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殺人ゲーム 刑事コロンボ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
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- 二見書房 / 1994年1月1日発売
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コンピューターを自在に操るハッカーとアナログ刑事コロンボの対決。当時最新=今読むとちょっと古い…というあたり、先日読んだばかりの『2つ目の死体』と印象がそっくりである。テーマ的についついジェフリー・ディーバーを思い出してしまうところも。専門性の高さ、緊迫感は彼方と比べものにならず、ため息が出てしまう。
が、この牧歌的な雰囲気がコロンボの持ち味なのかも…という気もしてきた。どんな相手でもコロンボの土俵で勝負。それもまた良し。
2013年8月9日
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ドキュメント 滑落遭難
- 羽根田治
- 山と溪谷社 / 2008年6月1日発売
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雪上での滑落、道迷いの果ての滑落など、さまざまな滑落事故の事例を取り上げている。
道迷い遭難がどれもどことなく似ているのに比べ、滑落遭難は経緯も遭難者の技術も多様。つまり、誰にでも起こりうるということだ。よって、それを視野に入れたリスクマネジメントが必要になってくる。登山計画書の提出、下山報告の徹底、ツェルトやファーストエイドキットなどの装備…ごく当たり前のこんなことが、文字通り生死を分ける。
滑落…いやな響きだ。なんだか冷水を浴びせられたようだ。でも、まさにそのために読んだのだ。ちゃんと準備して、山岳保険にも入ってから登るんだ。
2013年8月7日
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幻のダービー馬 新・刑事コロンボ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
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- 二見書房 / 1996年1月1日発売
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知的な犯人が緻密な計画に基づいて殺人を実行。読者はその一部始終を見ながら、思わぬ盲点を突くコロンボに感嘆する——。これが、倒叙殺人である本シリーズの見どころである。
ではあるが、時にたいそうずさんな犯人も出現する。本書のように。これは残念なことだった。私は非常に遵法精神に富むタチなのだが、思わず「私だったらもっとこう…」などと考えてしまった。
2013年8月5日
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二つめの死体 新・刑事コロンボ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
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- 二見書房 / 1998年1月1日発売
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勘で勝負する古いタイプの刑事vs最新技術を駆使する科学捜査官…という構図が、本書の売り物のひとつだと思う。しかし本書が書かれて数十年、この内容はもう最新技術ではなくなってしまった。
最新を描いたものは、古くなってしまうのだ。シリーズには今日性を保っているものも多いのに。
しみじみともののあはれを感じた。
2013年8月4日
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キララの海へ (黒ねこサンゴロウ 2)
- 竹下文子
- 偕成社 / 1994年1月1日発売
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ガラス貝を手に入れるため、危険な海域に向かう黒ねこサンゴロウの冒険。なぜか海猫族の会話術を使いこなす少女に出会ったりして、読むほどに謎が深まっていく。また、「サンゴロウにはわかっていないが、1巻を読んだ人にはわかる」事柄もいろいろとあって、もどかしい気にさせられる。
続きを読まざるを得ない。
2013年8月4日
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ワンゲルガイドブックス 2 北アルプス北部 (ワンゲルガイドブックス)
- 山と溪谷社
- 山と溪谷社 / 2011年7月1日発売
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情報量がちょうどいい。毎日読んで、今年の夏休みはどこに登るか検討中(←遅い)。
2013年8月4日
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旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)
- 竹下文子
- 偕成社 / 1994年1月1日発売
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特急でひとりお父さんのもとへ向かう男の子ケン。隣席に座ったのはなんと猫!しかも、その猫サンゴロウは、宝の地図を持っていた…。
小4娘の強烈なプッシュをかわしきれず読んでみた。なかなかおもしろかったし、次作以降話が広がっていく予感。
(以後ネタバレ)何が出たとしても、期待を超えるのは難しい…それが宝の箱。しかしこの宝は気が利いている。「宝箱から見つけたもの」としては史上最高かも。「そう来たか!」と思わず口に出してしまうところだった。
2013年8月3日
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奇妙な棺 新・刑事コロンボ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
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- 二見書房 / 1997年1月1日発売
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大好きなシリーズだが、本書はずいぶん話が荒い。「アンティークの女王の誘惑」とか「国際的テロリストとの駆け落ち」とか「情緒不安定な新進ピアニスト」とか、魅力ありげなエピソードが全部尻切れとんぼになっている。残念。
2013年8月3日
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EMI WADA WORKS
- 木楽舎 / 2007年5月7日発売
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『エディプス王』のプリミティブなエネルギーがすごい。古代の質感と古い紋様。王と王妃の衣装に透かしが入れてあるのは、「バックライトの効果を上げるため」とか。映画と舞台では、衣装に求めるものが全然違うことがよくわかる。面白いー!
