心憑かれて (創元推理文庫 247-3)

  • 東京創元社
3.43
  • (1)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 36
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488247034

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 再読。異常心理ものだが古さを感じさせない。誰もが少なからず抱えているのでは、と思う闇の部分、弱さの部分を描いていて怖い。主人公のチャーリーに、(そこに居たらダメじゃない)と何度かダメ出ししたこの私こそ、先入観に囚われていた。

  • とある少女に心を惹かれたチャーリー。彼にはとある前科があり、彼自身も彼を支える人たちもそのことについて気を張り悩んでいた。やがて少女に起こる事件と、さまざまな方へと向けられる疑惑。じわじわと不安感ばかりが募るサスペンスです。
    「異常者」とされてしまうチャーリーですが、しかし彼は悪人ではないんですよねえ。とある傾向があるにはしてもそれをきちんと自覚して抑制しようとしているし、近しい人たちの支えもあるし。彼には逆に強かさがないゆえに、抱えたものが内へ内へと向かっていってしまうのが実に苦しいです。もちろん発散すればいいってものではないけれど、これは本当にしんどい。むしろチャーリーは被害者なのかも。
    一方で天真爛漫に思えながらも案外と強かでちょっとひねくれた少女たちの姿も印象的。九歳ってほんの子供のように思えるけれど、そうでもないんですね……。とにかくもやもやした物語なのだけれど、救いがないではないのが幸いでした。

  •  裏の紹介とかで、ロリーターみたいな話だと思っていた。確かに、そういう側面がない訳じゃないが、出て来る人皆がなんだかんだと壊れているのが、怖い。ボタンを一つ掛け間違えたような感覚。ミラーはやっぱり、上手いです。

全3件中 1 - 3件を表示

マーガレット・ミラーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×