サム・ホーソーンの事件簿〈2〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ホ 4-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488201043

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  • サム・ホーソーンの事件簿第二弾。

    田舎町に診療所を開いて5年。
    驚いたのは、あのランアバウトから火が出て駄目になってしまうとは。
    新車をすぐ買っていたけど。

    町に病院ができたり、サムが恋に落ちたり、保安官が結婚したりと
    いろいろ変化があったが、
    さりげなくサムの恋人の伯父さんが殺されたり、
    結婚式に使うはずだった家で人が殺されたりと、
    キャボット・コーヴ並みに殺人が多い。

    一番面白かったのは、サムが容疑者になった「伝道集会テントの謎」。
    病気を治す男の子が町を訪れるが、その父親が殺された事件。
    トリックはちょっと無理っぽいと思うが、
    珍しくサムが怒っていて、短いながらも面白い話だった。

  • 第Ⅰ集を随分前に読み、ハイレベルな不可能犯罪の短編集として高く評価していたので、第Ⅱ集も期待して読み始めたが、期待は裏切られた。ノックスの十戒に違反していたり、有名な密室トリックそのままであったりと、物足りない真相の作品がほとんど。強いて挙げると、ホーソーン医師が登場しない番外編の「長方形の部屋」だけはシュールな理由が面白かった。

    「伝導集会テントの謎」
    被害者とホーソーン医師しかいないはずのテントの中で、ホーソーン医師が目を離した瞬間に起こった殺人。真相を読むと、それしかないだろうとは思うが、そのことには、ホーソーン医師は死体を目撃した直後に気づきそうなものだが。

    「ささやく家の謎」
    幽霊屋敷の秘密を暴くために、ホーソーン医師がゴースト・ハンターの男と一緒に屋敷を訪れたところ、どこからか囁き声が聞こえ、謎の男が現れ、他に出口のない秘密部屋に侵入したままその男は出てこない。部屋を調べたところ、その男がナイフで刺し殺されていた謎。犯行トリックはノックスの十戒に反しているが、犯人がこのようなことを行った動機は面白い。

    「ボストン・コモン公園の謎」
    ボストン・コモン公園で起こる連続毒殺事件の謎を出張で訪れたホーソーン医師が解明する話。クラーレの毒の特性を活かした真相。

    「食料雑貨店の謎」
    密室の雑貨店内で気を失った女と殺された男と発射されたショットガン。女が疑われるが、ホーソーン医師は密室のからくりを見破る。ちょっとした発想の転換のアイデアが盛り込まれてはいるが、小品。

    「見にくいガーゴイルの謎」
    ホーソーン医師が陪審員として参加した裁判で起こった判事の毒殺事件。誰が毒を盛ることができたのかという謎。伏線が張られてはいるものの、小手先のトリック。

    「オランダ風車の謎」
    雪密室となり、被害者の足跡しかない風車の中で起こった連続火災事故の謎。人物配置、物証、証言など、色々と伏線が張られていて、真相はそれを結び付けてはいるが平凡。

    「ハウスボートの謎」
    ハウスボートに乗り込んだはずの4人が消失した謎。ボートに乗り込む時の描写である疑いを持った。真相は分かりやすいと思う。

    「ピンクの郵便局の謎」
    郵便局で1万ドルの債権の入った封筒が盗まれた謎。そんな方法で隠せるのかなと疑問に感じる。

    「八角形の部屋の謎」
    レンズ保安官の結婚式場となる八角形の家で、密室状態で死人が見つかった謎。説明だけではわかりにくく、トリックの方法が明確には理解できなかった。

    「ジプシーキャンプの謎」
    ホーソーン医師の目の前で亡くなったジプシーの男を解剖したところ、銃創がないのにも拘わらず心臓から銃弾が見つかった謎。さらに、キャンプをしていたジプシーたちが馬車と一緒に警察の監視をかいくぐっていなくなった謎。真相は肩透かし。

    「ギャングスターの車の謎」
    ギャングの取引に遭遇したホーソーン医師の目の前で、リムジン車に乗り込んだ男が消失した謎。人間の動きがわかりにくい。

    「ブリキの鵞鳥の謎」
    飛行機の密室の操縦席でパイロットが刺殺された謎。密室以外のトリックも使われているが、密室トリックは某有名ミステリー作品と全く同じ。

    「長方形の部屋」
    学生寮の二人部屋で起こった殺人事件。殺害後、22時間も死体から離れなかった謎。

  • 知り合いに薦められ、本屋でやっと見つけたので大人買い…。

  • 愛車が炎上したり保安官が結婚したり、シリーズ中の結構な転換点。世界恐慌、禁酒法、黒人差別などの時代背景がストーリーとしっかり組み合っている感じはとても好き。「八角形の部屋の謎」の結末がもの悲しい。

  • 相変わらず提示される謎は素敵で、魅力的。
    だけど前回に増してよく理解できないトリックが多いし、理解できるやつはしょぼいやつが多い。

  • 5-

    ニュー・イングランド

    ノースモント

    サム・ホーソーン

    と、つぶやいてみる。

    意外と語呂がいい(実にどうでもいい)。

  • 相変わらずガチガチの本格。でもなんか雰囲気が牧歌的なのがよい。「八角形の部屋の謎」の密室トリックは秀逸。あと「食料雑貨店の謎」「オランダ風車の謎が」よかった

  • 寝る前にひとつふたっつサムおじいちゃんのお話を聞いてから…というような短編集。

  • 時代背景的に凝ったトリックとかじゃないので、さらりと読むにはいい。ミステリーを読み始めた頃は、翻訳物のこういうのが多かったな〜と思いだしてみたり。

  • 不可能犯罪のオンパレード。さすがに時代が古いので、ラッチ鍵とか飛行機とかイメージそのものがし辛いものがいろいろ出てきますが、それを差し引いても謎の提示から解決までバリエーションに富んでいて楽しませてくれます。
    特別収録の「長方形の部屋」は、意外な動機モノのミステリで面白かった!

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