いちばん気に入ったのは、映画『利休』の信長の衣装。「名物裂寄取り紋金糸縁取り」という、見たこともないパッチワークのような着物。深い紺色の袴(紋入りのビロード!)。クールで、ため息が出るほど美しい。「バサラ」とか「かぶき」とかいうのはこういうことか、と思った。
と思ったのはほんの一週間前であるが、今ではもう、そうは思っていない。間違っていた。
まず、バサラとかぶきは全然違うものであった。担い手も時代も違う。かぶきは、言ってみればヤンキー魂。かつての竹の子族、現在のよさこいソーランあたりが直系の子孫ではないかと思われる。
であれば、この衣装は全然かぶきではない。これは正真正銘のハイファッションだ。
一方バサラは、既存の権力に反発して豪奢な身なりをする風潮。もともとは室町期の流行だ。下克上魂である。
さて戦国大名といえば下克上だし、派手な陣羽織や意匠を凝らした兜などはいかにもバサラっぽいのだが、室町の下克上と戦国末期の下克上は、意味合いがだいぶ違うのではあるまいか。朝廷なり幕府なりといった既存の権力はとっくに失墜している。反発するにはまず権力を認めていなければならないが、信長にそんな気持ちがあったかどうか。
室町期のバサラ大名からは、何か気負いみたいなものが感じられる。信長はそんなものに、いっさい縛られていなかった。(と思いたい。)
…まあ、バサラのことも信長のこともよくは知らないがな。
話がそれてしまった!バサラがあまり魅力的な概念だからだ。ちょっと調べてみようかな。
この信長の衣装が見たくて『利休』を借りてきたが、1分くらいしか出てこなかった。なんて贅沢な使い方だろう。
2013年7月23日
しゃばけシリーズ、当初からずっと気になっていたことだけど…。文章がたどたどしくて、どうにも話に入りこめない。
2013年7月23日
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ワダエミ 世界で仕事をするということ (とんぼの本)
- ワダ・エミ
- 新潮社 / 2013年5月31日発売
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バレエ「牡丹亭」の写真があまりに美しいので買ってしまった。文章にも勉強になったところはあるのだが、衣装の写真だけで素晴らしい。
2013年7月20日
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食堂かたつむり (一般書)
- 小川糸
- ポプラ社 / 2008年1月17日発売
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食堂の内装とか料理を作る様子が丁寧に描かれていて、好感が持てた。が、後半の展開がなんか雑。とくにおかんの手紙には、非常な違和感を覚えた。娘への愛情を30年間伝えられなかった不器用な母が書く手紙が、こんなに饒舌でこんなに理性的だなんて…。
ラノベと小説の境界線がどこにあるのか知らないけれど、この本はその境界線上に立っている。
2013年7月20日
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かんたんなのにGood Looking ワンピース、ブラウス、スカート、パンツ
- 茅木真知子
- 文化出版局 / 2011年5月1日発売
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ボタン付けもファスナー付けもない、簡単なデザインがほとんど。時間があれば一日でできると思う。けれどどの服にもポイントになるデザインがあって、簡単を売りにしているだけの本とはひと味もふた味も違う。さすが、と思う。ただ、せっかく簡単で初心者にも作れるのに、説明が初心者向けでない。この人の本は全部そうだ。もったいないぞ。
いろいろ作りたいものがあるのだが、とりあえずピーコックグリーン(まあ、青緑ね)のリネンで表紙のワンピースを。これが着やすくてすごくかわいい!白のペチパンツとあわせたら、まるでナウシカのようだ…。
言い過ぎました。ナウシカのようではなかったです。
とはいえ涼しいし、さっそく褒められてすっかり気を良くする。作ってよかった。
2013年7月20日
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ドキュメント 道迷い遭難
- 羽根田治
- 山と溪谷社 / 2006年1月1日発売
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道迷いによる遭難から生還した7つの事例。
それぞれに地図の不携帯、軽い装備、山行計画書の不備などの問題点があるのだが、本書では特に判断ミスをする心理に焦点があてられている。
それは、望ましくない事実から目を背けてしまう気持ち。「道が違うかも」とか、「ここは登り返すべき」とか「今日中の下山は無理」とか、本当はわかっているのにやみくもに下ってしまう。
私も引き返すべきところで決断できなかった経験があって、身につまされた。
ところで、2つの事例で下の方に赤い屋根の小屋が見えたという。彼らはそれで「この道で行ける!」と誤認、山深く入り込んでしまった。
これを読んでゾッとした。私も去年、赤い屋根の小屋を見たからだ。道こそ迷っていなかったが、麓までの距離を錯覚。すぐ近くだと思ったのにいつまでたっても着かず、やっとたどり着いた麓の小屋は、茶色の屋根だった。ちなみに一行の大人は全員赤い屋根を見ている。「あの小屋は何だったんだろうね」などと話していたのだが…、
人を惑わす、赤い屋根の小屋の妖怪?まさかね…。
2013年7月20日
