- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488218195
作品紹介・あらすじ
砦に滞在していたローマ派の修道士が殺され、第一発見者のフィデルマは容疑者として拘束されてしまう。頼れるのはエイダルフと自らの機知のみ。この窮地を如何に脱するのか?
感想・レビュー・書評
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修道女フィデルマのシリーズ、長編6作目、後半。
7世紀アイルランドでは、独特な法律があり、女性がかなり活躍していたという。
そういう史実を踏まえて、もともと学者の作家がヒロインを誇らしげに活躍させています。
ただの若い尼さんではなく、学問好きで修道院で深く学び、高位の資格を持つ弁護士という。
しかも、王の妹という血筋と立場まであり、いよいよというときには水戸黄門の如く持ち出せる。
スーパーウーマン過ぎるみたいですが、いっそそれが潔く、かつまた未開の地では必ずしも全てがプラスに働くわけではない‥!?
今回は相棒のエイダルフがだめだめなところから逆転、智恵を働かせてフィデルマを救います。
当時は聖職者でも結婚を禁じられてはいない、男女が共に暮らして子を育てる修道院さえあったという。
とはいえ、司教などは独身が好ましいとも思われていた。
そのへんの微妙さがあって、フィデルマがエイダルフに独身主義かと思っていたとチラッと言う場面もあり、ほほぉ~ツンデレの彼女としては精いっぱいの、ほのめかし?(笑)
前半のいろいろな描写も、伏線がするすると謎解きされていくので、当時の雰囲気を出しただけじゃなかったとわかります。
面白く読めました☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これ、シリーズの長編の中では一番おもしろい!
フィデルマが犯人と疑われ、拘束されるピンチ。それを救うエイダルフのかっこよさ。最後のフィデルマの謎解きも明快。 -
久しぶりにフィデルマワールドを楽しみました。
今回のフィデルマは、兄王の命によりモアン王国の秘境グレン・ゲイシュへエイダルフと共に旅をする。その秘境の族長から、キリスト教の教会と学問所の設立のための折衝をするためである。
舞台は7世紀のアイルランド。日本ではと言うと、大化の改新が645年ですよね。この時代にアイルランドの体系化された法律が、現在の話かと思うほどすごいものです。いつ読んでも驚かされます。
話もフィデルマ自身が殺人事件の容疑者になったりで、盛りだくさんです。エイダルフが頼れるのか?とかなり不安もありますが・・・・ -
二転三転として、面白い展開でした。
宗教の背景をもっと理解できたら、といつも思います。