- Amazon.co.jp ・本 (629ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488187040
感想・レビュー・書評
-
「氷の家」と同じ作者だったので。
ミステリーの魅力の一つは、
真実に少しづつ近づいていく感覚だ。
集められた手がかりが一つ一つが積みあがっていく感じ、
小さな出来事がつながっていく感じ、
ジクソーパズルが、ぷつり、ぷつりと埋まっていく感じ。
この作品ではそれが楽しめなかった。
最後にいきなり流れ込む感じ。
でもそれは作品の構成が悪いとかそういうことではなく、
主人公に気をとられすぎたからだと思う。
誇り高く自立心と知性があるジンクスに何が起こったのか。
彼女の失われた記憶はどうなってしまうのか。
そもそも、記憶は失われているのか。
彼女の元夫を殺したのは彼女なのか。
そしてまた殺人を犯したのか。
そんなことに気をとられていたからだと思う。
そういう意味では面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もし目覚めた時に自分の記憶の一部が失われていたら、ましてや、その空白の期間中に元婚約者と親友が惨殺され、自分が容疑者として疑われていると知ったら……。この本の一つの読みどころは、そんな押し潰されそうな状況に陥ってしまったジンクスが、徐々に戻ってくる記憶に混乱させられながらも、それでも自分を信じ、捜査陣を向こうにまわして力強く戦う姿にあると思います。彼女も、ミネット・ウォルターズの他の作品に登場する人物に負けず劣らず強烈な人物です。
なのですが、話がそう単純にはいかないところがミネット・ウォルターズ。「連絡がとれない。わたしはそのことを、すでに知っている。」 物語の冒頭から時折よみがえる不鮮明な記憶によって、いきなり不穏な雰囲気に。しかも、嘘をつくことは第二の天性と言うジンクス。彼女の記憶が戻ってきても、いったい何を思い出したのか、それを伝える彼女の言葉を文字通り信用してもいいものなのか、読み進めても読み進めても、とにかく落ち着かない。今回も作者の術中に見事にはまってしまいました。
ただ、最初は細かい描写がなされていたジンクスが、後半になると突然脇役にでもなったかのようにお淡々と描かれるところは、読んでてちょっと違和感も……。こうした視点ずらしもミネット・ウォルターズの持ち味の一つなのですが、今回は少し気になってしまいました。
とはいうものの、暗闇の中を手探りで進んでいくような圧迫感、緊張感のある展開はやっぱり凄いと思います。とにかく続きがきになって、ページをめくる手が止まりませんでした。 -
ミネット・ウォルターズの第4作。記憶を失って目ざめたヒロインは、殺人事件の容疑者になっていた…!?スリリングな展開の作品に挑戦してみたんですね。読み慣れたタイプで読みやすかったです。
-
驚愕の犯人。
「え、うそ、そんなのどこにも書いてないよ??」
父親は規格外の美中年かものすごく醜悪な容貌であってほしかった
主人公は家族を〇〇すべき。
絶対どうにもならないはずだ、やつらは。
作者にとって早いヤツはダメなヤツという価値観なのかな -
地味ーに面白い。
一応は解決するけれど、ほんとうところはどうなのか、わからないまま。そして、一見余計に思われるラストも、今後のことを考えると・・・!
読み終わってすぐに、読み直しました。