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クライム・マシン (晶文社ミステリ)
- ジャック・リッチー
- 晶文社 / 2005年9月30日発売
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初読でひねりのきいたストーリーを楽しみ、再読して巧さを堪能する。「縛り首の木」には、こんな作品もあるのか!と思わされた。シリーズ3冊読み終わっちゃってものすごく残念…。あと10冊くらいあればいいのに。
2013年5月30日
『しゃばけ』の続編だが、こちらは短編集。長崎屋をめぐる事件帖である。
舞台は江戸、しかも妖(あやかし)が跳梁する世界。ではあるが、「警察関係者(←岡っ引き)が持ち込んできた事件を高等遊民(←若だんな)が解決」という構造は、古典的ミステリの世界そのもの。病弱な若だんなの目となり耳となって情報を収集する妖たちも、ベイカーストリート・イレギュラーズを思わせなくもない。さて若だんなは毎度見事に真相を見抜くのだが、ここでやや不満なのは、若だんなの洞察力がどこから来ているのかよくわからないことだ。
なにしろ病弱で、世間知らずの人知らず。周りを固めるのは常識知らずな妖だらけ。そのうえ黄表紙ひとつ読む様子もない。人情の機微をどこで学ぶのか?利発な生まれつきというだけでは弱すぎる。
ミス・マープルは、セント・メアリ・ミードという小宇宙を通して人間性を知悉していた。ブラウン神父は、懺悔を聞くことで罪の知識を深めていった。若だんなが謎を見抜く目を持っているのも、実はこんな育ちに関係があるのです…みたいな話が聞きたいものだが、どうか。
時代物でファンタジーで人情話なんかも入っているのに、この感想はミステリに傾きすぎだ!でも仁吉の失恋話がいちばんよかった。
2013年5月29日
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謎解きはディナーのあとで (2)
- 東川篤哉
- 小学館 / 2011年11月10日発売
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執事が主人に替わって難問を解決。従僕ジーブスシリーズ(P.G.ウッドハウス)の直系の子孫だ。自分は現場に行かず、話を聞くだけで謎を解き明かすのだから、安楽椅子探偵ものでもある。安楽椅子探偵なのに立っている(←執事だから)ところがなんとなくおかしい。『黒後家蜘蛛の会』(アシモフ)とはごく近縁。
正直「こんなん、読むか!」と思っていたが、これがけっこうよかった。反省した。
超絶お嬢様と毒舌執事という設定も、事件解決までの流れも、現代のミステリならばありえない。でもミステリの古典って意外とこんなのじゃなかったか。つまり正統派のパロディ。リアリティのなさもこれだけ徹底していると、つっこむ気も起こらない。お嬢様と執事の掛け合いはやっぱりおもしろいしね。水戸黄門的安定感があって、気軽に楽しく読める1冊。
2013年5月21日
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カレル・チャペック短編集
- カレル・チャペック
- 青土社 / 2007年11月20日発売
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私はチャペックの『長い長いお医者さんの話』と『園芸家の1年』をこよなく愛する者だ。本書の作品の半分は「ああ、いかにもあのチャペックが書いたものだなあ。」と思われた。(にっこり。)しかるに残り半分は、あのチャペックではないチャペックが書いたものだと思われた。
作家が多様性を持つのはいいことだろう。けれど自分が好きなのがそのうちの一面だけだとしたら、「こういうものばっかり書いてくれたら良かったのに」と思ってしまう。代表作と言われる『山椒魚戦争』や『ロボット』は、私の好きな一面だろうか?なかなか手が出せないでいる。
2013年5月20日
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しゃばけ (新潮文庫)
- 畠中恵
- 新潮社 / 2004年3月28日発売
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一太郎は大店の病弱な若だんな。妖(あやかし)を感知する力を持ち、妖に守られて生きてきた。そんな彼が遭遇したある出来事が、やがて江戸中を騒がす連続殺人事件に発展する——。
文章になんとなく馴れない感じがする。江戸の町を舞台としていながら、当時の風俗もこれといって描き込まれていない。そのあたりがものたりないが、まあまあ楽しく読めたかな。
タイトルの「しゃばけ」は「煩悩」と同じような意味。これが、ストーリーのみならず一太郎の存在の秘密に深く関わっている。薫君このかた出生の秘密に苦しむ主人公は何人も登場してきたが、これほどショッキングな秘密に直面した人がいただろうか!? …まあ、いたかもな。
続きも読みそうな予感がする。
2013年5月20日
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10ドルだって大金だ (Kawade Mystery)
- ジャック・リッチー
- 河出書房新社 / 2006年10月17日発売
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ひねりのきいたミステリ短編集。殺人も横領も重さを感じさせず、どこまでも軽く、楽しく読める。
現代のミステリアンソロジーには、どういうわけかこういう作品が入ってこない。重たくて読後感が悪いものばかりだ。書き手がいないのか時代の流れなのか?おおいに不満!
