身元不明者89号 (創元推理文庫 M レ 2-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488241032

感想・レビュー・書評

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  • 10年以上前から翻訳化を待っていた作品。導入部こそややもどかしさがあったが、中盤以降俄然面白くなってくる。それにしてもレナードは黒人(特にワル)の描写が本当にうまいなぁ。

  • 30年前に書かれたものですがすごく面白かった。レナードだから面白くないわけが無い、という思い込みも若干あるかもしれませんけれども。

    すねに傷の無い人は出てこないレナードならではの不思議な話。空き巣狙いから足を洗って令状送達人になったジャックが主人公。住所不明の相手や逃げ隠れする相手にもすばやく配達するジャックは人探しと確実に配達するその腕を見込まれて、ある男の居場所を探してほしい、と頼まれます。簡単なこと、と安請け合いで引き受けたものの、裏の裏があって危険に晒されたりして、裏の事情にもいつの間にか巻き込まれ、問題の人探しの依頼主であるペレス(頭のキレるヤなおっさん、しかもレイモンドという汚れ仕事を厭わない用心棒を飼っている)と敵対するようになって、、、、、

    犯罪小説として分類されてますし犯罪者も犯罪もいっぱい出てくるのですが、AA(断酒会みたいなのの略、海外小説読んでると良く出てきます)の話とか、ジャックとデニーズという女性の話とか、タイトルの身元不明者89号がどういう意味なのかとか、いわゆるノワール小説(悪党が主人公で、悪党を否定せず勝組のように描いているジャンル)とは真逆のものです。世の中は不公平で理不尽でしょーもないというのは現実なのだから仕方ないと認めておいて(それで何が悪い、と開き直るのではありません)、でもあたたかい安心できるようなものが底辺にちゃんと流れております。そしてやっぱり文章、特に会話がしゃれててかっこいいです。

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