論理は右手に (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ウ 12-3)

  • 東京創元社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488236045

感想・レビュー・書評

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  • フレッド・ヴァルガスの三聖人シリーズ第2弾。というかこれは三聖人シリーズの外伝っぽい話だ。聖マルコや聖マタイをはじめお馴染みの面々は登場するのだが、今回の主役は明らかに元内務省調査員のルイ・ケルヴェレールで、マルクもマティアスも彼の事件につきあっていたに過ぎない。最初もアダムスベルク警視がニアミスしていたので、三聖人シリーズを読み始めたと思っていたのに、あれっ!?ってな感じで登場人物や裏のあらすじを見返してしまった。お茶目なヴァルガスさんだこと・・・。(笑)
    ヴァルガスの魅力は個性溢れる人物像や理屈っぽい会話、それに象徴から次第に意味を明らかにしていくストーリー展開で、今回も期待を裏切らない面白さだった。

    今回の象徴は・・・、犬の糞。(笑)たまたま、犬の糞から出てきたと思われる人骨を見つけたルイはヒキガエルのビュフォを傍らにその人骨の由来を求めて動き出す。そして、マルトはいやいやながら、その関わらざるを得ない性分から次第に事件にのめり込んでいく・・・。今回も犯人だなと思っていた人物を外してしまったが、ユーモア満載の物語になかなか満足できる展開でした。三聖人シリーズからルイを単独シリーズにしてもいいんでないかな。

  • 三聖人と冠付いたシリーズのはずだが、またもや出てこないし。かろうじて1人。またも元内務省勤務のルネと、元売春婦のコンビが主軸。別の事件を追っかけてる最中に、拾わんでもいいのに、犬の糞を見つけ、中に人骨が紛れてるのを見つけてしまう。その付近を地味に散歩させてる犬と飼い主を観察。まあ、見つけちゃう。何だかそういう本来の事件は置いといて、出てくる人々の人間味を味わう。そういう本なんだな。歳取るのも悪くないなあー、と思わせるような、人との繋がりあいや絡み合いがいいんだよなー。

  • 20121119

  • パリの街路樹の根元に落ちていた犬の糞から出た人骨をめぐる謎は、やがて殺人事件へとたどり着く。

    三聖人シリーズのはずが今回メインで謎解きをするのは元内務省調査員で、三聖人は脇にやられてしまった。
    うち二人はなんとか事件に絡むのだけど、もう一人と伯父はたいそう可哀想なことに…。
    三聖人の掛け合いを期待していた身には少々寂しかった。
    元内務省調査員も常にヒキガエルを連れて話しかけていたりと悪いキャラではないのだけど、いきなり話が逸れてしまうシーンがあったりでちょっと困惑してしまう。
    シリーズの先の展開では今回のエピが広がる可能性もあるのかなあなどと考えつつも、いまのところ2作しか訳出されていないようなので評価は保留。
    謎解きシーンの畳み掛けるような展開は健在で面白かったんだけどね。

  • 3聖人シリーズの2作目、らしい。だが一作目を読んでいなくてもふつうに読めた。3聖人は主役でもなく、印象的な活躍もしないのだ。単独で成立しているところは長所だが、シリーズキャラクターの魅力が伝わってこないところは短所。シリーズものとしては『外伝』くらいの位置づけかな…2作目なのに。
    独自の雰囲気があり読ませる力もあるが、何度も読み返したいかといわれるとそうでもない。

  • 相変わらず混沌。
    好きだなぁ。。。

  • フレッド・ヴァルガスのミステリーの魅力は文体にもあるとあとがきにありましたが第二弾目のこの小説は、それが禍っているかもしれない。少し読みにくい箇所がありました。前作の「死者を起こせ」のようには最後まで一気にというわけにはいかなかったけれど途中から俄然おもしろくなってくる。主人公の三聖人(3人の歴史学者たち)はまだ失業中で今のパリの実情も伺える。今回は犬の糞から人骨が発見されるという奇妙なストーリー。あとがきに著者本人が撮影した資料写真が載っていたり、パリと日本の文化のちがいがお話の根底にあることの解説がされています。

  • みんなが怪しく見える。
    ボロ館メインではなかったけど、マティアスが出張ってくれたので良し。
    内務省調査員ルイが犬の糞から人骨を見つけ、足の悪いルイと一緒にアルバイトのマルクが海辺の町へ行っていろいろ動くという話。
    仰々しい無駄な機会の塊が吐き出すおみくじ的なものに夢中になるマルクがめちゃくちゃ可愛い。
    ルイの元彼女ポーリーヌの現旦那さんがとても素敵なキャラクターだった。
    早く、次を翻訳して欲しい。

    アダムスベルグがちろっと出てきたので「うきゃー」と思ってしまった。
    アダムスベルグシリーズも早く次が読みたいっ

  • 「死者を起こせ」に続く三聖人シリーズ第二弾。

    パリの街路樹の根元に落ちていた犬の糞から出た人骨の謎を、元内務省調査員の変人・ケルヴェレールが歴史学者マルク(通称:聖マルコ)とマティアス(通称:聖マタイ)を助手に独自に調査。辿り着いたブルターニュの村では最近、老女が海岸で事故死していて・・・というお話。街中に転がっている犬の糞が、事件の発端となっているのがいかにもパリっぽいです(笑)。

    前半はやや地味なんですが、後半ぐんぐん面白くなってきて最後の謎解きの場面は見事。ケルヴェレールのくたびれ感も渋い、落ち着いたミステリーって感じでした。今回、三聖人の内、二人しか出てこないんですが(リュシアン・通称:ルカはお留守番)、マルクが村にあるでかい機械(ハンドルをぐるぐる回すと最終的になんか言葉を書いた紙が印刷されて出てくる)に夢中になって、何度も回して遊んでいるのが可愛い。ケルヴェレールのお友達のヒキガエルを怖がって浴室に近寄らないのも可愛い。

    ケルヴェレールをジャン・レノ、マルクをブノワ・マジメルで映像化希望(これじゃクリムゾン・リバー2か)。

  • 聖人シリーズ第二弾。というか、聖人シリーズといって良いのだろうか?三聖人のマルコ、マタイ、ルカのうち、ルカなんてほぼワンシーンに、しかもちらっとしか出てこない。アダムスベルグシリーズとのリンクも見られた。ルカファン、ボロ館ファンとしては長いこと待っただけに残念な一冊。
    お話はなかなか事件が起こらず始めはダラダラと読んでいたが次第に糸が見え始め、そうするともう一気読みしてしまった。

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