう父親の死に繋がるのか。

    「そしてミランダを殺す」で物語の序盤からは予想しない方向に展開していったのを覚えていたのでこちらもそうなのかと思いながら読んでいた。
    だがこちらは割と素直というかシンプルで、きちんと(?)過去と現在が繋がっている構造になっていた。

    解説によると邦題は原題の直訳ではないようで、狙ってこの邦題にしたのだろうが、なかなか巧妙だ。
    「そして~」でも感じたが、この作家さんの作品は登場人物たちに感情移入し難い。
    アリスはもちろんだが、主人公の一人であるハリーも、その父親で被害者のビルもそうだ。
    何というか、掴みどころがない。

    アリスについては他の方々のレビューを読んでいただくとして、個人的に気になったのはハリーの掴みどころのなさ。
    それは父親も同様で、ある登場人物から父親について『身勝手』で『自分自身のことは何ひとつ明かしたくなかった』人だと言われている。それはハリーも同じではないのかと。
    一見淡白に見える大学時代の恋愛関係。だがケネウィックに戻ってからはお盛んだ。そして友人でゲイのポールとの関係も深いのだか浅いのだかよく分からない。
    父親との関係も希薄な気がする。父親もそれなりにハリーを愛してはいたようだが、本に対する情熱の方が強い。

    アリス始め他の人物たちの心理の方は詳しく描かれていたので共感はできないまでも理解はできた。だがハリー親子についてはよく分からないままだった。

    読み終えてみると、その前に読んだ「楽園ジューシー」を思い出した。様々なツケは最後にドッと押し寄せる。あちらは挽回するチャンスがあったが、こちらは…。

  • 大学卒業を控えたハリーに父が亡くなった知らせが入る。
    散歩中に足を滑らせて転落した為だと聞かされたが、後日訪れた刑事から事件の可能性があると知らされる。
    父の後妻である若く美しいアリスは、何も語らない。
    大学に入ってからアリスと父の関係も詳しくわからなかった。
    その後、父と関わりのある女性も殺されて…。
    アリスの過去と現在が交互に物語は進んでいく。

    アリスの周りで起きた過去の死とそれを引き摺るかのように現れてくる義父の執念は怖い。

  • 読みやすかったし、続きが気になる作品だった。
    登場人物の誰一人として感情移入できず、心配したり応援したりという感情は生まれなかった。
    でもサスペンスとして純粋に楽しめた◎

    結局みんな、お目当ての人の為にそれに一番近い獲物を捕まえたってことなのかしら?
    アリスは掴みどころがなかった。
    自分で殺してない=何もしていないにはならないと思うけどなぁ。
    最後は仕方ないね。

  • 親が事故死し故郷に帰ってきた息子
    のハリーは、父の死が事故ではなく他殺の可能性があることを知る。
    ハリーはしばらく継母のアリスと二人で暮らすことに…だがアリスには秘密が…

    現在のハリー視点、過去のアリス視点が交互に展開

    何となくトリック自体は読めて少し当たったけどほぼ外れ…
    異常心理を淡々と描写していく「冷たさ」のある文章がやはりスワンソンさんの持ち味、少し肩透かしでしたが面白かった。

    なんとなく、少し前に読んでたクーンツに
    出てくる悪役や、サスペンスに出てくる母親達とキャラが重なる感覚があった。

    今のところ
    1位ミランダ
    2位アリス
    3位ケイト かな。

  • 大学の卒業を控えたハリーは父が死んだと連絡を受ける。

    卒業式もパーティーも投げ出して、故郷に帰った彼を出迎えたのは父が再婚をした女性アリス。

    彼女は父が死んだのはいつも散歩をしていた道で転倒したからだと彼に告げるのだが……。

    ハリーの視線を中心とした現在の事件と彼の継母であるアリスの過去が交互に描かれるミステリ。

    アリスがとても歪で好きになれなかった。と、いうかこの作品に出てくる人物の多くがそうなんですが。

    ミステリとしては、お! と思うところもあり、楽しむことはできました。

    ですが、愛憎ドロドロの作品はしばらくいいかもしれないと思ったりしましたね。

  • 「ミランダ」「ケイト」に次ぐ、「アリス」ですが、
    今回も最後まで楽しませて貰いました。「ミランダ」が一番面白かったかな。
    登場人物はみんな怪しく異質な人達なのですけど、謎解き役のハリーが今一つ人物像がはっきりしない点がマイナスかな。

  • 図書館本

    ハリーの父親、誰が殺したのか。
    義母アリスの過去に何があったのか。
    サスペンスもの。
    人間関係入り乱れて、名前もカタカナで覚えにくくて笑笑。
    しかし訳が読みやすくてだーーっと読めました。

  • ピーター・スワンソンの3作目(東京創元文庫では3作目)。
    ミランダ、ケイトときてアリス。邦題はなんとなく統一感がある。

    正直、ケイトより面白いが、ミランダほどではない印象。犯人の衝撃感はそこまでなかったか。
    ただ、結末が気になるストーリー構成は見事。

    そしていつもどおり、今回も特殊な性癖の方々が多数。普通、あの子が好きだからその親と結婚しよう、とはならないでしょw
    その辺りのゾワっと感も魅力ではあるけど。。。

    絶妙に後味が悪く、絶妙に因果応報感があるラストが非常に良い。次はダスティンだ!

  • 出てくる登場人物、みんな怪しく見えて犯人を読み切れず。週末にほぼ一気読み。まさかの展開にちょっと放心。
    たまに手に取る程度なのですが、サスペンス良いですね〜 夢中になれました。

    大学生のハリー、卒業間近に父親の事故死を聞かされ…

全87件中 1 - 10件を表示

ピーター・スワンソンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×