ジャック・リッチーはこのシリーズでずいぶん再評価されたのではないかと思うけど、これでミステリの潮流が少しでも変わるといいなあ。
2013年5月19日
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うまい犯罪、しゃれた殺人 ヒッチコックのお気に入り (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- ヘンリイ・スレッサー
- 早川書房 / 2004年8月25日発売
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ヒッチコックが選ぶヘンリイ・スレッサー傑作集。アンソロジーなどではよくお目にかかる手だれの作家だが、こんなにまとめて読んだのは初めて。切れ味のいい洒落た短編(←決まり文句だが、的を射ている)を堪能した。
一昔前のアメリカの雰囲気を色濃くまとっているところも魅力。これはこの時代の作家が皆共有しているというものでもなくて、たとえばアイリッシュにはたっぷりあるが、フレドリック・ブラウンやジャック・リッチーにはそれほど感じられない。なんというか、おっとりとした品性みたいなものだ。たとえテーマが犯罪でも。本書に登場する男たちは、間違いなく中折れ帽をかぶっているだろう。
郷愁のアメリカ…体験したことはないけれど。
2013年5月16日
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ダイアルAを回せ (Kawade Mystery)
- ジャック・リッチー
- 河出書房新社 / 2007年9月10日発売
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ひねりの利いた短編ミステリ。殺し屋がひんぱんに登場したり、夫婦間のトラブルがテーマだったりというベタな設定であるが、そのおかげで、いい意味で作り物めいた楽しさがある。間違っても、読後気が滅入ったりしない。人がミステリ短編を読むのは、こういう話に出会いたいからだ!少なくとも私はそうだ。
シリーズ物とノンシリーズ物が両方含まれている。暴走気味のターンバックル刑事シリーズがお気に入り。
2013年5月16日
大人シンプル。庭を表現する言葉はいろいろあるが、こんなばかげたものは初めてだ!違和感のあまり、思わず手に取ってしまった。ところがなかを見てようやく「なるほど、これが大人シンプルか」と納得…などというようなことは全然なくって、やはりというか意外にもというか、登場するのはごくふつうにきれいなお庭たちである。
さてきれいなお庭にもいろいろあるが、この場合は「ガーデンデザイン会社のショースペースみたいなお庭」。個人の匂いのしない、空間とお金があればどこでも再現可能な庭である。おそらくそれこそが本書の狙いで、これは一種のカタログなのだと思われる。
だからつまらなかった。
個性があってこそ庭。庭の個性とは、私が思うに「庭の主の人柄や思想を反映している」「その土地固有の条件が生かされている」「ある程度の時を経ている」ところにある。それでこそ、簡単には真似のできない、唯一無二の庭になる。優れて個性的な庭には物語があり、世界が含まれている。
そういう庭が見たいのだ。
念のため書いておくと、文句を言いたいのは、登場する庭たちではなく編集方針の方。しかし考えてみれば、このタイトルではこんなものだろうという気もする。とすれば、少なくとも看板には偽りなしだ。
2013年5月14日
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太陽の黄金の林檎〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF)
- レイ・ブラッドベリ
- 早川書房 / 2012年9月7日発売
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実家にあって、昔よく読んだ本。30年ぶりくらいのご対面となる。まったく記憶になかった作品も読み進むうちに思い出されてきて、子どもの頃の自分に出会ったような気分になった。
はっきり覚えていたのは「サウンド・オブ・サンダー」と「金の凧・銀の風」。ストーリーがはっきりしていて小学生にもわかりやすく、印象的だった。全体にストーリー以外のところに魅力がある作品が多く、当時はこの思想や余韻を味わいつくすことはできなかっただろうと思う。
「歓迎と別離」は、12歳の外見のまま歳をとらない男の話。これ、高橋留美子は読んでるかな?
2013年2月15日